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初依頼はトラウマの味

閲覧回数が一日で35000越え...だと?


ありがとうございます。

「おっ、あったあった。


これで9本目だな」 


俺はあのあとメルク草という植物を最低10本以上

納品してほしいといった依頼を受けた。


場所はこの前王族が魔族に襲撃された、

ヘレスト草原近くの名も無き小さな森。

もう少し奥へ向かうと辿り着くグリムの森と

違って、 ここには今は魔物はほとんど

生息していないため、安全とのこと。


また、メルク草は精神のリラックスに

効果があるので、重宝されている。


しかし、こんなただの草にしか見えないものに

こんな効果があるとは誰が想像しただろうか。


勇気ある先人たちが生で食べたり煎じて飲んだり

しなければ発見されなかったのだから。

特に精神に効果があるものは効能がわかりにくい

ため何度もこれを口にしたことだろう。

先人たちには感謝しなければならない。


俺だったら絶対嫌だし。


そんなことより、あと一本あと一本...。


「ん? なんだありゃ?」


メルク草を探していた俺の目の前に

小さな黒い円盤状の物が落ちていた。


拾って確かめてみると

どうやら鱗のようだ。


しかし、鱗を持つ魔物なんてここには

居ないはずだし...。


あとでこれがなんなのか誰かに聞いてみるか。


俺はポケットに鱗を入れると、メルク草を

探すために歩き始めた。












――――――――――――――


一時間、いや、二時間は経っただろうか。

未だにメルク草の最後の一本が見当たらない。


それに、気がついたらかなり奥地まで

来てしまっていたようだ。


地形把握スキルがあるので、帰り道は

わかるので、一度戻ろうと思ったそのとき


「...あ!!」


目の前にお目当てのメルク草が生えているのを

発見した。


それも1本や2本ではない。


あちこちにたくさん生えていたのだ。


「ここが穴場ってやつか...?

とにかく、出来るだけたくさん持ち帰るか」


俺は持ってきた袋にメルク草を入れていく。


数が多ければ多いほど報酬は増えるらしいので、

出来るだけ持って帰ろうと思っていた。


そして、次のメルク草を取ろうとした

そのとき、メルク草が何者かに踏み潰された。


「おわっ!?」


採取に気を取られすぎて何かが近付いてきてるのに

気づいていなかった俺は驚き、尻餅を付いて

しまった。


しかし、誰がメルク草を踏みつけるなんて

酷いことを......。


そう思って顔を上げると。















雌のオークが鼻息を荒くしながらこちらを

見下ろしていた。



あれ? 雌のオークってかなり希少

だって聞いたことがあるんだけど何でここに

いるの?

ってかなんでそんなに鼻息荒くしてんの?


そのとき、俺の記憶から一つの文章が浮かび上がった。



『オークは性欲が強いため繁殖力が高く、

いつでも発情している。


これは雄でも雌でもかわることはない。


そして、オークは雌の方が性欲が強い。

詳しい理由は解明していないが、恐らく

雄に比べて雌の数が極端に少なく、

たくさんの雄のオークと性行の相手をしなければ

ならないので、そうなったと考えられる。


なお、オークは同族、もしくは″人型の生物″なら

とにかく犯す習性がある。


特に不幸にも雌のオークに出会ってしまった

男性は、全て搾り取られて死亡した例もある。


気を付けるようにしてもらいたい』









「......つまり俺は格好の獲物...と」


「ブルォア!!」


我慢できないといった様子で、オークは

俺を押し倒してきた。


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

待て待て待て待て待て待て待て!!


ちょっ! ズボンを下ろそうとすんじゃねぇ!

ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!


こんにゃろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


俺は叫びながらも顔面に拳をぶちこもうとした。


そのとき


強打斬撃フルパワースイング!!」


俺の上に乗っていたオークは横からの

衝撃で吹き飛ばされた。


飛んでいったオークを見ると、上半身と

下半身に両断されていた。


「おお、どっかで見覚えがあると思ってたら、

お前、あのとき王女様と一緒に居た奴だろ?

大丈夫か?」


声がした方を振り向くと、見覚えのある

スキンヘッドのおっさんが居た。


王女と一緒に居たとか言ってたような...


ああ、思い出した。


あのとき俺がファルから逃げようと

したときに来た4人組の冒険家の1人か。


「ありがとうございます。 助かりました」


「ははっ、そんな固っ苦しい言葉じゃなくてもいい。

どれ、王都まで送ってろうか?」


またメスのオークあんなのが来たら堪らないし

ここはお言葉に甘えておこう。


「お願いしま...、いや、頼む」


固っ苦しい言葉で無くても良いと言われたので、

元の言葉遣いに戻した。


しかし、ステータス上では最強でも、本能的に

勝てないやつも居るんだなってことが

改めてわかった気がした。


おっさんが歩き始めたので、俺もそれに着いていった。


「まずは俺の仲間と合流させてくれ、

お前の叫び声を聞いて飛んできちまったから

アイツらを置いてきちまったんだ。


そうそう、紹介が遅れたな。


俺はジェイクっつーんだ。 お前は?」


「俺はアルだ、よろしくなジェイクさん」


「おう、こちらこそ。


ところでアル。 


なんでお前グリムの森なんかに居るんだ?」


...え?

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