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国境封鎖?

平和な日常に一瞬緊張を感じた。子供の頃の思い出話です。そういえば、あの頃もオリンピックや万国博覧会があって、いろいろな賑わいを楽しみました。

楽しかった思い出のなかの一瞬の緊張感です。

親に連れられて、国家的規模の万国博覧会に出かけた。


ごった返す人々と、奇抜でモダンなパビリオンの数々。

振袖を着たコンパニオンのお姉さま方が、優雅に案内してくれるお茶室。


お茶室のあったパビリオンの二階はガラスの床になっている部分があって、

下の一階から上を見上げると、二階の人々の足元からの立ち姿が見え、空間スケッチ的に興味をそそられ、大人が載っかっても割れない透明の・・・ガラス?・・・ってすごいなとか、そのガラス強度に一番感動した。


後々よく考えたら、スカートの人とか、あそこに載ったら見えちゃうじゃないの…中身が…と、それは大丈夫だったのか?企画したときに問題にはならなかったのか?と、不思議に感じた。その時は見えなかったと思う…たまたま?


遊園地的な乗り物もあったが、長蛇の列。


どこのパビリオンも長蛇の列。


親は、西洋などのきれいな民族衣装のダンスをよく見てほしかったらしいが、私は東洋的な踊りにくぎ付けで、家に帰ってからも、真似して踊っていたのは東洋的なほうだったという。


しかし、

今になっても、

鮮明に

感情を伴って覚えているのは


制服を着た警備員と

閉じられた背の高いゲート


たくさんのパビリオンや催し物を見学して

そろそろ帰ろうかという頃

出口ゲートを探して

ここかと思ったら、

ここではないらしいと、

親たちが疲れた顔をして踵を返そうとしていたところだった。


なぜかそのゲートの光景が

不穏な?不安な?空気感を伴って

今もって思い出される。


いや、何ということのない

ただの公園ゲートである。


ただの出入り口に

制服の警備員がいて

群衆の交通整理などをしていただけである。


うちの一家が帰宅するには、方向の違うゲートだったに過ぎないと思う。


記憶としては

西洋民族衣装のダンスよりも

東洋のダンスよりも

ピロシキ食べたことよりも


なぜか、

このゲートの

なんだか妙な緊張感が浮かんでくる


このまま、

元の世界へ帰れないような


敵対する国と国の国境を越えて亡命するような


親に連れられて?

後戻りできない世界へ

行くのか

連れていかれるのか


その瀬戸際なのか?

と、

ささやかな知識や状況のデータベースを

子供の頭の中でフル回転していた。


何かおかしなことが起こらなければいいがと、

行楽の雰囲気を超えてひそかに自分一人で緊張していた。


おっかしいな

わたしはそのころ、まだ、

国境なんてはっきりとした認識はなかったと思う


戦争とか

国をこえて脱出するとか

そういう歴史ものやドラマも

その年齢では見たような気がしない。


読むのはもっとあと。


しかし、どこかで、

大人たちの会話や

テレビニュースの聞きかじりなどで


そういう、深刻な事態が普通の家族を巻き込むことがあると

漠然と認識していたのかもしれない。


国境封鎖?


いや、ここは国境ではないはず。

公園の出入り口のはず。


国境ではないところに突然国境が、

よくわからない勢力に武力的に構築されて、

急に戒厳令が発令されたのかも。


語彙はないけど、このノリまで想定した。


・・・・・


せっかく連れ出してくれた親のために申し添えます。

もちろん、楽しかったです。

いい思い出だったという感覚が全般として残っています。

その楽しい思い出の中に一瞬、よくわからない不安を感じた・・・という、思い出のお話でした。


お付き合いいただきありがとうございました。











あのころも、オリンピックとか万国博覧会とかいろいろあったからでしょうか。

漠然と思い浮かびました。

お付き合いいただきありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 万国博覧会。 高三のとき、修学旅行で行きました。 いろいろ見たのでしょうが、ほとんど覚えていません。 ただ外国人をたくさん見たのだけはよく覚えています。 今は外国人なんて珍しくもなんともな…
[良い点] 国境という意識が希薄な日本において、それを感じる数少ない機会なのかもしれないですね。読ませていただきありがとうございました!
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