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映画を作る姉を紹介

 2脚で立つ机を応援したくなる。2脚の机には人間と同じくつま先とかかとに似た構造が存在する。ずっと観察していると、机が人間に近づいているような気になる。まさかな。

 

 私は2脚で立つ机と2足で立つ姉を応援している。座っている姉も好きだが、立っている姉のほうがちょっぴり勝る。立っているほうがなんだか成し遂げてくれそうだから。

 

 姉は大学で映画サークルの一員をやらせてもらっている。私はサークルというものが何かあまり理解していない。


「大学のコミュニティだよ」

 

 姉は教えてくれたが、コミュニティかコミニュティか正確に聞き取れなくて悲しくなった。

 

 悲しいで思い出したんだけど、一口○○っていう食べ物を二口に分けて食べたときって、作り手とのすれ違いが生じた気がして悲しくなっちゃうよね。私の口って小さいから、無理して一口で食べるのは気が引けるというか。だけど、無理したら一口でも食べられることが問題なんだ。前世は口が大きかったのに、どうしてこうなったんだろう。


 映画サークルの話を続けたほうがよさげだね。

 姉が初めて作ったショート映画を見せてもらった。

 

 姉って書くのやめよう。普段、姉って使わないのに文章だからってかしこまっちゃった。

 

 仕切り直して、お姉ちゃんは映画サークルの奇術師って呼ばれている。

 あれ、仕切り直したら変なところに行ったぞ。

 

 今の奇術師のくだりは忘れてもらって構わない。当然忘れなくてもいい。忘れようと頑張って、途中で投げ出してもいい。途中で投げ出したそれが私に当たってもいい。故意じゃなければ。故意だったら少し悲しいかも。

 

 悲しいで思い出したんだけど、一口○○っていう食べ物を二口に分けて食べたとき、作り手の一口で食べられるようにするための企業努力を蔑ろにしたみたいな、自分の意地悪さを指摘されているようで悲しくなっちゃうよね。私の口って小さいから。小食アピールじゃないよ。

 

 何の話をしてたっけ?


 ああ、映画の話か。

 実は、私は映画館に行ったことがない。

 

 映画館に行ってない場合は人生の何割損してるって言われるんだろう。今のところ、これまで言われた「○○をしたことないって人生の○○割損してるよ」を合算すると、私は34割損しているらしい。私と仲のいい松島は19割。松島が飼っている猫も19割のはず。松島がカバを飼っていると仮定すると、そのカバも19割損している。

 

 私は損を埋めるような生活はしたくない。それはきっと松島のカバも一緒だろう。聞いたことはないけど。得を貪欲にかっさらっていきたい。


 お姉ちゃんの映画を観るのは初めてだったからワクワクしていたのだが、映画の中身は私の理解の範疇外で、思わず奇声を上げた。奇声さえ上げておけば、ぎりぎりお姉ちゃんと同じラインに並べると思ったけど、お姉ちゃんはコンビニに出かけていた。薬局かもしれない。

 

 正確なことはお姉ちゃんとコンビニ店員と薬局の店員のみぞ知る。母も知るかもぞ。

 

 映画の内容はデスゲーム系に分類されるが、最後まで登場人物たちはみんな揃って生きていた。ネタバレ注意って言うの忘れてた。お互い注意していこう。

 

 物語の冒頭で、囚われた主人公たちにゲームマスターからミッションが通達される。


「ダヂヅデドで元気が出るあいうえお作文を作れ」

 

 これが1つ目のミッション。

 

 主人公は熱血キャラみたいだ。他の人たちが諦めムードでも決して諦めない。


「大丈夫、きっと大丈夫だ」

 

 これは鼓舞ではない。"ダ"で作文を作り始めたのだ。でもその後に気づいてしまう。"ヂ"から始まる言葉なんてほとんどないことを。


 主演俳優の顔はみるみるうちに青ざめていく。主演俳優から離れて座る眼鏡をかけた賢そうな男は、最初からそのことに気づいていたから無様に足掻かなかったという旨を話した。その男に主人公の幼馴染が「そんな言い方ないんじゃない?」と言ってた。


 「ヂ、は後回しにしよう。ヅ、ヅ、図工、はズか。頭巾、もズか」

 

 主演俳優を見ていられなかった。


 「もう十分。あなたはよく頑張った」

 

 ヒロインは項垂れる主演俳優に声をかける。そんなに頑張っていない気もしたけど、ヒロインから見てそうだったら、私の知らない物語があったのかも。


 この先は有料になるかな。私にじゃなくお姉ちゃんにお金をあげて。

 

 特別サービスで結末だけ言っておくと、ゲームマスターは実はボードゲームマスターだったんだ。ゲームマスターの一種ではあるから嘘はついてないって言い張っていた。モニターに映し出された彼の背後には、ボードゲームの大会で優秀な成績を収めたことを示唆するトロフィーが数多く陳列されていた。

 

 お姉ちゃんの映画の話をしていたら、お姉ちゃんを応援したいモチベーションが高まってきた。まだまだ応援は終わりを知らなそうだ。


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― 新着の感想 ―
何か文章切れまくってんですけど(・∀・)イイネ!!
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