第二十三話 作戦3
今日は、昨夜の雷雨が嘘のように晴れ渡り爽やかな風が吹いている。いつものように、窓際で日向ぼっこをしているアオは、自由に駆け回っていた外の世界を懐かしく思っていた。
最近のボス(キズナ)は、ミイや千紗の事に掛かりっきりだ。最近では、真夜中の運動会も参加者は、キンと新入りだけだ。当然の事ながら、1位はアオなのだが……アオ自身は、つまらなく思っていた。本当は、前のようにボスと一緒に走り回りたいようだ。それに、ミイにボスを独り占めされているような気がして、アオとしては面白くないのかもしれない……。
場所が変わって、こちらではミイとキズナが頭を悩ましている。
『影の存在って……実在するんだね』
『そうだな。ユーレイは、ほとんどが無力だから知らんぷりしてれば、そのうち諦めてどっかに行くし。人間に影響を及ぼすような力を持ったヤツは、そうそう居ないしな』
『そうだよね。でも、あの影みたいなのは、なんか違うように感じるよね』
『確かに……。千紗の咳き込み方、ヤバかったよな。アイツが息できなくしたのかな?』
ミイとキズナは、得体のしれない影について話し合うが分からないことばかりだった。
『情報がないと対処も出来ないよね』
『……。情報……そうだ!情報を集めてみよう!』
『えっ、どうやって集めるの?』
『俺の事を忘れたのか?俺は、野良猫のボスをやっていたんだぞ。猫の情報網は、使いようによっては凄いんだぞ』
キズナは、ミイに向かって胸を張ってみせた。そして、キズナは窓際に向かって歩き出した。
『アオ、お前いつも外を眺めているだろう』
『ボス……』
『この近くに野良猫は居るか?』
『はい。と言ってもかなり少なくて、見かけるのも時々です』
『居るには居るか……じゃあ、通りがかった野良猫に話しかけてほしいんだ』
『分かりました。で、何を話せばいいんですか?』
『この地域のボスと話がしたいって伝えてくれ』
という事で、キズナからアオに指令が伝えられた。
昔と違って今では野良猫や外飼いの猫はほとんど見なくなった。ごく稀に地域猫としてサクラカットの野良猫が特定の場所で生き延びている。
キズナが求めているのは、昔ながらの野良猫だ。人間の近くにいながらもお互いに住む世界が違い、干渉する事もされる事もない……自然の中で生きる野良猫……そのボスと話したい……。




