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王都まであとわずか その2

次話投稿~


ここまでよくぞお読みいただき感謝です。

読んでくださる方々のおかげで意欲が途切れません。

ありがたいことです。


ではでは~



浴場は狭くはないが、広くもなかった。


軍が駐留したときには、時間が割り振られ芋洗い状態になるのだろう。


しかし、今は貸し切り状態だった。

軍事務所の女性事務員が先客だった以外、誰もいなかった。


軍専用ではないが、設備が質素なので、浴場として人気なく、設備も最低限にとどめてあった。

ただ、灰汁が洗剤代わりに自由に使えて、身体を洗うことができた。


タコーは頭を洗い、髪を後ろに流した。

[久々にさっぱりしたなぁ]

思わず日本語が口に出た。


「タコー様、今の言葉?」

聞いたことの無い言語に、フィーが興味を持った。

「ああ、俺の国の言葉だ」

「初めて聞きいた」

「そうだろうな、俺の国は遠いからなぁ」

「懐かしい?」

「ああ、そうだな。まあ、いつ帰れるか判らんが」

「あの、お帰りの時には、わたしも連れていって欲しい」

「それは無理だな。気分的には俺が帰らないほうが簡単だ」


「タコー様、お背中を流します」

「ああ、頼む」

フィーがタコーの後ろにしゃがみ、準備をする。


「うん?ひゃーーー。な、なな、ちょー、おい!」

「タコー様、驚かさないで」

「いやいやいや、なんで素手なんだよ」

「この方が心地よいかと」

「そんな気遣いはいらねー!」

飛び上がって振り向いたタコーは、フィーを見て固まった。


「お、おい。フィー。お前、女?」

「はい。それが何か?」


「!!!----!!!!」

タコーは、声にならない叫びをあげた。

「主様ー、どうかされましたかー?」

「キャ、キャ、キャサリア。お前でいい。ちょっとこっち来い!」

「え、え、そんな。ふたりを差し置いて「いいから、早く来い」ハーイ」


「主様ー、ヒィーーーーー」

後ろから頭をギリギリと掴まれる男湯に連れてこられるキャサリア。

「アニキー!なんで金髪うまなのさ」

「タコー様、なぜキャサリアなのですか!」

「うわ、お前らまで!裸で来るんじゃない!こっちは男湯だぞ。あー、そんなことはどうでもいい。フィーを連れていけ」


「どうして?」

「ココモ、離してー、頭が割れるー」

手を緩めないココモにキャサリアが懇願する。

「タコー様、華奢でかわいい形です」

見逃さないコッカ。


「タコー様、なぜ?わたしはタコー様とご一緒に」

「フィー、お前は女だから、女湯に行けよ」

「「「え゛?」」」

「タコー様のいけず」

フィー以外の驚きを他所に、タコーの言葉に拗ねるフィーだった。


 = = = = =


「あー、びっくりした。そういや、小神族は混浴だって言ってタな」

タコーは、ようやく湯船で寛いでいた。


「ちょっと待て、フィーが女なのに俺に同道させるって?」


《「わたくしもタコー様の振る舞いに心酔した」》


《「タコー殿にそういっていただいて、このアーエルフルの民も喜びましょう」》


《「ですから、その、服は脱いだ方が・・・、脱がせながらがお好み?」》


「おいおいおいおい。同道じゃなくて、嫁がせてるじゃねえか!オーガの一件があっタから、ウヤムヤだっタが・・・。・・・うん?そうだよ、ウヤムヤで流せばいい」

タコーは、このまま追い返せれば、丸く収まると考えた。

フィーは72才とか言ってたわけだから、寿命の差を理由にすれば、切り抜けられるかも。


 = = = = =


「フィー、女の子だったんだ」

「別に隠していたつもりは無かった」

ココモも少し驚いていた。

「そうね、わたしたちが勝手に勘違いしていたものね」

「その、確認しておきたいのですが、フィーは、統領閣下の」

キャサリアは、恐る恐る尋ねた。

「娘」

「ヒィーーーー」

「フィー」

「い、いえ、そういうことではなく」

キャサリアは、予想していたうえで、やはり驚いてしまった。


「じゃあ、エルフの」

「姫になる」

「いいなぁ、お姫様かぁ」

「ココモもお孫様。すごい」

「じぃじ達って、平民だもん」

「身分など些細なこと。タコー様が、それを体現しておられる」

「アーエルフルは、これからも栄えそうね」

「コッカ、ありがとうございます」


「ところで、夜伽について伺いたい」

「うーん、何々?」

「順番は決まっているのか?」

「「ダメ!」」

揃って拒否するココモとコッカ。

「な、なぜ?タコー様は了承した」

「アニキは、フィーが女の子って知らなかったんだもん」

「その通りです。結婚もしていない高貴な身分の娘が男に付いていくものではありません」

「そ、それならば、ココモもコッカも同じ」

「ボクは、アニキのモノだもん」

「タコー様に寄り添うのがわたしの務め。求められれば、どのようなことでもいたします」

「フィーにはその覚悟ないでしょ?無理しなくていいんだよ」

「わたしは、あの方と一緒にいたい!」


「フィー、ともにタコー様に身を捧げましょう」

キャサリアはフィーの両手を包み込み誓いを立てる。

「ヘインリー卿は、職務に忠実でありますように」

フィーは表情を変えず、言い放った。

いかがでしたか?


少しコメディかもしれません。


次話をお待ちください。


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