祭り(有終)
ここまでお読みいただいてありがとうございます。
パレード当日です。
ではでは~
パレード当日、早朝に問題が起きた。
警備の憲兵が不審なビラが撒かれているのに気が付いた。
ビラには、王女殿下の心を抉るような内容が書かれていた。
直ちに王宮に報が届く。
単なるゴシップ記事みたいなものだが、このタイミングだとジョシティアが晒し者になる。
下卑た目で見る者も少なくないだろう。
パレードを中止するか?
王女は体調不良で欠席するか?
王宮では、時刻が迫る中、かんかんがくがく紛糾する。
国王は、反対意見を押し切って、すべて予定通りと宣言した。
「よく言った」
「タコー殿」
マリアに連れてこられたタコーは、国王に声をかける。
「マリア、よく来てくれた」
「ぶれねえな」
『チッ』
「マリア、今舌打ちしたね、ボク国王だよ、偉いんだよ、年上なんだよ」
= = = = =
「王国軍の旗を近衛騎兵に持たせるといい」
「その意図は?」
タコーの提案に国王が真意を問う。
「もう、時間がないしな王室の権威を目立たせる方法がそれくらいしか思いつかん」
「用意させよう」
「旗手は見た目が映える方がいいんだが」
「ヘインリー子爵で・・・よろしいかな?」
「陛下、なぜ俺に確認する?」
「い、いや、マリアが睨んでるし」
「キャサリアでいいんじゃないか?」
「タコー様、お嬢様に危険が及ぶのであれば・・・」
「近衛の誉れだぞ。それにあの子は強い。ケンタウロスだと絵になるんだよ」
「わかりました」
「心配するな。隣を歩いてやるから」
「え?」
タコーは、ポンとマリアの肩に手を置く。
「不可視の加護を使えば、武装したまま見えなくなるからな。心配するな、お姉ちゃん」
「もう、タコー様ったら」
「マリアー」
『チッ』
国王はメイドに邪魔者扱いされた。
= = = = =
「ジョシティア、大丈夫か?」
「フフ、タコー様に心配してしていただけるなら、むしろ好都合ですわ」
「フィー、隣に座ってくれるか?」
「一言、座れと言って」
「じゃあ、座れ」
「はい」
「危険があるかもしれない。ふたりには俺の護符を渡しておくから」
「あなた、心配性」
「ああ、心配性で臆病者だよ」
「「クフフ。嘘つき」」
ふたりの姫は同意見だった。
= = = = =
傭兵部隊の営舎では、支度に追われていた。
「ダメだよー、アニキの言った通りにブワーって羽根伸ばさないと」
「ココモさん、勘弁してください。恥ずかしいんですから」
「ダメ。ちゃんと揃えないと不細工なんだから」
「あら、ほつれてる」
「え?どこですか」
「繕いますから動かないで」
「ハイハイ、研ぎの終わってない人は」
「お、俺のお願いします」
「あちゃー研ぎがめちゃくちゃだー」
「すんません」
「急いで磨きましょ」
女性陣の頑張りで、なんとか用意は間に合った。
= = = = =
「全員揃ってるか?」
「「「「はい!!」」」」
タコーは、控えている傭兵たちに声をかける。
「傭兵部隊が殿を務めることは変わらなかった」
「何かあったんですかい?」
「いや、何かが起こるかもしれない」
「「「「「うぉ」」」」」
小隊長クラスまでがどよめいた。
「そこでだ、傭兵部隊に頼みたい。お姫さんたちを護ってくれ。ふたり、どちらかに何かあったら、この国は、内側から崩れるかもしれない」
「俺が前を護る。火竜狩りの力でな」
「「「「「おおぉ」」」」」
「背中は諸君らに任せたい」
「「「「「タコーさん」」」」」
火竜狩りに背中を任された傭兵たちの士気は、平時において過去最高となったかも知れない。
= = = = =
直前で軍旗を王国の旗と王女の旗を掲げることに変えた。
近隣の外交官も見学するので、政治的配慮が有った。
2騎の近衛騎士が旗手を務めることで、キャサリアは王女とエルフの姫の乗るキャリッジの真横を歩くことになった。
タコーは、予定通り不可視の加護を使い、旗手の前を歩いて危険に備えることにした。
万が一、火竜が現れても、ガンで対処できるはずだと考えた。
パレードの出発点で待っていたジョシティアは、キャリッジに何者か登ってくる気配を感じた。
そして、思いを寄せる男性の香りがしたと思ったとき、理解した。
『タコー様ですか?』
『ああ、前を歩いているから、何かあったらキャサリアに従ってくれ。フィー、無理は絶対するな』
『はい、あなた』
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心配は、杞憂に終る。
パレードは、何事もなく終えることができた。
今、屋台のつまみを肴に酒を酌み交わす、タコーと傭兵たちだった。
いかがでしたか?
先王弟が静かなのが、不気味です。
次話をお待ちください。




