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時、既に遅し

時刻は世界標準時準拠となります(?)

 2044年。世界には一触即発の雰囲気が漂っていた。各国が保有する増えすぎた核兵器、何時までも解決しない地域紛争、永遠に残り続ける領土問題。どれも人類滅亡を招く大戦争の火種になっており、人々は皆戦々恐々と日々を過ごしていた。

 

 そんな中、一つの吉報が世界へと訪れる。『核兵器を宇宙空間に廃棄する計画が、核保有国全ての間で承認された』。核兵器廃絶国際キャンペーンの高まりによって、遂に各国は核兵器の廃棄に踏み切ったのだ。自国の核兵器の内、少なくとも1割を2045年8月6日に宇宙空間に打ち上げて廃棄する。初回の核兵器廃絶国際会議において、各国首脳はその条件で合意した。



 

 2045年8月6日。核保有国五大国である中国、アメリカ、ロシア、フランス、イギリス。更にはインドやパキスタン、イスラエル、北朝鮮。それぞれの国の発射場には核を積んだロケットが宇宙空間へと飛び立とうと待機していた。

  

「私達は規範となるように8時丁度に発射しましょう」

 

 イギリスの首相はフランスとの公式会談でそう溢す。

 

「我々は太陽に向けて発射し、世界大国の技術を世界に喧伝してみせようでは無いか」

 

 アメリカの首相はイスラエルとの定期会談でそう溢す。


「約定の時間は8時0分だ。我らは0分59秒に発射させるぞ」

 

 中国の首相はパキスタンとの電話会談でそう溢す。

  

「核兵器なぞ積む必要は無い。積んだ事にして発射する」

 

 ロシアの首相はインドとの秘密会談でそう溢す。

  

「お待ち下さい!この計画は余りにも狂って…………!」

 

 北朝鮮の技術長官の言葉は、一発の銃声によって掻き消された。



 

 2045年8月6日、8時0分、0秒。イギリスによって核兵器を積んだロケットが宇宙空間へと発射された。それに追従するようにフランスもロケットを発射。ロシアも他国の発射を見て、ロケットを発射させた。

 

 30秒。アメリカがロケットを発射。直後にインドも発射する。そしてインドの発射を確認したパキスタンもロケットを発射した。

 

 45秒。北朝鮮が漸くロケットを発射させる。イスラエルもロケットを発射させ、残る未発射国は中国のみ。

 

 59秒。中国もロケットを発射。これにて、全ての核保有国が核兵器の一部を宇宙空間に廃棄した。


 


 8時15分。ペンタゴンから、一発のロケットが地球に向けて落ちて来るという報告が世界に齎された。

 

「もう、手遅れだな。」

 

 核兵器廃絶の声に隠された悪魔の計画を止めるには、既に時間が経ちすぎた。

上記は「1000文字」の縛りでの作品になります。

オチが分からなかった…というような声がありましたら遠慮なくコメントして下さい。自分でネタ明かしをするようで芸が無いですが、こういうことだよ、とは伝えさせて頂きます。

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