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犬猿

 俺の名前は犬塚。唐突だが俺には一人、どうしても馬が合わない奴が居る。奴と俺は水と油、そう評するのが相応しいだろう。よりにもよって猿吉なんて名前をしているアイツは教室で犬猿コンビ、なんて俺と纏めて呼ばれている。それが何とも腹立たしい。不倶戴天のような仲なのに、何処がコンビなんだ。

 俺は国語が得意なのに対して奴は数学が得意だし、俺は社会が得意なのに対して奴は理科が得意。その癖、合計すると点数が打ち消し合って同じくらいの所に収束するせいで、順位は二人とも平均に近い。俺が勝った時は奴を煽りに行くが、俺が負けた時は奴が態々煽りに来る。最悪だ。

 それだけじゃない。奴とは食べ物の好みもとことん合わない。俺はうどんが好きなのに対して奴は蕎麦が好きだし、俺はカレー派なのに対して奴はシチュー派だ。雉野というもう一人の奴と一緒に飯を食べに行くことが有るが、何処の店でも注文が同じだった試しは無い。

「君達、いい加減仲良くしたら?」

「無理だな! コイツとは馬が合わねえ!」

「此方こそ願い下げだ! なんでお前なんかとコンビ扱いされなきゃいけないんだよ!」

「やっぱり桃太郎を連れて来ないと収まらない感じ?」

「「殺すぞてめぇ!」」

シチューとカレー、味さえ除けば似てませんか?

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