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秘密の部屋

朝起きたら日刊1位になってて

驚きました。


まだまだ一位にはふさわしくない作品だと

思うので、もっと精進しようと思います。


これからもよろしくお願いします。

ファルが部屋の明かりをつけたあとに扉の

鍵を閉めて本を探し始めたので、俺も邪龍の本を

探し始めた。


ここに置いてある本は、ジャンル別に整理

されているわけではないようで、さっきよりも

探しづらかった。


これでは見つけるまでに時間がかかりそうだと

思ったが、数分で見つけることが出来た。


二冊あったので、まずは左側に置いてある方から

手に取って読んでみた。


『邪龍について。


ここで言う邪龍とは、邪龍ウロボロスのことで

ある。


邪神の使いであるとも言われ、かつてこの地を

蹂躙し、生物を根絶やしたと言われている

恐ろしい龍だ。


その生態については知られていることは

極端に少ないが、外見は漆黒の鱗を身に纏い、

全長は15 mにも及ぶ、巨大な龍だと

言われている。


これだけ聞くと、ただの大きく育った

黒龍ではないかと思う人も居るだろう。


だが、最近発見された手記によると、

その姿は禍々しく、見た者には恐怖を与え、

それは黒龍の比ではないと書かれていた。


さらにその強さは見かけ倒しではなく、

次々と蹂躙の限りを繰り返し、わずか

2日で王都を滅ぼしたとも書かれていた。


さらにその鱗はどのような攻撃にも

耐え、偶然落ちていた鱗を拾って

研究を重ねたが、壊すどころか

傷ひとつ付けることができなかった。


それほどに邪龍とは恐ろしい存在なのだ。


その存在といったらまさに天災にも匹敵し、対抗できるのは

あの聖龍くらいだと言われており――」



...まだちょっとしか読んでないけどほとんど

目新しい情報は無さげだな...。


一応最後まで読み進めたものの、

邪龍がいかに恐ろしい存在なのかを

つらつらと語っているだけで、特に

成果はなかった。


俺は本を元の位置に戻すと、右に置いてあった

もう一冊を取り出した。


『邪龍によるものだと思われる

ホノル村の壊滅について。


突然納税がストップし、連絡が取れなくなった

ホノル村に我々が向かうと、そこに村はなかった。


村だったはずの場所は無惨にも破壊し尽くされて

おり、前の面影も残っていなかった。


当然、村人達も全員生き絶えているのかと

思っていたが、一人だけ幼い少女が

生き残っていた。 彼女はショックが

大きかったのが最初は何も喋らなかったが、

一度王都に連れて帰り、ようやく少し

元気を取り戻した彼女によると、

黒い龍がこの村を襲撃し、半日ほどで

滅ぼされたとのこと。


我々は話を聞いたとき黒龍の仕業かと思った。


だが、後日調査に向かったときに、

恐らく村を襲撃したであろう龍の鱗が

発見された。 その鱗の強固さといったら

黒龍の比ではなかった。


我々は認識を変えざるを得なかった。


もっと恐ろしいものがこの村を襲ったのだと、

そう思った。


そして、調査を重ねて辿り着いた結論が、

村を襲ったのがあの邪龍ウロボロスではないか

というものだった。


確定ではないが、邪龍についての本に

書かれていたことと、少女の発言と、

村の無惨さが、そしてなにより鱗が

それを物語っていた。


未だに村を襲った邪龍は発見されておらず、

この事が世間に知られれば混乱を招く

可能性があるので、これは機密情報として

扱うことを推奨する』


本っつーより報告書見たいだな。


そういえばこれはいつ書かれたものなん

だろうかと思い、日にちと年を見てみると


「今から12年くらい前...か、結構最近なんだな」


結局、わかったことと言えば邪龍が

無差別に破壊の限りを尽くす暴虐なやつ

だってことしかわからなかったな。


とはいえ不思議なところもある。


何故王都を滅ぼすのに2日、そして村を滅ぼすのに

半日もかかっているのだろうか。


正直あのステータスなら、村なら数時間、

王都なら1日もあれば余裕で滅亡させられる

はずだ。


何か力を出すための条件でもあるのだろうか。

それでも何らかの目的で力を抑えているのか。


「...わからん」


とりあえずここで調べられることは全部

調べたし、そろそろ帰るか。


「ファル、俺はそろそろ帰ろうと

思うんだが......だから何で後ろに居んの?」


「私はもう調べものは終わったから、

アル君が終わるまで待ってたんだよ?」


「あ~、そりゃ悪いことしたな、ごめんな、

待たせたみたいで」


「悪いと思うなら是非とも私のところに」


「それとこれとは話は別だ」


俺はファルを軽くあしらうと、扉に向けて

歩きだした。


「まったく...でも私のおかげで入れたんだから

少しは感謝してほしいな」


「少しどころかめっちゃ感謝してるよ。

ありがとな」


「あ、そ...そう? な、ならいいんだけど...」


お礼を言われるとは思ってなかったのか

ファルは少し狼狽えていた。



そのあと、部屋を出てさっきのおばさんに

鍵と許可証を返却すると、ファルは

図書館の入り口に待機していた護衛と共に

帰っていった。


「さて、これからどうするか...」

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