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俺の妹が《レズビアン》な件  作者: 嶺上開花
第2シーズン
8/19

飲み会にて

 大学入学から3週間、そろそろ桜が散り始めており、花が咲き誇っていた枝からは青々とした葉が顔をのぞかせていた。そしてそれらはやや季節のずれた春風に吹かれ揺れている。

 白石 由梨はその光景を講堂の窓辺から見下ろしていた。にしても頬杖ついてるだけなのに絵になるとかほんとに何なんですかこの人…。

「はぁ…」

 なんか意味ありげにため息までついてるし…。にしてもどうしたんですか?ため息なんてついて。

「あぁ、作者か。いやね?なんか最近飲み会にお呼ばれされることが多いんだけどね?」

 おやおや、いいことじゃないですか。出会いがあるかもしれませんよ?なんだったら出会い作りますよ?

「いやいや、そこじゃないんだよ。それにその機会はあとの楽しみにとっとくよ」

 じゃあ何が不満なんです?もしかして由梨さんのこと呼ぶのが男だったり男目的の女性だったりするんですか?

「……そこまでわかってるならいいじゃん。私が話す必要なくない?」

 …なんかごめんなさい。でもそれは仕方ないと思いますよ?だって由梨さん超絶美人ですし?ていうかそういう風に私が作りましたし。

「お前のせいか」

 ごめんなさいごめんなさい。じゃあお詫びと言っては何ですが、次に飲み会にお呼ばれしたら受けてみてくださいよ。とびっきりな出会いよういしておくんで。

「なんかチート臭いから嫌なんだけど…。まぁありがたく受け取っておくよ。

「おーい、白石さーん。ちょっと話いいかな?」

 と、仕事に戻りましょうか。由梨のことを呼んだのは同回生の森下 青葉という女子だった。

「あぁ、森下さん。どうしたの?」

「今度飲み会に行くんだけど白石さんもどう?」

 由梨はさっき作者と話した内容を思い出し首を縦に振る。

「たまにはいいかな?予定空けとくね」

 OKをもらった森下は嬉しそうにその場を離れていった。 えと、「これでよかったんだよね?」みたいな顔でこっち見られても困るんですけど…。

 兎にも角にも、大学生活はじめての飲み会である。鬼が出るか蛇が出るか…。


 後日、飲み会当日。一応めかしこんで集合場所に行くと森下を含めた男女5人(内訳男子3人女子2人)がわらわらと集まった。一応森下が幹事のようではあったが、何やらしどろもどろしている。

「えっと…。もしかして森下ちゃん、こういうの初めてな感じ?」

「そんな焦らなくてもいいよ~。俺たちはゆっくり楽しむから」

「そーそー。そんなに緊張しなくても大丈夫だよ~」

 男たちはにやにやしながら品定めでもするように由梨たちを見つめる。これだから男は気持ち悪いと心底感じる。参加した男たちはどいつもこいつもチャラそうで好感は持てそうにない。それ抜きにしても男は好きになれないのだが…。

 一方女子はというと由梨に青葉、それにもう一人気の弱そうな女子が一人だった。まず青葉の特徴なのだが、背は女性としてはほどほどで胸は由梨よりも大きい。といっても若干。若干だ!誰が何と言おうとちょっとしか差異はない!性格面は頼まれごとをされると断ることができず一人抱え込んでしまうような子である。うん。守ってあげたい。カワイイ。

 まぁそんなことはさておき、もう一人の女子も頼まれたら断れないような感じなのでこうやって参加しているのであろう。

「じゃ、店いこーぜ。予約取ってるんだろ?」

「う、うん。近くのお店だけど…」

 一行はその予約を取った店に向かう。店はよくあるような居酒屋で、予約を取ったと伝えるとすぐに店の奥にある座敷に通された。そしてさも自然な流れのように上座に通される。逃げ場はない…と。

「じゃあみんな、何呑む?とりあえず生でいい?」

「え?でも私たち未成年———」

「そんなこと関係ないって!すみませーん、とりあえず生6つで~」

 男の一人は話を聞かず生ビールを6つ頼む、数分もたたないうちにビールが運ばれてきた。

「じゃーかんぱーい!」

 一応ジョッキをぶつける。そうせざるを得ない状況というか、流れに飲まれたという他ない。しかしビールは口にしない。だってこの小説そういう表現したくないし。なんか問題になりそうだから未成年にはお酒は飲ませないよ!

 その中でも男たちはビールを口に運ぶ。いやホントやめてほしいんですけど…。で、案の定というかなんというか男たちはかなり悪酔いしてウェーイwww状態になった。でもぶっちゃけこの状態の人ってそんなに見たことないからどんな表現したらいいのか分かんないんだよね。

「あれあれー?全然飲んでないじゃーんwwwどうしたのさーwww」

 一応読みやすいようにはしているけど実際には結構ろれつが回っていない。ゆえに何を言っているか判断しにくくなっていた。

「いや、私たちまだ未成年だからお酒飲んじゃダメなんだよ?だから飲んでないんだよ」

 ほかの二人が結局流されて飲んでしまったので同じようにべろんべろんになっている。もうほんとなんか言われそうなんで勘弁してください…。

「そんな細かいこといいじゃーんwww飲もうよ飲もうよ~」

 男は妙な手つきで由梨の肩を触ってくる。その行為についに百合の堪忍袋の緒が切れた。

「あのねぇ、言っておくけど今回の場合、罪を被るのはあなたたち3人だから。じゃあ私、二人連れて帰るから。あ、あとお店の人にも報告しておくね」

 由梨はそれだけ言い残すと健二に連絡を入れようとする。したのだが、携帯を持った腕をつかまれ壁に押し付けられる形となった。その瞬間大きな音が響く。しかし外は円嗅いだのなんだので雑音がひどく、その音がほかの誰かに聞こえたかどうか怪しいものだ。

「てめぇーおたかくとまってんじゃねぇーぞこらぁー!!」

 ここまでくると本当に何を言っているかわからないくらいにろれつか回っていない。しかし、その声に気が付いたのか店員が駆けつけてくる。


 その後、一応乱暴されたということで警察に来てもらったうえで未成年が未成年に飲酒させたということでちょっとお話を聞かせてもらうということだった。更に森下ではない方の女子は重度の酩酊状態ということで病院へと搬送され、連絡の届いた健二が店に迎えに来たところだった。

「まったく、いきなり電話がかかってきたと思ったら知らないやつの怒号が聞こえてきてびっくりしたよ。しかも警察から連絡来るし…。いやはや、なんというか…」

 健二はどうも由梨が連れてきた子をちらちらとみているようだ。というのも、青葉は隣町に住んでいるらしく、明日は青葉も由梨も講義がないということなので白石家に泊めることにした。いや、何もないよ?ホントに何もないからね?

 そんなこんなで、次回は白石家に戻ったシーンから始まりますね。

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