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義姉妹たち

ここまでお読みいただいてありがとうございます。


さて、放免されたタコー。

しかし、暗殺の危険は去っていません。


ではでは~


タコーはヘインリー王都屋敷の前に立っていた。


キャサリアが懇願するので、とりあえず来るには来たのだが、一歩が踏み込めない。


ココモたちが後ろから押し込もうとするがスルリと身をこなし、やり過ごす。

しかし抵抗虚しくふたりのケンタウロスに両腕を抱えられ、運び込まれてしまった。


車寄せでは、ひとりのメイドが顔を紅潮させるも無表情を装い出迎えに出て来ていた。

「お嬢様、おかえりなさいませ。お嬢様方、おかえりなさいませ。そちらはお客様ですか?」

「ああ、この方はタコー様。みんなの夫となる方です」

「さようでございますか。わたくし、ヘインリー家にお仕えするマリアと申します。お見知りおきを」

スカートのつまみ、礼をするマリア。

一縷の隙も無いその洗練された動きに感心するタコーだった。


「わたしはタコーです。キャサリアさんの知人という関係だけで、訪問するという浅慮な行動はお詫びいたします」

タコーは、初対面を装い、断りをいれた。

「お嬢様のお客様でしたら、おもてなしいたします。どうぞ、屋敷の中へ」

マリアはタコーに話を合わせた。


キャサリアは、タコーに寄り添い屋敷の中を案内する。

「主様、なぜそのようによそよそしいのですか?」

『いや、だって、結婚もしていないのに娘に手を出した大罪人だぞ、俺は』

声を潜めて、キャサリアに説明する。

『では、両親にお会いください。そして、正式に婚姻をおおおおおおおお』

ココモが微笑みながら、キャアリアの頭を鷲掴みしていた。

「痛い痛い、割れる割れる、ココモやめてー」

「フン、よからぬことを考えるからだよ」

「いったーい。よからぬことじゃないもん。いいことだもん」

「こらー、うま2号!!」


マリアは、手を口元に当て、クスクスと笑っていた。


 = = = = =


タコーは食堂に通された。


侯爵は王宮に出かけていて、戻るまでと夫人からお茶に招待されていた。


娘たちの見守る中。

「初めまして、タコー様」

「お初にお目にかかります。侯爵夫人」

「・・・」

「・・・」

言葉が続かない。

値踏みするような視線。


「そろそろ、お暇いたします」

「は?あの、キャサリアは?」

夫人にとって、タコーの言葉は予想外だったようだ。


「俺は、まだ命を狙われているはずなんで、迷惑が掛からないようにするまでです」

「ー。 どうされますの?」

「一ヶ所に留まらないように」


「ぬ、タコー様、この屋敷が安全かと思います」

「ありがとう、キャサリアさん。でも、ここも安全じゃない」

「なぜですか?」

「軍が動くと防ぎきれないだろ」

「なぜ軍が動くとお思いですか?」

「軍は王の直轄。娘。命令。偽の命令が伝わったらどうなると思う」

「・・・」


「迷惑はかけられない。こいつらの面倒まで見てもらったしな」

「そんな、他人行儀な。キャサリアは、またお役に立てませんか?」

「いやいや、助かってるよ」

「主様・・・」


「アニキはボクが護るから」

「わたしもおります」

「フィー、意外と使える」

「今回だけ、お前たちはここに居てくれ」

「そんなぁ。ボク、イヤだよ」


ココモの言葉に心が揺れてしまうタコーだった。

「お前たちは、大事な大事な、・・・捌け口なんだから、ひとりでも欠けることは許さないからな」


「アニキ・・・、捌け口してー」

「「わたしもー」」

3人がタコーに襲い掛かる。


キャサリアは、母の前のため、躊躇して出遅れた。

「み、みんな。ちょ、ちょっとやめなさい。マミーが見てるんだからー」

キャサリアが声をかけても聞いていない。

時すでに遅し。

3人はタコーのひとりも欠けるなの言葉で火がついていた。


「おま、こら、ふご」

「アニキ、アニキーーー」

「あなた、あなた、うれしい」

「タコー様、この身はあなたのモノですよ」

タコーは3人に抱きつかれて、気持ちが伝わってくる。

自分のことを想ってくれている娘たちを愛おしく思ってしまう。

(まずいなぁ。添い遂げることができないのに情が移ってしまう)


ふと見るとキャサリアが寂しそうにこちらを見ているのが目に入る。

同じようにメイドが佇む。

「あー、マリアさん、もしよかったら、キャサリアを連れて来てください」

キャサリアの表情が明るくなる。


マリアがキャサリアの手を取り、タコーの許に連れてきた。 

キャサリアはタコーを見つめるだけだった。

タコーは、その意味がわかったような気がした。

「キャサリア、お前も大事だよ。・・・捌け口だけどな」

「主様・・・。お役に立てませんが、気持ちは皆に負けていないつもりです」

タコーは、キャサリアを引き寄せ、抱擁し金髪を撫でる。

キャサリアの頬を雫が伝い零れる。


「あーん、ボクも撫でてよう」

「フィーも、フィーも」

「あ、の、もしよければ・・・」

甘えてくる娘たちの要望に応えるタコー。


一歩下がって見守るマリア。

彼女の気持ちは、昨日の目を覚ました時に知ってしまった。

「マリア、こっちに来てくれるか?」

その言葉にキャサリアが気が付いた。

「主様、マリアと初対面じゃ・・・」

「実はな「タコー様とは初対面ではございません。タコー様の方はお忘れだったようですが」・・・正直に言うとマリアともその、男女の関係に」

「主様? あの、え? いつの間に、え? マリアとも? 誠ですか?」

「はい、お嬢様。いろいろございましたが、肌を重ねる関係に」


「マ、マリア!本当なの?陛下のお誘いを拒み続けていたあなたが?」

侯爵夫人が驚きの声を上げた。


「お姉さま、わたしは別に男嫌いというわけじゃ。・・・ただ、好みはうるさいほうなのだと気づきました」


「マリアと義姉妹・・・」

「お嬢様、わたしがお姉さんですね」

いかがでしたか?


マリアさん、キャサリア以外とは見たり見られたりしてますので、

簡単にバラシてしまいました。

男嫌いと思われていたようです。


次話をお待ちください。

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