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【夕刊シチ】デイリー両晋南北朝  作者: ヘツポツ斎
【〇一月】二八〇年〇三月~三〇九年〇七月

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22/26

【21日】299年02月~300年01月

【299年02月~300年01月】

資治通鑑原文3358文字(129/365位)


【登場人物】

・メインキャスト

 1/1-司馬衷-1/29

 1/1-劉淵-2/2

 1/4-慕容廆-2/26

 1/12-陸機-1/25

 1/12-劉琨-2/10

 1/17-拓跋猗盧-2/8

・準メインキャスト

 1/1-司馬倫-1/23

 1/1-張華-1/22

 1/11-司馬熾-2/4

 1/11-賈南風-1/22

 1/13-司馬越-2/2

 王敦-2/16

・八王

 ×亮×瑋乂穎倫冏顒越


【できごと】


賈南風の暴走! 太子廃立!


 ここまでさんざん賈南風時代の統治にだんまりを決めていた資治通鑑が、突然賈南風の下半身スキャンダルを書きたて始めます。曰く、医師と私通した。曰く、若者を連れ込んで楽しんでは殺した。これはたまらんと張華や裴頠は廃立を相談もしたそうですが、ここで賈南風を廃すると皇族が好き放題しかねない、と思いとどまります――うーん、このネタの真偽については「小説に仕立てるなら異常にキャラが立っていいですね」くらいしか言えることがない気もします。「こう言うことをしていてほしい」の願望をまことしやかに書いたの、そのまま載せてませんかね?


 ただ賈南風として、ここが確実でした。太子の司馬遹が自分の子ではない。しかも太子との関係も良くない。ならば賈南風の家門どころか、自身の命脈を保つためにも司馬遹の廃立は絶対に必要でした。そこで司馬遹を罠にはめ、酒をしたたかに飲ませて酔い潰し、「私は反乱を企てました」という虚偽自白の手紙を筆写させ、それを理由に死刑を求めます。張華らの反対もあり、この求刑は通りませんでした。しかし、廃太子には成功します。してしまいます。


 この大事件を聞き、ひと目もはばからず号泣した人物がいました。武帝の娘婿であり、のちに東晋を大いに揺るがすことになる奸雄、王敦です。この時点で皇帝のすぐそばにいる、というのが、のちの権勢にもつながって来ているわけです。


 そしてここで、資治通鑑がいい仕事をします。晋書では恵帝本紀末尾に載せられる発言、すなわち恵帝が飢えに苦しむ民の話を聞いたときに「穀物がなければ肉がゆを喰えばいいではないか」と言い放ったもの、をここに持ってきます。つまり賈南風は最悪だが、それ以上に恵帝の暗愚がひどい、と資治通鑑は主張したいわけです。


 いや、それにしても資治通鑑、どこに置いても構わないエピソードがあった場合、一番劇的に演出できる場所に持ち込むんですね。まさかここ、事態が決定的に狂う、その前夜に置いてくるとは思いもしませんでした。今後も資治通鑑が特徴的エピソードを持ち込んでくるときには、前後との関係もまた探ってみたいところです。

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