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酒場にて、ささやかな悪戯

ここまでお読みいただいてありがとうございます。


ユニークアクセスが2000突破

ありがとうございます。初めての書き物にお付き合いいただいて感謝しかございません。


ではでは~


「女湯で変な会話してないだろうな。しかし、人外で複数って」


タコーは、キャサリアとフィーの扱いをどうするか考えた。


キャサリアは、今後、同道を希望したが、現実的に無理だろうと予測した。

王国貴族であり、近衛騎兵という立場で、任務以外で国外に出国できるわけがない。

このまま、間違いを犯さなければ、逃げ切れるだろう。幸いココモ達の協力が得られる。


問題はフィーの方だった。

寿命の話で逃れることができるかもしれないが、そもそも連れて行けと統領が送り出している。

フィー本人が帰る気にならないといけない。

しかし、心酔していると本人を目の前に口にして憚らない状況では、少々のことでは離れないだろう。

ココモかコッカ、あるいはキャサリアあたりと仲が良くなってくれればと気楽に引き受けたのと思惑を大きく外れてしまった。

「リフィのやつ、盛った話をしたんだろうな」

独り言を言いながら、お湯に沈んでいくタコーだった。


 = = = = =


(こうしてても状況は変わらんしな。飯を食いに行くか)

「おーい、そろそろ上がろうか」



身体を拭いて服を着ようとしたとき、フィーがスタスタとやってきた。

(しまった。服はこっちに置いたままか!)


タコーは、見ないように後ろ向く。

フィーの気配が消える様子がない。

むしろ、女の匂いがしてくるような気がし始めた。


「フィー、何をしている?」

「水気を拭っている」

「こっちは男湯だから、出ていった方がいい。ほかの男がいつ来るかわからんしな」

「心配してくれて、嬉しい」


「そりゃ、閣下からお預かりした大事な人材だからな」

「わたしは、そんな大それた者ではない。ただの娘」

「いや、閣下自らの頼み事だからな、そんなことはないだろう」

「閣下自らだからこそ、ただの娘」

「いやいや、そんな謙遜は俺の前で必要ないぞ。国を左右するほどの逸材なんだろ?」

「ただの【娘】」

「今、嫌な言葉を聞いた気がするが」

「わたしが娘だとおかしい?」

「すまん、聞き方を変えよう。君の父親はどちらさん?」

「タコー様が何を知りたいのか、わからない。父が統領以外にいるとでもお思いか?」


タコーはがっくりと膝をつき、両手をついた。

「そう来たか」


 = = = = =


タコーは、間違いがあってはいけないとフィーに服を持たせて、女湯へ押し込んだ。

「準備ができたら、飯いくぞー。キャサリアー、どっか酒が美味いところを連れていけー」

(飲まずには、やっとれんわ)


 = = = = =


浴場を出て、通りを歩く。

夜風が心地いい。


「ここは治安がいいんだな」

「はい。軍が時々駐留しますので、憲兵隊の詰め所があります」

「軍費で治安を維持しているってことか」


「けど、軍がいない時まで憲兵隊がいるというのは、おかしくないか?」

「王都からの物資輸送など、他国でしたら商隊が行う業務を軍が請け負っておりますので、少人数づつですが、ほぼ毎日出入りがあります」

「商隊の護衛を軍が請け負えばいいのじゃないか?」

「詳しくは知りませんが、戦が無ければ、余剰人員を遊ばせることになるとか」

「なかなかアイハイロードも大変だな」

「はい、収入の確保は死活問題です」


 = = = = =


キャサリアに連れられ酒場へやってきた。


国境に一番近い町なので、亜人も多く目立たなかったはずだった。

が、タコー達は、いきなりガラの悪い冒険者風の男たちに絡まれた。

種族がどうであれ、彼女らは4人ともひとりでいても目立つほど魅力的だったのだ。


「ねえちゃん達、こっちが開いてるぜ」

「そんな冴えねえヤツより楽しませてやるからよう」

「「「「ギャハハハハ」」」」


「主様、申し訳ありません」

「キャサリアが謝ることじゃない。気にするな」


「タコー様、店を変えましょう」

「いや、あいつらに見せつけてやろうと思うんだが」

機嫌が悪くなったコッカに悪そうに微笑むタコー。



『アニキ、悪そうな顔ー。じゃあ、ボクが膝に座ろうっと』

『う!ぬー。悔しいけどわたしたちには、できないわね』

『四脚で悔しいのは、久々です』

『タコー様、わたしもお膝』

『フィー、ふたり同時は止めてくれ』

ヒソヒソと企みを進める5人


「どうしたよぉ。びびっちまったかぁ」

「「「「ギャハハハハ」」」」


『アニキ、アイツの頭、剥がしてきていい?』

『飯前は、止めてくれ』

タコーの中では、食後は構わないらしい。

『さあ、できるだけ愛想を振りまいてくれ、何なら同席してきてもいいぃぃぃ痛い痛い!』

ココモとコッカがタコーの腕を抓っていた。

『タコー様、気持ちの悪いこと言わないで』

『ボクもだよ。アイツら臭そうだし』


『すまん、悪かった。じゃあ、奥の席まで行こうか、ククク』

そういうと彼女たちを先に歩かせ、自分はその後ろから、ついていった。

タコーの企み通り、周りを見回し手を振り愛想の良い娘たちに冒険者たちは鼻の下を伸ばした。

タコーには、蔑むようにちゃちゃを入れてくる。


「どうした、どうした?色男さんよぉ。俺たちが替わってやるぜ」

「どうせ、小間使いかなんかだろうよ?」

「ねえちゃん達、男ってやつを教えてやるぜ」


ココモは笑顔が引きつり、血管が浮き上がってきていた。

『ココモ耐えろ。後で好きなだけ甘えていいから』

『アニキ、約束だからね』

『『『わたしたちも』』』

『さあ、仕上げだ、座ろうか』

いかがでしたか?


フィーの素性もわかり、少々イラついての悪戯でした。

この流れで変な盛り上がりになると失敗することがよくあります。


次話をお待ちください。

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