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ある日の猫  作者: 星乃夢


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第二十二話 作戦2


 今日は、朝から静かに霧雨が降っている。キズナは、閉まった扉に向かって香箱座りをしながら、千紗とミイが出てくるのを待っている。

 ふいに、部屋の中から千紗の咳き込む声が聞こえてきた。咳が止まらず苦しそうな様子で、部屋から出てくるようだ。

 ただならぬ様子を感じたキズナは、立ち上がり扉が開くのを待つ。

 ……ガチャリ……うつむきながら千紗がふらふらと出てくる。すぐ後ろには、心配そうなミイが見えた。

『ミイ、千紗はどうしたんだ?』

『何かが千紗の中に入ったのかもしれない……どうしよう、キズナ』

 ミイとキズナは、目が合った一瞬で話した。千紗は、呼吸もままならない様子で台所の方に歩いていった。


 ミイが言うには、部屋の中で千紗は、ひたすら考え込んでいたらしい。少し横になって寝たかと思ったら、すぐに起き上がり、また1点を見つめたまま考え込んでいたという。

 真夜中と夜明け前頃に、見知らぬユーレイが床の下から顔だけ出して千紗の様子を伺っていた。だが、千紗も隠れているミイも眠っていなかったからか、直ぐに床の下に消えていったらしい。

『空が白み始めて……つい、うとうとしちゃった……』

『そっか、そりゃ眠くもなるわな』

『多分、千紗も眠っていたのかもしれない……』

『つまり、寝てる間に床のユーレイが千紗の中に入ったのかもしれないって事か……』

『うん……それで、急に咳き込み始めたから……』

『なるほど……。じゃあ、咳でユーレイを吐き出せたかもしれないな。ちょっと見てくるわ』

 キズナは、眠そうなミイを置いて、千紗を見に行く。すると……ダイニングテーブルに顔を突っ伏している千紗が見えた。そして、薄墨色の人型のものが、ふわふわ漂っていた。

 

『以前、千紗のおばあさん(ユーレイ)が言ってた黒い影って……この事なのか?』キズナは、そんな事を思いながら……身を低く飛びかかろうとしながら間合いを詰めていった。

『お前〜、何者だ!!おりゃー』

『……!!』

 キズナに気づいた薄墨色の影は、フワッとと煙のように広がって消えてしまった。

 いつの間にかキズナの後ろに来ていたミイが、驚いたようにキズナに言った。

『キズナ、今の……何?』

『あ、ミイ。お前も視えたか?アレ……おばあさんが言ってた影じゃないかな』

『アレ……初めて視た。今まで視えていたユーレイと全然違う……。夜に来てたユーレイじゃないよ』

『うん、俺も……あんなの視た事ない』     


 ミイとキズナが視えたもの……その正体や対処法も分からない……どうなってしまうのだろうか……    

 

   

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