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12.生徒会

俺はミスティカ学園への入学を果たした。


今日から寮暮らしだ。


それに伴い、ライムとムイラも寮に引っ越すことになった。


「わあ、これが新しいあなたとの愛の巣なのね!」


「前の家よりかはちょっとマシになったね。」


ライムとムイラは喜んでいる様子。


「お前たち!引っ越したここはな、以前住んでいた場所よりも危険だ。

 なにせ、この学園にはスキル持ちの猛者がうじゃうじゃいる。

 戦闘になっては、ムイラはともかく、ライムは危険だ。気を付けるように!」


そう、ここミスティカ学園はミスティカ王国随一の学園なのだ。


優秀な生徒たちがたくさんいるここは、スライムであるライムやムイラにとっては敵地なのだ。


「ええ、あなた。

 あなたが守ってくれるから安心よ。」


「父さんと母さんは私が守るよ!」


こうして、俺たち家族はこの寮で暮らすこととなった。


そして、学園生活のほうだが、この学園は部活動もしくは生徒会のどちらかに必ず属さなければならない。


俺は万年帰宅部だった。


だから、部活動なんてできない。


まあ、生徒会の書記にでもなってぬくぬく学園生活を送ろうかと思った。


そうして、俺は生徒会に足を運んだのだった。


すると、そこには・・・。


勇者とジェラルドがいるではないか!


「なな、貴様!生徒会に何の用だ!

 ちなみに俺は主務。勇者様は副会長だ!」


「そうか。いやあ、実は俺も生徒会に入りたいんだ。

 書記は空いているか?」


勇者が答える。


「ええ、空いているわよ。

 じゃあ、あなた書記ね。

 って、あなたのスキル『スライム』を解除した状態、初めて見るわね。

 意外と男前なのね。

 会長ー!書記が決まりましたー!」


なんかあっさり決まった。


しかも、俺、男前?


勇者さんってば、俺に気があるの?


そういうこと言われると、すぐ好きになっちゃうよ?童貞だから。


勇者が会長を呼ぶと、会長らしき、銀髪巨乳の美少女が現れた。


「あらあら、可愛らしい新入生さん。

 あなたが書記をやってくれるのね。

 頼もしいわ、おほほほほ。

 私はクロエ。よろしくね。」


なんて上品な人だ。


俺は思わず目がハートになってしまう。


バシンっ!


勇者に後頭部をはたかれた。


「ツグクと言います。

 以後、お見知りおきを。」


「ええ、わからないことがあったら何でも言ってちょうだいね。

 私が手取り足取り教えてあ・げ・る!」


またしても俺は目がハートマークになる。


バシンっ!


すかさず勇者は俺をはたく。


俺はふと気になったことがあり、勇者に問うた。


「しかし、クリスタル。

 なぜ生徒会に?」


「ああ。私は実はスキル無しでな。

 この学園の部活動では、スキル持ちでなきゃ活躍できん部活ばかりだ。

 ならば、生徒会のほうがなにかと活躍できるだろうと思ったのだ。」


こりゃたまげた。


まさか、スキル無しが勇者だったとはな。


「しかし、パンテオンがいるじゃないか。

 そのパンティから伸びる腕でバレーとかバスケとかできるだろう?」


「このパンテの腕は私のパンティの一部だ。

 あまり人に見られるのは恥ずかしい。

 戦闘以外では使いたくないのだ!

 乙女心の分からん奴だな!」


なるほどね。たしかに、パンティを見られるのは恥ずかしいわな。


ってか、生徒会に入ったはいいものの、パンテオンはムイラの存在を勘付く可能性があるし、ジェラルドはコネを使ってまたどんな悪事を働くかわかったもんじゃない。


警戒は怠らないようにしなければな。


すると、生徒会長がパンっと手を叩いた。


「さあ、みんな!

 実はね、生徒会はすごい人手不足で、けっこう深刻な状態だったの!

 そこに、クリスタル、ジェラルド、ツグクの3人ものメンバーが揃った!

 これはすごくありがたいことなの!

 ぜひ、歓迎会を開かせてください!」


「そりゃあいいですね。」


「みんなは待っていて!

 会長である私が買い出しなどの準備をするわ!」


会長にそんなことさせてしまっていいのかわからないけれど、会長がそう言うのだからお言葉に甘えよう。


俺たちは少しの間雑談した。


「クリスタルはどうやって勇者になったんだ?」


「ああ。ある日、うちの飼い犬がパンティを拾ってきてな。

 貧しかった私はパンティを1枚も持っていなかった。

 だから、そのパンティを履いてみたんだ。

 そしたらその途端、私の身体を中心に光の柱が発したんだ。

 その瞬間、悟った。

 私が伝説の武具を身にまとい、勇者になったんだ、とな。

 それから光の柱を見た王国の兵士が私を王国に連れ、ジェラルドと出会った。

 そして勇者として力を付けるべく、この学園に入学したというわけだな。」


なるほど、そう言った経緯があったのか・・・。


「ツグクはなぜここに入学したんだ?」


「そうだなあ。」


俺は考えた。馬鹿正直に、「魔物交尾のスキルを手に入れたから」なんて言えない。


言ったとたん、勇者に切り捨てられるだろう。


俺は魔物を生成してしまう、いわば勇者の敵なのだから・・・。


そういうわけで適当に嘘をついた。


「ああ。親父が学園に入れってうるさくてな。

 親父は学園の入試に落ちたから、息子である俺にその夢をかなえさせようとしてくるんだよ。」


まあ、本当は自分のスキル『魔物交尾』を磨くための糸口を探すという目的なんだがな。


噓も方便だ。


そうこうしていると、会長が荷物を持って買い出しから戻ってきた。


「クロエ会長!俺が持ちますよ。」


俺はすぐに会長の荷物を受け取った。


すると、その瞬間、会長の足がもつれ・・・。


ドテッ!!!


会長が俺にのしかかった!


もみもみ・・・。


なんだ、このムニュムニュした感触は・・・。


会長、さてはマシュマロを買ってきたな?


しかし、それはマシュマロではなく、会長の胸だった!!!


「貴様!なにをしている!

 すぐに手を離せー!

 この破廉恥がーー!」


勇者が俺の手を会長の胸から離させた。


名残惜しいが仕方ない。


「すみません、足がもつれてしまって・・・。

 ツグク、大丈夫?」


会長が優しく俺に声をかける。


大丈夫も何も、ありがとうございます、ごちそうさまです、という感じだ。


こうして、多少の事故はありつつも、俺たちは歓迎パーティを楽しんだ。


会長のマシュマロおっぱいにたくさんのお菓子に紅茶、なんて豪華なティータイムだろう。



==== 作者あとがき ====


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