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墓地

道中、歩き続けてそろそろ3時間が経つ頃だ。


そういえば、レヴェラーナってどの辺にあるんだ?

結局調べてないからまったく知ることがなかったし、ここはひとつ聞いてみるか。


「なあセロさん、レヴェラーナってどの辺にあるんだ?」


「ああ、そういえばどこにあるか伝えていなかったね」


セロは黒ローブに付いているポケットから地図を取り出すと、それを広げて俺に見えるように差し出してくれた。


「いいかい? 今我々が居るのがここだ」


そう言ってセロは地図上の今の現在地を指でトントンと叩いた。


「そして、目的地のレヴェラーナは――」


セロはそのまま地図上の北の方角へと指を滑らせた。


「ここだよ」


指が止まった位置は現在地からかなり離れた場所だった。


これ...かなり遠くないか?


「なあ......、これさ、どんくらいかかるんだ?」


セロは『うーん』と一度唸ったあとに


「まあ普通に歩いて半月はかかっちゃうだろうね」


「半月!? そんなに時間かけて歩いてたら父さん達が...!」


「"普通に歩けば"と言ったよね?」


「え?」


いや、どう見ても普通に歩いてるようにしか見えないんだが...。


俺が考え込んでいるのを見て、セロはクスリと笑うと、もう一度地図に指を伸ばした。


「君でもわからなかったとなるとこちらとしても自信になるよ。 いいかい? さっきまでいた邸宅はここなんだ」


そう言ってセロが指差した地点は、先程セロが指差していた現在地からそれなりに離れていた。


「これって...」


地図を見る限り、あと邸宅からここまで来るのに数日...下手したら一週間はかかる道のりじゃないか。


「わかってくれたかな? 我々はすでに数時間で普通に歩けば一週間かかる道をすでに踏破している。 つまり、このまま行けば明日...いや、今日中に到着するだろうね」


「やっぱりか...どうやってこんなことを?」


「それはルシカ様の息子だとしても秘密さ。 ただ――我々は力ではなく技術で相手を上回る、とだけ言っておこうか」


うん...とりあえず母さんの超人性はきちんと受け継いでるんだな。


半月かかる道のりを1日歩くだけで到着とかどんな手段使ってんだよ。


歩きながら周りを見渡して見るが、特に変わったところはなかった。


どうなってるんだ? まったくわからないんだが...。


「頑張ってカラクリを探してみるといい」


セロに言われずともカラクリを探しだそうとしているものの、相変わらず見つからない。


結局、日が傾いてきた頃にレヴェラーナ到着したが、俺はカラクリを見破ることが出来なかった。


俺がその時点でカラクリを見破るのを諦めるのと同時に、セロは全員の前に移動した。


「さて、1日歩いて疲れていることだろう...が。 我々にはやるべきことがある。 まだ休むわけにはいかない。 この先にヒューズ墓地がある。 手筈通りに頼むぞ」


この言葉に、全員が言葉もなくコクンと頷いた。


え? "手筈通り"?


「なぁ? 手筈通りって? 俺は何も聞いてないんだが...」


「気にすることはない。 君はオシリスの相手に集中してくれ」


「そうか...」


何をするのか気にはなるが、きっと道中でやったあれみたいに何かをするのだろう。


それだったら聞いてもわからないだろうし任せておくか。


その後、歩き進めているとひとつの墓地へと辿り着いた。


その入り口にはヒューズ墓地と記された看板が設置されており、ここがオシリスが居るところだとわかった。


墓地に入ったものの、中央以外にはどこを見ても墓を発見することはできなかった。


だが、中央に大きな墓がひとつだけ存在しており、その左右に立っていた石像に、母さんと父さんが縛り付けられていた。


そしてその墓の目の前には――


「ようやく来たんやな、アル・ウェイン」


死体遊戯ネクロマンサー、オシリスの姿があった。

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