【一二】中学校に入学しても、二人はあいかわらずな風
年が変わって三学期も終わり、カンヂたちは地元の公立中学に進学した。
なれない詰襟に四苦八苦しながら入学式をおえる。
カンヂはシイナと同じクラスになった。
くじ引きの席順えらびで、二人は窓側のうしろから一つ目と二つ目。
うしろがシイナで前がカンヂ。
「チョーラッキー。いい席すわれた」
「ああ。桜がきれいだ」
「なんだそりゃ」
シイナは大笑いした。
四月がおわるころ、一年生たちは放課後クラブを選択する。
放クラは必修なので、みんななにかしらの部に入らないといけない。
「あーなにしよ。カンヂお前、なんか決めてる?」
「ああ。美術部」
シイナはおどろく。
「はあ? 美術部ぅ? 何で」
「クラブ紹介で興味を持った」
講堂で行われたクラブ紹介。
美術部員が自分の作品をこちらに見えるようにもって、部長が一つずつ説明していくって冴えないあれのどこに興味をひかれたのかシイナにはさっぱりだった。
「お前はどうする気だ?」
「なんも決めてねー。あーメンドクセーなー」
「じゃあお前も美術部にしたらいいだろ」
「ヤだよ、お前といっしょとかカッコわりー」
そう言いながらも、シイナはけっきょくカンヂにくっついて美術部に入った。
部員の自己紹介のとき、カンヂは二年生の一人をずっと見ていた。
その後部活動の際にも、カンヂはその先輩によく話しかけた。
「お前、あの人ばっかかまうな」
「クラブ紹介見てなかったのか? すごく変わった絵を描いてた。タイルだらけのだまし絵みたいなの」
「なあ、もしかしてあの人がいるから美術部に入ったのか?」
カンヂは首をひねる。
「そうかもしれん」
「女かよくっだんねー。なんで俺がそんなのにつきあわされなきゃなんねーんだよ」
「すすめたのは俺だけど決めたのはお前だろ」
シイナはしばらくくだんねーつまんねーとこぼしていた。




