忌まわしい災いの始まり
ここまでお読みいただいてありがとうございます。
新キャラもハーレム入りを希望しています。
ではでは~
店の二階、ヴェルンは廊下が騒がしいことに気が付いた。
「うるさいなぁ。これからなのにぃ」
「ぷふぁっ。落ち着け、ヴェルン。君なら、もっといい相手が見つかるから、早まるんじゃない」
「旦那は、すぐそうやって逃げるー。リフィさんは仕方ないにしても、リンカさんにまで先を越されたのが許せへん」
腕が緩んだおかげで、圧双乳から抜け出せたタコーに食い下がるヴェルン。
「リフィはそんなことまで言ったのか!?」
「そうです。はよぅ、せえへんかったら、誰かと子供こさえてるって」
「いやいや、だからって、君が嫁入りすることは無かろう」
「何言ってはるん。旦那とウチが結婚したら、師匠は、義理の父。旦那の知識は、共有財産も同じですやん」
「知識は教えるから、早まった考えは止めろって」
「いーえ、早まってません。むしろ、遅いくらいです。さあ、ばっちり破瓜を決めちゃってです」
「こらこら、なんてことを≪どっガッバン≫うお!」
部屋の扉が蹴破られ、ふたりのケンタウロスが突入してきた。
「聞きましたよ。タコー様!今度は少女にまで手を出して!」
「主様、どうして、腰が砕けるまでかわいがってくださらないのですか!」
「・・・たしか、コッカさんとキャサリアさんですね。初めまして、ウチ、ヴェルンと言います」
ぺこりと頭を下げるヴェルン。
「え、ええ、コッカです。ヴェルンさん」
「確かにキャサリアですが、どこかでお会いしましたか、お嬢さん」
「おふたりのお噂は、リフィさんからお聞きしまして」
「「ああー」」
「改めまして、ウチはヴェルン・エリール。鍛冶屋のバスム・ラヒトの弟子です」
「ラヒト? もしかして、天才鍛冶師ラヒトのこと」
「へぇー、師匠は天才とか評判になってますんか」
「戦場を赴く者でラヒト師の名を知らぬものはいないと聞きますよ」
ヴェルンはコッカの言葉で師匠の評判を知った。
「コッカ、そのラヒトという方はどのような功績をお持ちなのですか?」
「先の大戦で、とあるビリオネリラント軍の1中隊が北方国の1大隊をほぼ壊滅させたときに使用した武器と武具を拵えたと聞いています」
キャサリアの問いにコッカは噂話を話す。
「ああ、それなら間違いないですわ。それって、旦那に教えてもらって拵えた品物やさかい」
さらっとタコーの関わりを話すヴェルン。
「あ、こら、それは内緒だったろう」
「そんなん、ダメですやん。夫婦に隠し事はよくありまへん」
慌てるタコーを軽く流すヴェルンに悪びれることは全くなかった。
「タコー様、初耳です」
「主様、どうして内緒なんですか?」
「い、いや。その武器や武具でひどい目に合った者がそれを聞いたら、俺がヤバイだろ」
「旦那ったらー、小心者を装っちゃってぇー。北方国に知れ渡るく ≪モガッ≫」
大慌てでヴェルンの口を塞ぐタコー。
「ふー、ふー。い、いいか、ヴェルン、その名前は時期が来るまで、封印だ、わかったな」
コクコクと頷くヴェルン。
「よし、いい子だ。・・・それからな」
少し潤んだ眼をタコーに向けるヴェルンに言葉をつづけるタコー。
「手の平を嘗め回すのは止めろ」
ハーフドワーフの娘は、タコーの言葉は聞こえないふりをしていた。
= = = = =
「タコー様は、ビリオネリラント軍に居られたのですね」
「主様はもう除隊されたのですか」
「軍にはいたよ。見習いで入隊したっけな」
タコーの言葉に腹を押さえて肩を震わせるヴェルン。
びしっ
「旦那ー、痛いよー」
「笑うな」
「何よー。じゃあ、黙らせてよー。ほらー、ベットを軋ませてー、ウチが喋れなくなるまでさー」
「な、タコー様、まだ、家族と認めていない娘とはしないでくださいね」
「ぬ、主様。コッカはほっといて、わたしを混ぜてくださるなら目をつぶります」
「キャサリア、問題発言よ」
「いいもん、わたしだけ、のけ者だったもん」
「そ、それは。・・・ごめんなさい」
拗ねるキャサリアに謝るコッカ。
「それは俺の責任だ。キャサリアの帰るところがなくなるのを避けたかったんだ」
「じゃあ、してくれたら、許してあげます」
「旦那ー、お預けは無しですー」
「もう、こうなったらわたしも黙ってませんよ」
「うおぉ。こ、こら。やめろって。お前ら重いうえに力じゃ敵わねぇから、勘弁しろよ。お、おい、ヴェルン、君がズボンを脱がすんじぇねぇ」
= = = = =
「おい!ウチの店は連れ込み宿じゃねえぞ!!」
騒ぎを聞いて上がってきた店の主人に怒られた。
「そのまま、騒ぐんなら、出てってくれ!」
騒いだおかげでタコーたちは宿を追い出された。
「くっそー。お前たちは時々見境が付かなくなるな」
「ごめんなさい」
小さくなるコッカ。
「ささ、主様はわが館にお越しいただければ、解決です」
「そうはいかないよ。父君にしてみれば、仇も同然だぞ」
「そんな。主様考えすぎです」
「いや、俺ならそう思う感じる」
「タコー様、意外です」
「主様は、もっと開放的かと思っておりました」
「俺は、心の狭い男だよ。それに、お前たちが魅力的すぎるんだよ。おっさんが勝てるわけねぇだろ。 はっ!」
目を潤ませたケンタウロスの熱い視線を感じとったタコーだった。
「旦那、昔っからそうやって、女という女を惑わしてきましたわね」
「なんだよ。その俺に見境なく口説いて回ってるみたいないい方」
「へー、じゃあ、旦那の今のお相手は何人ですか?」
タコーは、まったく言葉を返せなかった。
= = = = =
旧市街の端、突然、火柱が上がる。
竜が吠える。
「お、おい。あれは何だ!」
「か、火竜だ。火竜が出たぞう! 財産をまとめて逃げろ!燃やされちまうぞ!」
「だ、誰か。ら卒さんを呼んで来い」
「火、火を消せ!」
旧市街がパニックに陥る。
火竜は、野生だと火を使えない。
火竜は捕獲用に油脂を吐きかけ獲物の動きを遅くする。
また、天敵の大型竜から逃れるために吐く第二胃液が、空気に触れると高温になり、かけられた可燃物は発火する。
軍は、火竜を飼いならし、油脂をかけたところに胃液を吐きかけることでこちらで言う火炎放射器として使うことができた。
いかがでしたか?
ほんの少し、ファンタジー要素「火竜」の登場です。
次話をお待ちください。




