幕間と言う名の言い訳
俺の妹が《レズビアン》な件作成スタジオ。数年ぶりに人の気配がするそこではとあるイベントが執り行われていた。
「…これより、『俺の妹が《レズビアン》な件』著者・嶺上開花の裁判を執り行います」
そう高らかに宣言したのは白石 由梨。隣には森下 青葉の姿もある。そして部屋の中央、茣蓙の上で正座させられている嶺上開花はなぜか白装束で、目の前には短刀が置かれていた。
「では完結に判決を。被告・嶺上開花を切腹の刑に処します」
「いやちょっと待ってやれよ!て何で作者は短刀抜いてるんだよ!やめろやめろやめろ!」
突拍子もない超展開に健二が割って入る。
「まずなんでいきなり裁判なんだよ。でもってなんでいきなり極刑なんだよ」
「ほう、では説明しましょう。原告側、説明を」
由梨が促すとマサムネが立ち上がり説明を始める。
「被告は当シリーズを2年もの間更新せず、それはおろか他連載シリーズも放置。そしてつい先日新しい小説を投稿していることを確認いたしました。その際合わせて当シリーズと同時連載していたシリーズの状態を“完結済み”に変更しておりました」
一通り説明を受けた健二はかわいそうなものを見る目を嶺上開花に向ける。その目は同情によるものでは無く「コイツ何やってんの?」というものだろう。
「この件について、被告から何か説明はございますか?発言を許します」
「はい、まず初めに。私の身勝手で完結すらしていないシリーズを急に“完結済み”にしていたことを謝罪いたします。えぇっと、言い訳になるかもしれませんが、連載途中だったシリーズを“完結済み”に変更したのは『モチベーションが上がらず続きを書くことが困難になってしまったため』であります。しかし物書きの端くれとして何か活動しなければと考えた結果新しいシリーズを投稿しておりました」
「な、なるほど?と言うことは“完結済み”にしていた奴も再開するんだな———」
「再開しませんよ?」
嶺上開花の発言に、思わず健二の顔も引きつる。
「あちらのシリーズは本格的に“続きが書けなくなった”原因でして…。あちらのシリーズに関しては今後執筆を再開することはございません」
「…な、なるほど!?じゃあこのシリーズを“完結済み”にした後に投稿してたっていうシリーズと同時で進行して———」
「あ、そっちはすでに削除しました」
「なんでだよ!」
「ぶっちゃけ何でしょう。肌に合わないというか、コンセプトが私の作風に合っていなかったのでお見苦しいかと思いましてね?で、これ以上微妙な状態で完結させる作品を増やすのもどうかと思いまして削除いたしました」
聞きたくなかった事実に思わず言葉を失い頭を抱える。
「では被告側、なにか弁護はありますか?」
健二はいつの間にか弁護士にされていた。そしてしばらく考えた後結論を出した。
「いやコイツ弁護とか無理だろ」
———うん知ってた。
「いや、確かに創作活動にモチベーションって言うのは大事だ。それは俺もよく理解してるつもりだ。でもこれだけ好き勝手しておいてあまつさえ何の告知もなしとかもう擁護できないだろ」
「えぇ、えぇ。皆さんのお気持ちも理解しております。ですのでこうやって腹を物理的に割ってお話しようかと…」
「いや物理的にはやめろよ…。でもまぁ、一応聞くけどこのシリーズは続くんだな?」
「あぁ、そのことに関してはご心配なく———と言っても信用されないでしょうけど、でも一応今後の展開とかは考えておりますのでそこまではと考えております。まぁ、私もできうる限り頑張りますので見ていただけると幸いです」
「んん…。本人は非を認めてるし、更生の意思もある。情状酌量の余地はあると思うんだがどうだろう?」
「ほ、ほら。とりあえず今回は執行猶予として経過を見るってことでいいんじゃない?」
健二の発言は難色を示す。が青葉の支援もあり折れたようだ。
「…まいっか。そういえばこの2年ほど何してたの?」
「めっちゃTRPGで遊んで遊んで遊び倒してた」
「「「「お前今すぐ腹切れ!」」」
-to be continue?-




