b5、姉の部屋(妹)
トントン
「入って…いい?お姉ちゃん。」
「どうぞー。あ、机の上の物は触らないでね?」
ベットに座った姉がこっちおいで。と呼ぶ先は布団の上。
「布団乗って嫌じゃないの?」
「ぜんぜ〜ん。ゆめちゃんだからいいの!」
折角、遠慮したのに、大歓迎された
「変なの…お邪魔します。」
姉はふっと笑って私を腕で囲んだ。
「お姉ちゃん、変じゃないってばぁー酷い。」
「ねぇ…見たことなかった、でしょう?覚えてるかなー?兄貴のこと。」
私が昼間見た写真を姉は私に渡した。
…さっきからずっと姉の手の中にあったからかほんわりと姉の体温が残っている。
「一枚も二枚も上手なのが姉ってものでしょ?…まぁ、守らせて欲しいってのはこっちの願望で。ゆめちゃんは自由にしていいんだよ?」
全部わかってるんだ、お姉ちゃん。…まいっちゃうなぁ…。
「…今回の件は私の不注意だからね。気にしないでいいの。ゆめちゃんは兄貴の事について写真を見せられて私から教えられただけ…ただそれだけ。」
「私がお兄ちゃんの写真以外見てないって信じての事?」
姉から情報開示すれば私が盗み見た事は意味をなさなくなる。
相手が知っているのを知ってるのと、相手が知ってる事を知らないのとでは全然違う。
「まぁ、ここにあるもの…って言ったらそれぐらいしかめぼしい物はないでしょう?…それにいつかは知らせないととは思っていたから、ちょうど良かったなぁ〜ってお姉ちゃん思うなぁ?」
「おやすみ、ゆめちゃん」