第十六話 再会
あれから……あっという間に十九年経った。ミドリとアオとキンは既に逝ってしまった。キズナは数年前から認知症になって……いなくなった仲間を呼ぶように大きな声で鳴くようになった。毛並みもボサボサになり、骨ばった体で仲間を探すように家の中を歩き回る。そして、食事を取る間も……寝る間さえも惜しむように、千紗の元を離れない。千紗もそれが分かるから、外出を控え、キズナと一緒の時間を大切にしている。一緒にいられる時間がそう長くない事を感じていたからだろう。
まもなく千紗は、一人になった。千紗は強く思った。
『今度こそ一人で生きていかなきゃ。キズナたちのおかげで……いろいろあったけれど頑張れた。本当にありがとう。私はもう大丈夫だから……今度生まれ変わったら、もっと素敵な飼い主さんの所で楽しく幸せに暮らしてね……。』
その数カ月後、お盆の中日……子猫を口に咥えてミドリ?がやってきた。その子は頭としっぽだけが三毛でその他は真っ白……ミドリに似ていた。
猫が毛皮を着替えて生まれ変わるのは知っていたが……キズナがいなくなって、まだ数ヶ月だという事で千紗もびっくりだ。
せっせと千紗の家に子猫を運ぶ三毛猫は、
『また来たよ。今度はお友達も誘ったから大所帯になるよ』
そう言うかのように三毛猫は、毛色が全て違う六匹の子猫を次々と運んできた。その中に、やっぱりいた……他の兄弟よりも体が大きく鍵尾の男の子……。
『キズナ!?また来てくれたの?……生まれ変わるの早すぎじゃない?』
『猫の妊娠期間は二ヶ月ちょっとだからね。俺は直ぐだったけど、仲間は俺を待っててくれたんだ』
キズナは、ミドリやアオ、キンを見て残りの二匹を紹介してくれた。
『こいつは前回生まれ変わりの場所を間違えた奴……野良猫のままだから怖がっているけど、いい奴だよ。そして……こっちは、ようやくタイミングが合って生まれ変わってきた……ミイ』
ミイだと紹介されたのは、末っ子らしい小さな三毛猫の女の子だった。ミイが茶トラ白だったからなのか、その子はオレンジが多めの三毛だった。
今日も、夜中の運動会が開催されているようで、体が一番小さい末っ子の三毛猫がみんなを追いかけている。ミドリもミイには敵わない。今、私がいるところにはキズナとミイがいつも連れ添ってくれている。
…………また会えて嬉しいよ……どうぞ、よろしくね…………




