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カミガリ -土地神調停代行ー  作者: 刃 十口(ヤイバ アイクチ)
1/1

序言

刃十口ヤイバアイクチと申します。初投稿です。

和風好きなので和風ファンタジーです。

序言(和風につきプロローグと言いたくなかった)なので短い上に主人公、ヒロインの名前もまともに出ていませんが読みやすさ重視で書きました。

よろしくお願いします。


「アンタ、カミガリのミコになりなさい」

光り輝く金色の髪、パチパチと音を立てる刀を向けながら彼女は俺にそういった。


   ◇◇◇


 中間試験まであと一週間、今日から部活が休みになる。

「長谷川、今日どっか行く?」

「あー、これからバイトだから無理」

「いや、試験前なんだが……」

ホームルームも終わりいつものメンバーで集まると長谷川がバイトを増やしていたらしい。

「12月に、当たれば予定が入るから今のうちに軍資金を稼ぎたいのよ」

「なるほど、んじゃ、また明日」

「おう、またな」

小走りで長谷川が去っていくと田中は俺に話をふる。

「坂又は?なんか予定ある?」

「いや、特にはなにも」

「んじゃ、ミトヨいかね?継木も来るって」

ん、と継木も頷いている。どうやらホームルームの前に話あっていたようだ。

最近バイトを始めた田中はよくミトヨというゲームセンターに行っている。

「俺もバイトしようかな」

「また、その話かよ」

夏休みに4人で短期バイトをして以来ときどき口にしている分、田中はいやそうだ。

「したいしたい言ってるだけじゃどうにもなんないって、とりあえず何するかだけでも決めろって」

「だよな」

いつも通りなんてことない会話をしながらミトヨに向かった。


   ◇◇◇


「んじゃ、またな」

「おう」

5時になりなんとなく解散して家に帰る。

「バイト、どうすっかな」

長谷川はコンビニ、田中は家の近くの知り合いの喫茶店でバイトをしている。

「結局はきめ手がないんだよな」

長谷川も田中も理由があってバイトをしている。

理由もない、したいことも決められない。だから決まらない。

何かこれだと思うものはないものか。

「ん?」

いつの間にか家の近くの神社まで帰ってきていた。

ただ、何かがいつもと違う。静かだ、秋祭りに向けた太鼓の音さえ聞こえない。

そう思っているとキンッ、と金属がぶつかるような音が境内から聞こえてきた。

「なにもないが……」

境内を見てみても特に何も見つけられない。

なんとなくいやな気もしながら神社に近づくと鳥居を越えるあたりで風に押されるような

圧力を感じて突き破るように進むとそこには――

「なんだこれ」

さっきまで何もなかったはずの境内には真っ黒な犬と巫女がいた。

5mほど離れた場所で巫女が銀色の何かを振るうと4頭の犬がバラバラによけていく。

何度か銀色の軌跡が走るが当たらない。

「――――」

離れていてうまく聞こえなかったが巫女が苛立った声を上げると不思議なことが起こった。

巫女が光り輝き始め、銀色の何かをふりぬいた瞬間とんでもない大きな音と光とともに

4頭いた犬のうち3頭が消えていなくなっていた。

「あぁ……」

意味のある言葉は出てこなかった。大きな音を聞いたせいか耳が遠い。

残っていた1頭の犬がこちらに向かって走ってくる。

思っていたよりも大きい、大型犬くらいはある。

「――――」

巫女が何かを叫んでいるように見えるが聞き取れない。

避けないと、そう思っているのに足も体も動かない。

時間がゆっくりに感じられる。よく見ると犬には目も口もない。

「――稲妻」

犬の爪が伸びてくる向こうから目を焼くような光が見える。

轟音とともに目の前で犬が光に包まれて消える。

「ハァ、ハァ」

心臓が破裂しそうにうるさい。立っているのがやっとだ。

のどが渇いて仕方がない。

「ねぇ、アンタ。どこから見てたの?」

どれくらいの時間がたったのか気が付くと目の前に巫女がいた。

光り輝く金髪、鋭い目つき。きれいだと思った、だが機嫌がよさそうには見えない。

「ねぇ、聞こえてる?」

「あぁ、聞こえてる」

自分でも驚くほどかすれた声が出た。冷汗が今頃になって噴き出してくる。

さっきまで振り回していた銀色の物を彼女が肩まで上げてやっとそれが刀だと気付いた。

「で、どこから見てたの?」

「なんか金色に光って、それから犬がいなくなってそれで……」

「そう」

話を打ち切ると目の前の彼女が目を細めて値踏みするように見つめる。

少し緩んだ巫女服とその視線を見ていられなくて顔を背ける。

「もう一つ聞いていい?どこまで見えてる?」

「どこまで?」

問いかけられた内容が分からなくて首をかしげると彼女は苛立ったような声をあげた。

「えーと、そうね。これ見える?」

そう言うと彼女は背を向けてパチパチと音を立てる刀で腰のあたりを指した。

さっきまで気付かなかったがそこにはなんとなくイメージする狐の尻尾のようなものがあった。

「尻尾がある。4本」

「そう、ちゃんと見えてるのね」

彼女は反転して向き直ると胸を張った。

「アンタ、カミガリのミコになりなさい」

広がった光り輝く金色の髪。パチパチと音を立てる刀を向けながら彼女は俺にそういった。

お読みいただきありがとうございます。

いい意味で短い、気になったと思っていただければ幸いです。


次回は設定説明回、苦手な方もいるそうなので読みやすさ重視で頑張ります。


全体通して4、5話くらいの短めで考えているので設定説明は読み飛ばしていただいても大きくは問題ないと思います。


最後にブックマーク、評価など必要ございません。気が向いたらしてください。

感想はお手数ですがいただけるとありがたいです。

面白かった、つまらなかっただけでも結構です。励みになります奮起できます。


とりあえずまずは完結めざしてがんばります。

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