スカート談義ー兄の葛藤を添えてー
「ねぇ兄貴、スカートって…どう思う?」
「…男子○校生の日常でも読んだのか?」
白石家の日常的な会話。しかし、その日常は端から見れば非日常的なものだった。
「だってさ?あれってよくよく考えてみれば腰に布巻いてるだけだよ?それってパンツ晒してるようなもんじゃん!」
「うん。その発想はなかった」
ある程度の発想は予想していた健二だが、由梨の意外な発送に舌を巻いた。
「しかしだな妹よ。あれでもちゃんとした衣類だし、しっかり隠せているではないか」
「甘いな、兄貴は… 隠していると言うことは見えない。見えないと言うことはどんな格好をしていてもばれない!つまり、例えばスカートの中が素っ裸でもばれないってことだよ!?」
これまた予想を斜め上どころか180度反転したような発想に、健二は思いっきり吹き出した。(この時、何も口に含んでいなかったのが幸いである)
「あぁ!なんと素晴らしい発見か!もしかしたら道行く女性の中にノーパンの人が居たとして『ばれたらどうしよう…恥ずかしい…けど、なんだろうこの…解 放 感』見たいな感じで歩いてたらどうしよう!是非ともお付き合いしたい」
「おいバカやめろ!そんな痴女と付き合うなんてお兄ちゃん許しませんよ!付き合うならせめて全うな子にしなさい!」
流石に『妹が痴女と付き合っている』となると色々ヤヴァい。世間体とか。
「ーー兄貴、ついに私が"女性と付き合う"ってことに突っ込まなくなったね」
「……( ゜д゜)ハッ!!」
健二は思わずしまった、と言う顔をしてしまう。
「…ちょっと一人にしてくれ」
そう言うと健二は自室に入り鍵をかけ、完全な密室を作った。
「はぁ…… ま、あんなこと言われたら意識もするけど、うっかりしてたな…」
ベッドにその体を沈め、見慣れた天井を眺める。
そう。ついこの間(厳密に言うと3日前)、忘れも出来ない人と合ったときの事である。
ーto be continuedー