#1-3 メリーさん編
4人は前回の口裂け女の倒し方について話し合っていた。
「俺さぁ、吹っ飛ばされてて、口裂け女を倒したわけじゃ無いんだよねー。」
何故か不思議と浮ついてる零次に向かって英樹が文句を言う。
「お前、5時間の待機時間ずっとエロ本読んでたからじゃねぇか?俺に見せてくれなかったし………。」
「あれ、無茶苦茶良かった。」
いや、何がだよ、と零次以外の3人は心の中で思った。
「次の標的どうする?」
いつもどうりに話を変える賢治。
「メリーさんとかどう?」
拓哉が提案する。
「なんだっけ、それ。」
賢治は、拓哉に問う。
「なんか非通知設定で電話が掛かってきて、私メリーさん今どこどこにいるのとか言い出して、そのどこどこってのがドンドン自分の居場所に近づいてきて殺すっていう奴。」
「俺らも死ぬ可能性があるってことか。」
「口裂け女の時だって、死ぬ可能性あったじゃん。」
その英樹の一言で、まぁ、なんとかなるか、という雰囲気になった。
「けどまずメリーさんから電話がかかってこないと始まらんくねぇか?」
「じゃあ電話掛かってくるまで活動休止ね。」
この活動を始めようと言った張本人が活動休止宣言したことに少し驚いた3人だったが、正直面倒くさかったのでありがたい発言ではあった。
___これを宣言したことを後悔する展開になることは誰も知らない。
「ふー、やっと息をつけるな。バカ3人を相手するのは気が滅入るな。」
英樹は3人から開放された事によって自分も気づかない内に独り言を発していた。
「うぅ、尿意ッ!」
突然の尿意に襲われた英樹はトイレへ駆け込んだ。
プルルルルルル
英樹の携帯に非通知設定の電話から通話が掛かってきていた。
プルルルルルル
ブツッ
「ふぅー、気持ちよかった。」
電話が掛かってきていた事を知らない英樹は、電話の履歴を見ずに疲れが溜まっていたのか、眠ってしまった。
プルルルルル
プルルルルル
ブツッ
プルルルルル
プルルルルル
ブツッ
プルルルルル
プルルルルル
ブツッ
プルルルルル
プルル バンッ
「うるせぇええええええええええ!」
「あたしメリーさん。あなたの家の前にいるの。」
「いや、順序飛ばし過ぎてませんか?」
「あたしメリーさん。あなたの部屋の前にいるの。」
これはまずいと実感した英樹は、3人に連絡を入れた。
プルルルルル
「どこにいるんだ、メリーさんよ。」
「あ な た の 後 ろ」
『ひぃいいい、俺も俺でカッコつけちゃったけど、メリーさんもメリーさんで、ちゃんと一文字一文字、間隔開けてくれてる、うううう恥ずかしぃいいいいい。』
メキィ ドグシャァッッ!
「クソったれがぁぁあ、思ったより痛ぇじゃねぇか……。」
メリーさんのパンチは強烈なもので英樹は家の壁を貫通して外へ4〜5m吹き飛ばされた。
「惨めだが一人じゃ何も出来ない、逃げよう。」
英樹はサイコパスの零次の家へ逃げることにした。
___零次家
「何だ?連絡が入ってるな。」
_____ヤバいメリーさんに襲われてる。お前ら誰かの家へ逃げ込む。何らかの用意………どこにいるんだメリーさんよ。………メキィッッッ ドグシャァッッ!……………………ツー…………………。
「おいおいまじかよ。」
零次はいつでも英樹が来てもいいようにメリーさんを追払う………いや撲殺する用意をしていた。
ドンドン ドンドン
_______開けてくれぇー!!
「来たか。」
ガチャ
「早く入れ。」
「謝謝。」
「え、何で中国語。」
「あぁ、ツッコんでくれるんだ。」
早速英樹が話しかける。
「どう撃退する?」
「簡単だ、相手はガキだぞ。しかも女。」
「いや、どう撃退すんだよ?」
「背後を取られなきゃいい。壁に持たれかかろう。ドアの真横のな。」
「わかったぞ。零次の考えていること。」
プルルルルル
「あたしメリーさん。いまドアの前にいるの。」
「入って良いよ、おじさんが楽しい遊び教えてあげるねー!」
英樹が渾身のキモボイスでメリーさんを家の中におびき寄せた。
ガチャ ギィ______
「あれ?誰もいない?」
______ようこそー、楽しい楽しいレイジサファリパークへ!
「え?」
「おじさんもう我慢出来ないおぉおおおおおおくんくんくんくん!」
英樹、いやレイジサファリパークのチンパンジーがメリーさんに襲いかかる。
「縄もってこいッッ!ターボババア殺した時の!」
「ここに来たことを後悔さしてやるよ!メリー“ちゃん”!」
キャァァァああああああああああああ!
____翌日の学校にて
「メリーさんは縄無しバンジーしてもらいました。」
報告をする零次と英樹。
それに対して拓哉と賢治が真剣に言う。
「俺らもやべぇ事があったんだよ。そしてまだ解決してない。」
続く。