リフィの自己紹介
ここまでお読みいただいてありがとうございます。
ヘインリー家王都屋敷で、動きがありました。
ではでは~
ビリオネリラント大公国、大公都。
リンカは、リフィが部屋から出ていくのを見送っていた。
リフィは、タコーに会いに行くのが手っ取り早いとリンカを説得した。
いつもは手のひらに乗るくらいのリフィは、リンカの結界の外に出るため、本来の姿に戻った。
リフィはリンカより大人びた姿をしているため、リンカは少しだけ悔しい気持ちになることがある。
決して魅力で劣っていないと自分に言い聞かせてはいるが、タコーはふたりのうち、どちらが好みなのだろうかと考えると不安になる。
彼女だけがタコーに会いに行く。
前にタコーが大公都を訪れたときもリフィだけが会っている。
タコー様に会いたい。
目を瞑れば想い人の面影を思い出せる、夢でも会える。
しかし、もう自分のことは忘れてしまうかもしれないと漠然とした不安がこみ上げる。
亜人を連れていると聞いた時には、息ができなくなるほど胸が苦しくなった。
平静を装ってタコーとの念話の中でその苦しさは消えていた。
ただ、今は戦争にならないように自分のできることをしよう。
次にタコーに会えた時にいっぱい褒めてもらえるように。
第一夫人(自称)としてふさわしい働きをするんだとリンカは自分に言い聞かせた。
= = = = =
「初めまして、わたしはリフィ。タコーの愛人1号だよ」
キャサリアは、やや妖艶な微笑みにしばし見惚れてしまった。
義姉妹は美形揃い。
貴族であるがゆえに美形と評判高い女性を見る機会はある。
しかし、義姉妹の前では霞んでしまう。
存在感の格が違うと言えるのだ。
そんな義姉妹に慣れてしまったはずの自分が見惚れてしまった。
色気、ちょっと違う。
魔性。そう、魅了されたのかもしれない。
「あらあら、キャサリアは挨拶をしてくれないんですね」
「あ、失礼いたしました。見惚れてしまいましたので」
「クスッ。タコーに口説かれた時の言葉?それとも口説き方を教わったの?」
「い、いえ。そのようなことはありません」
「そんな堅苦しい話し方は、不要だよ」
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(どうした?死んだのか?あの毒は石虫さえ溶かすんだ。人なら血管を溶かし悶え苦しみ皮下出血で死ぬ)
差し入れ口から気取られないように中を伺う。
(まだ咬まれていないのか?まあいい。あの蛇は威嚇をしないから気が付かない。咬まれるのも時間の問題さ)
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王宮謁見の間。
「陛下、魔法使いの手配ができました。早馬にて派遣をいたします」
「そうか、間に合いそうか?」
「楽観ができない状況です。ぎりぎり間に合うかどうか。眠りに入った状況次第では、犠牲者も」
「そうか。書簡はすでに出発させた。これで何とか丸く収まればいいのだが」
「御意」
法務大臣は、目の前の主君が心優しい男であることを知っている。
王太子時代には、冒険者の真似事で諸国を回り、国々の仕組みを見聞きして王国のために生かそうとした、そして続けている。
今も心配しているのは、戦争で国民が苦しむのが嫌なのだ。
自ら立憲君主として国政に口を挟まない。
そんな国王のためにできることをする。
彼の隣を胸を張って歩いていけるように自らを律することをひと時も忘れたことはない。
まだ自分にできることはないか考えていた。
「ところで、裁判の日程は変わらないか?」
「!、裁判は2日延期になった」
「なぜ!?」
国王はつい詰問をしてしまった。
被告人が死ぬと大公国に口実を与えかねないからだった。
「ジョシティアちゃんが誘拐されたので手続きが変わった」
「・・・、そうか。 わかった」
「・・・、特例として扱えるが」
「いや、今はまだだ」
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ヘインリー家王都屋敷の中庭。
「ねえねえ、リフィって何族なの?」
「フィーは知らない」
「女は謎が多いほうがモテるのよ」
とぼけて見せるリフィ。
フィーはリフィのことを父から聞いて小神族と思い込んでいたが違っていた。
それよりも思っていたよりはるかに若いことに驚いていた。
「失礼ですが、魔法や法術と違う力をお持ちなんですね?」
「そうねぇ。ちょっと違うかな」
コッカの問いに否定はしなかった。
彼女の力は魔法や法術とは異なっているのは事実だった。
「そこのきれいなメイドさん。さっきから怖いんだけど」
「失礼いたしました。お客様」
「睨まないでくれるかな?」
「・・・」
「あーん、キャサリアー、あのメイドさん睨んでるー」
「マリア・・・」
初めて見る殺気の籠った視線だった。
見惚れた自分や警戒しているマリアの態度から、リフィはただものではない。
「キャサリア、お嬢さんがおひとり増えたみたいだね。美しい方だ」
「あなた、失礼は許しませんよ」
「旦那様、くれぐれも・・・」
「あ、ああ。わかった」
「ヘインリー侯爵、奥様、お目にかかれて光栄ですわ」
リフィの微笑みには得体のしれない力があった。
「旦那様!」
侯爵の後ろから鋭く叫んだマリア。
次の瞬間に侯爵を護るように前に飛び出していた。
マリアが躊躇なく繰り出したスチレットは、リフィの喉元を捉えていた。
刺突武器の先端が女の喉に何回も突き立てられていくように見えた。
マリアは突くのを止めない。
その不思議な光景にその場にいる誰もが呆然と見ていた。
やがて、マリアの表情に恐怖が滲み出す。
「怒らないから、もう止めてね。かわいいメイドさん」
いかがでしたか?
リフィが自称妻たちと遭遇です。
マリアの反応が異常でした。
そのわけは、おいおい書いていこうと思います。
次話をお待ちください。




