表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒翼の羽ばたき  作者: 馬之群
43/83

魔物狩り大会(3)

 アレッタが声を掛けてきた。後ろには三人のヒトがいる。暗緑色の長髪に、水のマスクをしている美女としなやかな体つきの黒豹の獣人、巨大なサソリの尾を持ち、黒いマスクをしている青年が品定めするようにトゥワを見ている。まだ授業は終わったばかりで、教室には多くのヒトがいる。


「ええ。どうなさいましたか、殿下。」

「私とパーティーを組まないか?」

「え…。」


 トゥワは言葉を失った。アレッタに誘われるのは全くの予想外だった。


「アレッタ殿下が直々にお声掛け下さったのだぞ。すぐに応じないか、愚か者。」


 黒豹は低い声で言った。トゥワは眉をひそめた。


「貴方がたは殿下のパーティーのメンバーでしょうか?」

「そうだ。説明がまだだったな。まずは自己紹介をしてもらおうか。」


 アレッタが言うと、三人は素直に応じた。


「サップル・ノワールだ。カヴァーン国王の甥にあたる。念動魔法が得意で、ガーディアンとして参加する。見ての通り黒豹の獣人だ。」


 黒豹が名乗った。鋭い眼光でトゥワを睨んでいる。


「アジトキシン・スコーピオンと申す。フォグ大公国の侯爵家出身でござる。蠍人で、サーチャー。罠魔法の使い手でござる。」


 サソリの尾を持つ青年が言った。独特な言い回しが気にかかる。


「フォーミーも名乗れ。」


 アレッタが促すと、暗緑色の髪の女性は口を開いた。


「リード・フォーミー。」


 トゥワは一瞬、リードの言った内容が入ってこなかった。脳を揺さぶるほど美しい声だ。小さな声で言って黙ってしまったため、アジトキシンが補足した。


「失礼。フォーミー殿はセイレーンで、声に魅惑の効果があるゆえ。海中王国、トリトンの王女でござる。サポーターとして魅惑魔法を使って下さるそうじゃ。」

「最後に私、アレッタ・エクルーはヒーラーとして参加するつもりだ。エンライトにはアタッカーとして加わってほしい。」


 トゥワは考え込んだ。このパーティーが優秀であることは、世間知らずなトゥワにも分かる。しかし、トゥワの心の奥底で警告が鳴り響いている。


「トゥワ・エンライトです。カヴァーン国の隣国、ミオネラ王国の王子で、有翼です。得意魔法は精神系の魔法と風魔法ですが、錬成や火なども少しはできます。ただ…。」


 アレッタは黙り込んだトゥワに声を掛けた。


「どうした?」

「…少し考えさせて頂けませんか?即答は致し兼ねます。」


「お前なあ!」


 サップルは牙を剥いた。アレッタはサップルを制した。


「分かった。明日の昼12時に食堂で返事を聞かせてくれ。」

「承知しました。ではまた明日。」


 トゥワたちは急いで次の授業に向かった。


「遅刻だよ、君たち。」

「申し訳ありません。」


 ハンディは不機嫌な様子だった。無理もないかもしれない。学生の意識はすっかりダンジョンに向かって浮足立っており、授業に集中してくれそうにない。


「授業に集中しなさい。ダンジョンでは平常心が大切だ。今のままじゃ、全員仲良く魔物の腹の中だよ。」


 トゥワはこの授業が苦手だったため、真面目に聞いていた。最後まで授業中の私語は止まなかったが、無事に授業は終わった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ