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後のこと

あの後、俺達は魔族達を落ち着かせた。


そのあとユリアは魔族達に魔王が亡くなった

ことを伝えた。


その言葉に魔族達は嘆き、悲しんだが、

ユリアが父の役職を引き継ぎ、魔王に

即位するということをペドが宣言すると歓声が上がった。


魔族達に異論は無いようだ。

だが、まだユリアは子供なので、魔王としての

仕事のほとんどはペドやその他の部下が

受け持つことになっているらしい。


仕事をやっているペドは


『これはユリア様の仕事...!! つまり

幼女の仕事...!! ああ職務に勤しんでいる

というのに素晴らしく興奮する!!


はっ!? でも幼女には仕事という言葉は

似合わないんじゃないか!? 


そういえば小さい子はごっこ遊びが好きと

聞くし、今の役職とごっこ遊びを融合させて

ユリア様に相応しい役職名を...!!』


と訳のわからないことを喚き、その結果、


『魔王+ごっこ遊び...。


魔王ごっこ...。



ユリア様の...魔王ごっこ...。





あああああああああああああああ!!!!!

言葉の響きだけでも素晴らしい素晴らしい

素晴らしいぃぃぃぃぃ!!』


このように素晴らしい狂人ロリコンっぷりを見せてくれた。


なんだ魔王ごっこって。

そしてそれで興奮するお前は何なんだ。


俺が思っていたことをそのまま聞いてみると


『貴様にはこの良さがわからないのか!!』


と罵倒された。


一生わかりたくない。



さて、一方ユリアは父親と部下の死を

乗り越えて頑張っていた。


まだ子供なので、ペドを筆頭にほぼ全ての

仕事を部下に任せているが、少しずつ

自分でやる量を増やしている。


幼いながらも民のために頑張るその健気な姿に、

魔族達は俺達も頑張らなければと士気を

上げている。


それを見たペドの反応は言うまでもない。

ただ、極度に興奮していて最高に気持ちが

悪かったと言っておこう。


ちなみに、ユリアの母親は運良く人間領の方に

遊びに来ていたため健在らしく、娘の無事を

喜んでいた。


が、陰でユリアに見られないように夫である

ユリアの父親の死を悲しんでいた。


その悲しみはかなり深かったようで、

偶然それを見かけた俺は彼女を慰め続けた。


最初は八つ当たりに近いものも食らったときも

あったが、それでも日を重ねるごとに

だんだんと打ち解け、心の傷が少しずつ

癒えてきたらしく、ユリアが見ていないとき

でも悲しげな顔をすることがかなり減った。


他にも、壊れた建造物の再建のための

力仕事を手伝ったり、一度故郷である

シルス村に戻って、余っている野菜や

家畜などをこちらに流したりした。


その甲斐あってか、段々と魔族領は再建

していった。


もう、きっと大丈夫のはずだ。


そう思った俺は、メイギスに帰るために、

ペドに共鳴転移石シンクロストーン

貰いに行ったのだが


『お前が居なくなることは私からしたら

心の底から歓喜すべきことではあるのだが、

それだとユリア様が悲しまれる...。


それに、お義母様であるサリユ様は

お前がストレスの捌け口になっているように

見える。


なりよりお前のお陰でここは安定していると

いってもおかしくはない』


お義母様ってなんだよ。

ユリアと結婚する気満々じゃねぇか。


ってか過大評価が過ぎるだろ。


『それに...』


ペドはすぅっと息を吸うと


『私は幼女の悲しむ顔が見たくなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!!


幼女の微笑み(エンジェルスマイル)こそ正義( イズ ジャスティス)ーーーーーー!!



...というわけで、あの二人の女の分はやるが

お前の分はない』


コイツに相談した俺が馬鹿だったのだ。


俺は二人に共鳴転移石シンクロストーンを渡すと、

ユリアにだけ別れを告げ、来たときと同じようにダッシュで帰った。


その際、ユリアが少し悲しそうであったり

寂しそうであったりする顔をしていたが、

共鳴転移石シンクロストーンを使えばいつでも

会えるということを伝えると、笑顔で送り出してくれた。


メイギスに戻った後は、しばらく帰って

いなかったからか、ファルにはとても心配

されていて、危うく騎士による捜索団が

編成されるところだったらしい。


心配して居たのはリークスも同じだった

らしく、俺を見た瞬間号泣して抱きついてきた。


男同士の抱擁とかどの層が得をするのかと

思ったが、通りすがった女性が俺達を見て

鼻血を出していた。


なるほど、あの層か。




さて、それから数日経った今。


俺の家にはヘレンさんとルリとファル、それに

ユリアとペドの5人が居る。


その理由は


「さて、あの幼女のことを教えて貰おうか」


そう言ったのはペドだ。


質問の内容はイルビアのことである。


どうやら2日前に


『はっ!? そういえばあの場に居た幼女は

誰だ...!? アル・ウェインと仲良さげに

見えたが...!!』


と思ったらしく、突然押し掛けて来たのだ。


それも俺が断りにくいようにこの4人も連れてきたのだ。


とはいえ、この4人もそれが気になるらしく、

ジーッとこちらを見つめていた。


「幼女って...、イルビアは幼女じゃなかったろ?」


確かある程度育っていた気がするのだが...。


「あの平均よりも小さな背、あの童顔、

何より...あの綺麗なまな板...!!

あれはギリギリだがババアになっていない

合法ロリだ!!」


何言ってるのかわからないけど本当にコイツの

気持ちを理解したくない。


雄弁に語っていたペドは俺を指差し


「あのような幼女とどんな関係があるのか、

全て白状してもらおうか!!」


「だから幼女じゃ...」


「アル、僕も気になるな」


ルリがそう言う。


「アル君、私も気になる」


次いでヘレンさんもそう言う。


「私も好きな人のことは知りたいな」


「お兄ちゃん、教えて?」


ファルとユリアも聞いてくる。


というかファルは爆弾を投下するな。

ユリアが凄い勢いで振り向いたぞ。


でも、まあ、話しとかないといけないことだよな。


「...わかったよ。そのうち話さないと

いけないと思ってたしな」


「ほう? では聞かせて貰おうか」


お前は帰ってくれ。

ペドの発言の割合多すぎ...。

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