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農民は逃げ出したい

「さっきアル君がわたしを助けてくれたときに

倒した男の人居たでしょ?」


「居たな」


あのローブ被った奴か。


「あの人、暗躍の拐い者っていう二つ名がつく

くらい恐ろしい人だったの」


あら怖い。


「ステータスを確認したらね、なんと平均500

もあったの!」


「...え?」


平均500″も″?


「あ...あのさ、もし良かったら一般人とかの

ステータスの平均を教えて欲しいかなーって」


「いいよ。


一般人は60

冒険者は130

騎士は150

騎士隊長は600

伝説の勇者は1000


って言われてるの」


それを聞いて俺は顔をひきつらせた。


これアカンやつや。

絶対ステータス見せられない。


「それで、話を戻すけど、そんな

騎士隊長クラスの人をいとも簡単に

無力化したアル君の事が是非とも欲しいっていう

のが王宮の意思なの」


うわ、何か面倒くさいことになってる。


「残念だが断る」


「ちなみに私としてはアル君に

興味があるから一緒に来てもらいたいなー

なんて思ってるんだけど」


「断固拒否する」


「うぅ...、即答かぁ...。 でも絶対

諦めないから!」


お願いですから諦めてください。


「あっ! とりあえずステータス見せてよ!

アル君のステータス気になるなぁ!」


「あっ、用事思い出したからそろそろ

帰るわ、じゃな」


俺はすぐさま馬車を動かそうとするが、

目の前に門番が立ち塞がった。


くっ...こいつら俺を逃がす気がないな...。

大体、俺のステータスなんて見せられるか。


農民人生が終わってしまう。


どうにか打開策はないかと思っていると、

4人組の冒険者と思われる人達が門の外から

こちらへ向かってきた。


「門番さーん! 入りたいからこっち来てー!

通行証もすぐ渡せるように出してあるからー!」


そう言った冒険者の内の一人のオレンジの

ショートボブの女の子は、上げた腕を左右にブンブン振っており、

その手は通行証を掴んでいた。


「おう、お前たちか、その様子だと、

依頼は達成出来たようだな」


「いや、ひとつ不可解ことがあるんだ」


そう言ったのはスキンヘッドの屈強な

おっさんだった。


「不可解なこと?」


「フォレストドラゴンが出た」


「何!? 何故あんなところに!?」


その言葉に思わずファルもそちらを向いた。


「今の話、本当?」


「ええ、本当です」


ファルの質問にそう答えたのは眼鏡をかけ、

背中に弓を携えた青い髪の男だった。

その男は荷物の中から緑色の魔石を取り出した。


「これが証拠です」


「これはまさにフォレストドラゴンの魔石だ!

しかし...お前らよく無事に倒せたな...」


「いや、倒したのは僕達ではありません」


「どういうことだ?」


「私が説明します」


そう言って前に出てきたのはストレートロングの

白髪の女性だった。


「私たちは依頼通り、最近数が増えてきたという

ワイルドボアを退治していました。

ある程度退治し終え、そろそろ帰ろうかと

思ったとき、フォレストドラゴンが現れました。

私たちは全力で戦いましたが、力の差は

凄まじく、追い詰められました。ここで終わり

かと思ったそのとき



ドラゴンの頭が破裂しました。」


「は?」


思わず門番が声を出した。


あれ? というか俺も何か覚えがあるぞ?


「破裂?」


「ああ、風を切るような音が聞こえたかと

思ったらパンッて頭が破裂しちまった」


「ということは...討伐ランクSの

フォレストドラゴンを瞬殺出来る腕前の者が

いるということか...」


おいおい、待て待て、まさか...


「他に情報は無いか?」


「攻撃が飛んできたと思われる方向に

向かってみたら、馬車が通ったと思われる

痕跡があった。


まだ新しかったから間違いないと思うぞ。

しかし、せめてお礼くらいしたかったんだが

すぐ去っちまうなんてな...」


それ、俺じゃね...?


「馬車、強い、すぐに去る...」


ファルは一人で呟いたあと、こちらに

顔を向けた。


「つまりアル君だよね!?」


「何故だ! 何故そうなる!!」


あってるけどさ! あっさりと正解に

辿り着かれると困るんだよ!

推測力が恐ろしいよこの姫様!


「悪いがそれは完全に覚えがない。

きっと人違いだと思う」


「うーん、本当かな?」


「本当だよ、さて、それじゃあ...」


今は門番は目の前に居ない。 つまり


「これにてさらばだ!」


「あっ!」


俺は馬車を発進させた。

ファルは声を出してこちらに手を伸ばしていて、

門番も気がついたようだがもう遅い。

俺はすでに門番達を抜かして門の外へと

出ていた。


「ふう...ここまで来れば大丈夫だろう。

ま、しばらくはここには来ないようにしとこう」


自分の農民としての生活が守られたことに

満足しつつ俺は村へと向かった。













「申し訳ありません姫様、私たちが

気を抜いていたばかりに」


「別にいいですよ、気にしてません」


ファルはアルが走り去っていった方を

じっと見て


「絶対に手に入れてあげるから覚悟しててね、アル君」


そう宣言した。

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