村での日常
ついカッとなって書いた。
反省はしていないし後悔もしていない。
※少し修正しました。
次の話を見るときはまだ修正されておらず、
ステータスの表記方法に違いがあるかもしれません。
ご理解の方お願いします。
「うん、今日も良い感じだな」
俺は畑の土や作物を弄りながら呟いた。
この調子なら良い品質の作物に育つことだろう。
「おーい! アル!」
俺を呼ぶ声がしたので振り向くと、友人のテスタがこちらへ
向かってきていた。
なんの用だろうか?
俺は畑を弄るのをやめて立ち上がり、テスタの方へと向かった。
「テスタか、どうしたんだ?」
そう聞くと、テスタは面倒くさそうに頭を掻きながら
「そろそろ漁に行くから呼びに来たんだよ。
しかし、本当に畑が好きなんだなお前は。
農民とはいえそこまで畑弄りに没頭するやつなんて
いないと思うぜ」
もうそんな時間か、しかし...
「別にそんなことないと思うんだがなぁ...。
やることが畑弄りしかないから
やってるだけだし。 まあ好きなのは認めるが」
それより漁に行くんだろ? とテスタに言い、俺は
準備をすべく自宅へと向かった。
―――――――――――――――――
家での準備を終えた俺は、すぐに港に向かい、
テスタの乗る船に搭乗した。
船には魔石と呼ばれる魔力のこもった石が数個内部にあり、
それが動力として使われている。
「悪い、待たせた」
「気にするなよ。
さて、それじゃあ今日も魚の大量ゲット目指して
頑張ろうぜ!」
「おう!」
テスタは船を発進させ、漁のポイントへと向かい始めた。
発進して数分すると、少し大きな魚影のようなものが見えた。
「おいアル、早速魔物がいるみたいだ。 頼めるか?」
「了解」
俺は自分が持ってきた木の枝で作った槍のようなものを掴むと、
それを魚影へと投擲した。
「ギャオォォォォォォォォ!?」
槍が命中した魔物は、断末魔をあげて絶命した。
「...ほんっと、デタラメだよな、それ...」
苦笑いしながらテスタがこちらへ顔を向けてきた。
「何度も言ってるが俺の投擲は漁業系スキル、銛突きだ。
これくらいが普通なんじゃないか?」
「突きっつうか投擲してたようにしか見えないけどなぁ...。
ていうか普通はあんなに威力出ないから身を守るために
初級の魔法くらいは習得するってのが当たり前だってのに
お前という奴は...」
そう言いながらテスタは船を運転し、漁のポイントへと
到着した。
「さて、んじゃあやるか。 いつもみたいに頼むわ」
「わかった」
俺が海へ飛び込むと同時に、テスタは大きな網を海へと降ろし始め、
その間に俺は魚の群れを発見した。
さて、あとはあの群れを網まで誘導すれば......ん?
魔物が居るな。
それも5匹。 アイツ目がイッてるからあんまり見たくないん
だよなぁ...。
仕方ない、遠距離から倒そう。
俺は船から持ってきたもう一本の槍をマジキチシャーク達に向け
(漁師秘伝技・分裂銛突き!!)
投擲した槍は5つに分裂し、次々とマジキチシャーク達に
突き刺さった。
「ンギャアァァァァァァァァァァァア!
イックゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!」
うん、やっぱキモイ。
とは言えこれで脅威は取り除けたから、あとは群れを誘導するだけ。
俺は降ろし終わった網へと魚を誘導し始めた。
――――――――――――
「今日も大量だなぁ!」
「そうだな」
俺は濡れた体をタオルで拭きつつテスタの言葉に答えた。
「そういやまた潜れる時間長くなったとか言ってたよな。
今はどんくらいだ?」
どんくらいだったかな、確か...
「...五時間?」
「お前マジで人間やめてんじゃねぇの?」
「漁業スキルとれば誰だってこうなるだろ?」
「俺も確かに取ってるけどそんなに潜れねぇよ...
スキルのレベルは?」
テスタの質問に、俺はポケットからカードを出した。
このカードは通称『ステータスカード』と呼ばれていて、
微量の魔力を流すことで、自身のステータスが数値化して表示される。
なんでも昔、主に魔物の討伐の依頼を受けることで
有名な冒険家ギルドで、明らかに敵わないような魔物に、
金を目当てに無謀にも挑む冒険家がそれなりに居たらしい。
そのため、国はこのステータスカードを製作した。
ステータスカードは持ち主の魔力を流すことで持ち主の
ステータスを表記させる。
ギルドは依頼によってステータスの一定ラインを設け、
それを越えていないとその依頼を受けられないようにしたらしい。
これにより、無謀な行動で死亡する冒険家はかなり減ったらしく、
今では便利なため、民は一人一枚は持っているくらいに普及している。
俺は自分のステータスカードに魔力を流し、レベルを
確認した。
「丁度レベル10になったみたいだ」
「......はあ、またレベル10獲得かよ...。
もう驚かねぇぞ...」
スキルレベルは10が最大と言われており、俺はこれで
農民関連のスキルは土弄りを除いて全て10になっている。
「あとは土弄りさえレベル10になれば
これで俺は超一流な農民だ」
「でもお前日頃からずっと土弄りしてんじゃん。
なのになんで土弄りの成長が一番遅いんだ?」
「さぁな...一番最初にレベル9まで到達したのは
土弄りスキルだったから...あれだ、多分レベルアップに必要な
スキル経験値が高いんじゃないか?」
スキルには経験値と呼ばれるものがあり、特定の経験をして
経験値を獲得していると、スキルのレベルが上がる。
俺はスキルのレベルを上げるためにずっと土弄りをしている
というわけだ。
まあ無論好きだからというのもあるが。
「今のお前の他のステータスはどうなってんだ?」
「そういや最近あんま見てなかったな、見てみるか。」
そう言って俺はカードに書かれている項目に目を通した。
アル・ウェイン
Lv:24
HP580/580
MP35/35
攻撃72
防御47
魔力36
魔防52
俊敏64
幸運85(固定)
スキル
【農業関連】
土弄り9
田畑耕作10
伐採10
【漁業関連】
水中行動10
漁業10
素潜り10
【その他】
投擲10
地形把握10
【恩恵】
成長促進
【称号】
一流のファーマー
改めて思う。
「なんかイマイチ、ピンとこないステータスだな」
「農民にしては高いと思うけどな、ってか何で
農業以外のスキルも上がってるんだ?」
「お前の仕事を手伝ってたからだろうが」
「手伝ってるだけで俺よりも高いのかよ!? ...ってぇ!」
驚愕したテスタが大袈裟にのけぞり、船に頭をぶつけた。
「成長促進っていうレベルとスキルレベルが上がりやすい
恩恵があるからな」
「...恩恵持ちなんて運が良すぎるだろ」
恩恵とは産まれるときに、稀に子供が神から授かると
言われているスキルで、俺は運良くそれを授かったというわけだ。
「さて、俺は早く土弄りでもしたいからもっとスピード上げてくれ」
「お前まだやるのか!?」
「当たり前だろ?」
テスタに質問に答えたあと、俺は海の方へと視線を移し、
景色を眺めた。
「――というか、漁業スキルまでレベルMAXとか
それ農民なのか...? せめて村人でいいだろ...」
テスタの呟きは俺の耳に届くことは無かった。
次でチート化させる予定