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プロローグ

 廊下を歩いていると窓から侵入してきた太陽の光に明るく照らされる。

 時は五月半ば。この時期になると桜の花は散っており、照らす太陽の光は若干強くなる。

 季節は春から夏へ。気温は徐々に上がり始める。

 

 暖風を感じながら購買で買ったパンを持って、教室に向けて歩いていた。

 引っ越してきて、約一ヶ月。ようやく学校生活にも慣れ、購買を使うことは俺の中では日課となっていた。成長期の男子は母親が作ってくれた弁当だけでは物足りなかった。


 歩いていると前から二人の女子生徒がこちらへと向かって来た。

 向かって右の方へと視線を向ける。


 黒髪ショートボブ。右髪につけた猫型のヘアピンが特徴的な彼女。胸はおしとやかだが、引き締まった腹部や絶妙な出っ張りを見せる腰部によってプロポーションとしては抜群だ。


 彼女たちはおしゃべりを楽しみながら俺の横を通り過ぎていく。

 刹那、先ほどまでの暖風にどこか冷気のようなものを感じた。


 すぐさま足を止め、振り返る。だが、後ろの彼女たちは何事もなかったかのように二人の世界へと入り込んでいた。俺の存在なんて全くなかったことにして。

 俺は視界から彼女たちが消える最後まで先ほどの彼女に視線を送ってしまっていた。


 名前は『六条(ろくじょう) 結衣(ゆい)

 結論から言うと彼女は俺の元カノである。

 俺にはある一つの悩みがあった。

 

 この街に引越してきて、久しぶりに再会を果たした彼女から無視を受け続けていることだ。


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