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黒翼の羽ばたき  作者: 馬之群
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銀眼に映る悪意(6)

 入寮初日に無断外泊していた学生のリストにベル・ルピナスの名前があったことが、リェナの調査で明らかになっている。つまり、トゥワを襲って黒翼を持ち去った人物の正体がベルである可能性があったのだ。

 トゥワはベルの力量を量ろうとして、敢えて戦いに加わらなかった。その結果がこの惨状であるとすれば、自分のエゴによって彼らを死なせたと言われても仕方ないのではないか、とトゥワは酷い自己嫌悪に陥っていた。


「ヒト殺し?盗人猛々しい!君たちは今まで何人を殺してその身体を売り捌いてきたんだ?」


 アミーは虫の息の小悪魔に向かって怒鳴った。


「君たちは僕のことも殺そうとしており、トゥワはそれを助けてくれた。君たちが死ぬのは自業自得であり、完全に君たち自身のせいだ。」


 小悪魔の身体はもう動かなくなっている。アミーは銀色の目をぎらつかせながら死体の山を見渡すと、長い溜息を一つ吐いた。


「助けてくれてありがとう。騎士団には僕から連絡しておくよ。」

「それは助かる。実は俺もこの後、デートの予定があるんだ。」


 クックーは何でもない口調で言った。たった今殺したヒトのことなど、何も気に留めていないようだ。トゥワはクックーにがっしりと肩を組まれ、強引に帰路につかされた。


 大学に帰り、トゥワはリェナに会いに行って事の顛末を話した。


「それで、ベル・ルピナス嬢は犯人だとお思いですか?」

「いいえ。それはないでしょう。実力を隠している可能性を考慮しても、戦い方の癖が違います。」


 トゥワはリストからベルの名前を消した。リェナはトゥワの方に顔を向けている。


「何か?」

「一人一人当たっていくのは時間が掛かりすぎます。向こうは今すぐにでも殿下を告発するかもしれません。先日申し上げました通り、大学で命に係わるような大きな騒ぎを起こせば、手っ取り早く犯人を炙り出せます。」


 トゥワはリェナを睨んだ。


「私の一身上の都合で多くのヒトを危険に晒すことはできません。」

「安全策を講じておけば良いではありませんか。本当に命を取らずとも、相手が命懸けで魔法を使ってくれさえすれば良いのです。」

「たとえ実際に死なずとも、死の危険を一度感じてしまうとその後の人生に支障をきたします。デューイ殿下がそうでしょう。」


 リェナは黙り込んだ。トゥワは表情を和らげた。


「私を想って言って下さっていることは分かりますが、そこまで焦らずとも平気ですよ。幸い、近々ダンジョンに潜ることになりますから、そこで実力を確かめることは可能でしょう。」


 トゥワは机の上にあった分厚い本を手に取った。リェナは納得のいかない表情だったが、それ以上何か言うことはなく、トゥワが勉強するのを見守っていた。

【自分のチャームポイント】


1.トゥワ・エンライト

細くて長い首。ミオネラ王国の正装でチョーカーを着けるので、よく映える。


2.アミー・コート

銀色に輝く目。正直、魅惑魔法より裸眼で見つめた方が心を掴める。


3.クックー・ディフォンス

鍛え抜かれた筋肉。オラクルはソワレ王国より暑く、普段は露出の多い服を着ているため、筋肉に惚れた女性も多い。


4.ベル・ルピナス

滑らかな金色の髪。癖がなく、様々な髪形にすることができるが、縛らない方が質の良さが際立つ。


5.リェナ・アーク

優しい笑顔。あまり表情が変わらないため、笑顔になった時のギャップが大きい。

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