b4.悔い
…がちゃ、
「だだ今〜〜ゆめちゃん、雨戸閉めてよ〜?暗いよ。」
「うわっ、外真っ暗だね…お帰り。」
「うん。まぁ、部屋の電気はついてるし…さては、雨戸閉めるのを面倒くさがったな?ふふっ。」
「うぅ…ごめん。」
「課題やってたようだし、許してあげる。荷物部屋に置いてくるからご飯の準備しておいて?」
「うん。わかった。」
「おかず昨日の残りと冷奴でいい?…ねぇ、きいてr…」
あまりにも静かに姉はそこに佇んでいた。
「…ゆめちゃん。今日部屋の鍵かけ忘れた見たいで、」
ドキッ
「へぇ…」
「…約束破るような事、してないよね?」
口調は平坦で静かなのに詰問されてるように感じられる。姉が…恐いような何というか…麦茶を注ぐコップが少し震えたかもしれない。
「…してないよ?」
「ならいいよ。冷奴切るね。」
「うん、任せた。」
心の中でごめん、と謝っておく。
嘘付いてごめん。
「ご馳走さま、ゆめちゃん風呂出たら私の部屋来て。」
「…えっ、でも…約束…」
「確かに約束はあるよ?でもさ、私の許可があるのに入ったらダメなんていってないじゃない〜〜。」
「う、ん。」
「言いたいことはそれだけ。風呂入って来な?」
私は、風呂に向かう途中も思いがけない姉の言葉を反復し、そしてまた動揺していた。
嘘がバレたか、姉は怒っているのか、何なのか。
…嘘はばれているんだろう、きっと。
熱い湯船に浸かって、涙が落ちそうになる。この水面に少しぐらい水が落ちたところでそう変わらない、大丈夫。
「…追い出されたらどーしよ。」
目元が赤くなれば、以外と目敏い姉に気付かれる。それは困ってしまうから一生懸命に涙を堪えて。