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黒翼の羽ばたき  作者: 馬之群
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魔物狩り大会(11)

 こうして現在のパーティーの形になった。万能型のトゥワと、あらゆる身体機能がヒトの限界を超えているクックー、僅かな情報から最適解を導き出せるアミーのパーティーは、案外上手くいっている。順調に魔石の数が増えていっている。


「一位になれそうなペースだね。」

「そうですね。」

「うおぉ!…何だ?」


 突如として地面が大きく揺れ動いた。足元の地面にひびが入っていく。


「こちらへ!」


 トゥワは空中に飛び上がって、クックーとアミーを招いた。トゥワは風魔法で自分を含む三人を浮かせた。地割れはまだ収まらない。


「何が起こっている?」

「あり得ない。これくらいのことで下層の魔物が動き出すなんて…。」


 アミーは銀色の目を真ん丸に見開いている。


「まさか、2層の魔物が上がってきていると?」

「それは考えにくいんだよね。2層くらいの魔物は逃げ出す選択をするはずだ。もっと下層から来ているかも…。」

「どうします?」


 トゥワはアミーに指示を仰いだ。アミーは即座に言った。


「まずは外へ!」

「承知しました。」


 3人が飛び回ると、地面が崩壊して下から魔物が姿を現している所に出くわした。緑色の鱗を持った3メートルほどの体、金色に輝く瞳、ワイバーンだ。


「3層から来たのか?」

「死人が出かねません。野放しにできませんよ。」

「狩れる?」


 トゥワは頷いた。クックーは牙を剥いている。


「頼もしいね。ただ、トゥワは先を急いでもらおう。もっと緊急性の高い場所があるかもしれない。」

「承知しました。」


 トゥワは風魔法を使いながら進んでいった。どうしてこんなことになったのか分からない。トゥワが飛び回っていると、悲鳴が聞こえてきた。トゥワはさらに加速してそちらに向かった。


『止まれ!』


 ワイバーンの毒牙がリードの眼前に迫っていたが、すんでのところで止まった。トゥワはリードの身体を抱え上げ、ワイバーンの頭に手を向けて言った。


「エアブレット!」


 ワイバーンが頭を貫かれ、血を流しながら倒れた。地面がさらに崩壊していくので、トゥワは急いでその場を離れた。


「大丈夫ですか?リードさん。」

「は…はい!」


 リードはトゥワの腕の中で顔を赤らめている。トゥワは自分をじっと見ているリードに微笑みかけた。


「アレッタ殿下のもとにお連れしましょう。殿下はどちらへ?」

「向こうの岩かげに黒豹君といます。」


 トゥワは岩かげに降り立って、リードを下ろした。サップルの服の破れ具合から察するに、怪我を負ったサップルをアレッタが治療したのだろう。


「どういう状況ですか?」

「どうもこうも、急にワイバーンが出てきた。地下から現れたから、スコーピオンのトラップにも引っかからなくて、後れを取った。」


 アレッタは答えた。


「アジトキシンさんはどちらに?」

「吾輩を逃がすための囮になったのだ。向こうに行った。すまないが、助けに行ってくれないか。」


 サップルは頭を下げた。トゥワは風魔法を使って飛び上がった。


「行ってきます。皆様もお気を付けて!」

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