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思いの木  作者: 暇したい猫(桜)
本編 思いの木
1/17

チャプター1


 夏。

 空は蒼く、日が照り行く中人々は歩いていく……。そして、人々が夢中になる中、誰も道端の真ん中にひっそり咲く花に気づかないでいる。おかしいな人間は……雲の上、空の上から覗いていた老人はそう思った。


「あっ!」


 けれど、十一歳の小さな男の子が声を発した。 つられて同年代のかっこいい男の子が振り向いた。


「どうした翼?」


 どうやら小さい男の子は翼というらしい。


「あそこに花が咲いてる!」

「ほんとだ……」

「あそこにいたら危ないよ。植え替えそう。明」


 かっこいい男の子は明というのか。


「わかったよ。手伝う」


 そして、二人の男の子は花を公園に植え替えている。二人だけが小さいものを見つけ出した。

 ほう、少し興味が湧いた。様子を見ようか。

 突如、老人は消えていた。


     ◇


「翼、お前本当にお人好しだな」


 僕は明と一緒に商店街の裏道にいた。 学校に行く途中で、『翼』という名札がついたかばんを持って早歩きをしている。早歩きしているのは始業に遅れそうだからだ。


「わざわざ道端の花を植え替えるなんて。俺は考えないぜ」

「でも、かわいそうだし……自分だったらいやだもん。あんなところで一人とか……」


 僕は首を振りながら想像する。


「そっか。まぁ俺はお前のそんなとこが好きだしな」


 明が照れくさそうに鼻をこする。それなら僕だって……と言おうとしたが、ちょうどチャイムが鳴り二人とも急いだ。



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