魔物狩り大会(1)
【主な登場人物】
・トゥワ・エンライト…本作の主人公。有翼でワンド大学の学生。ミオネラ王国の第二王子である。精神系魔法である支配魔法、風魔法が得意。
・アミー・コート…トゥワと同室の学生。セフタ公国の伯爵家の吸血鬼。魔法の実技は苦手だが、理論は熟知している。
・クックー・ディフォンス…ルー・ガルーでワンド大学の学生。ソワレ王国の子爵の息子。身体強化魔法が得意。
・アレッタ・エクルー…ワンド大学の学生。オラクル帝国の第一皇女で、天使。回復魔法と風魔法が得意。入試では実技も理論も2位で総合では首席である。
・ザラ・テーラー…ワンド大学の理事長で、竜人。オラクル帝国に住んでいる。
「本時は再来週に控えた、魔物狩り大会の説明をしようと思う。」
葦毛のケンタウロス、フーフは授業の最初に告げた。明らかに学生たちの目の色が変わる。
「今回は観光もかねてカヴァーン国のダンジョン、『カヴァーン』にまで出掛けるつもりだ。カヴァーンは広く上層の魔物の種類が豊富なのが特徴で、レベルの高い諸君も満足することができるだろう。」
トゥワは少しドキッとした。カヴァーンはミオネラ王国の近くにあり、トゥワが戦った地竜のいた、あのダンジョンに最も近いダンジョンだ。
「諸君には3から6人のパーティーを自由に組んでもらう。代表が事務局で申請書を受け取って、パーティー全員の名前を書いて来週の日曜日までに提出する。理事長が申請を受理すれば総合案内板に掲示される。」
フーフは申請書を持って学生たちに見せながら言った。
「毎年馬鹿が現れるので警告しておくが、仲の良いもの、同じ授業を受けているもの同士で組むと大変なことになる。パーティーを組む際には役割分担が重要になるからだ。標準人数である、5人組パーティーの一般的な編成を言える者は?」
アミーがスッと手を挙げた。その他にもちらほら手が挙がっている。
「緑髪のセイレーンの君。」
「攻撃者、補助者、守護者、癒し手、探索者の5人です。」
「その通り。この5つが標準の役割になる。6人パーティーではメイン・アタッカーとサブ・アタッカーの2人のアタッカーがいる場合が多く、3、4人のパーティーでは一人でいくつもの役割をこなしたり、不足分を魔法道具によって補ったりする場合が多い。」
トゥワは自分がアタッカーだろうと思いながら聞いていた。
「アタッカーは通常、最も火力の高い魔法、特に近接魔法を使う者がなる。身体強化、念動、四元素の魔法を使う者が多い。その他、判断力が高く、攻撃への耐久力が高いものはアタッカーが向いている。アタッカーは最前線に立つため危険が大きいが、達成感もあるだろう。」
クックーは目を輝かせている。自分が間違いなくアタッカーに向いていると感じたのだろう。
「因みに、メイン・アタッカーは、火力は低いが攻撃を連発できる者、サブ・アタッカーは準備に時間が掛かるが火力が高い者という分け方や、メイン・アタッカーは魔法攻撃、サブ・アタッカーは物理攻撃という分け方など、アタッカー同士の役割分担はパーティーの特徴によって様々だ。」
トゥワは聞き流した。自分がアタッカーになるなら、サブは必要ない。
「サポーターは通常、最も広範に魔法を使える者がなる。錬成、召喚、精神、呪いなど、遠距離の攻撃魔法を得意とする者や魔法増幅、魔力吸引をすることができる者は、サポーターの素質がある。その他、先を見通す力、全体を見る能力が高い者はサポーターが向いている。戦場をコントロールすることに興味があるものは、サポーターを志すといい。」
トゥワは、自分はサポーターに回ることもできるかもしれないと思い始めた。一番得意な魔法は支配魔法だからだ。




