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マシロとハプスブルク家  作者: kazfel
ハプスブルクの女帝
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オーストリアはズボンをはいている!

参考文献

革命家皇帝ヨーゼフ二世 倉田稔監修

 E・マホフスキー著

 松本利香 訳

 1月25日、王宮では1歳を越えたカロリーネが息を引き取った。

 華奢で猫背のマリアンドルだけが一人娘となったが、病気がちで長生きできそうにない。

 テレーゼは次の子供に切り替え分娩の日を指折り数えていた。


 フリードリヒ2世もテレーゼの出産を気にしていた。


「もし、エルトリア女王が男児を残さずに死んだならどうなるだろうか? 大公はどのような役割を演じるのか? 君主となるか、それとも共同統治権を喪失するのだろうか? そして妹マリアンネはどうだろうか? 王位を継承できるか?」


 3月13日深夜に男児が産まれた。王宮からウィーンの路地裏まで人々の万歳の叫び声が響き渡った。

 男児は王宮内の騎士の間で、ヨーゼフ・ベネディクトゥス・アウグストゥス・ヨハネス・アントニウス・ミヒャエル・アーダムと名付けられた。


 アウグスティン教会で荘厳な賛美歌テ・デウムが奏でられる。その間に大砲が轟く。

 興奮した市民たちは何千という燈火に照らされた町の通りや広場へと繰り出す。


 ある者はズボンをボークナー小路の自宅の窓に掲げて、下に詩が書いた。


 さて、敵対者は消え失せるだろう。

 いまやオーストリアはズボンをはいているのだからね!


 数週間に渡りオーストリアの諸州は祝祭ミサ、行列、教会の鐘の音、宴会、芝居と繰り広げられた。


 しかしシュレージェンの小町ツックマンテルとヨハニスタールは、プロイセン軍によって教会と牧師館が焼き払われた。

 フリードリヒは友人に宛てて書をしたためた。


 わが親愛なるヨルダン君、わが優しきヨルダン君、穏やかな平和を愛するヨルダン君、私は快活な君に伝えるよ。シュレージェンはもう征服したも同然なのだよ。


 プロイセン軍の狼藉ろうぜきはヴェルサイユにも伝わり、ルイ15世が驚愕きょうがくした。


「それにしても、この男は気が狂っている!」

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