新しい同道者
お待たせしましたー
え?待っていない。
ですよねー。
仕事が忙しくて、すみません。
ではでは~
「アニキー、アニキー、アニキー、アニキー、アニキー」
ココモは、絶叫とも思える声でタコーを呼び続けた。
「キャサリア。あなたもタコー様の匂いを探しなさい。いいですか?わたしは本気です」
コッカは、キャサリアの首を掴み地面にこすりつけるように抑えつけ八つ当たりをする。
「コッカ!その手をどけなさい。わたしがあの方を先に見つけてみせるわ」
普段と違って、コッカの手を払いのけ睨みかえすキャサリアだった。
冷静さを欠いている。
タコーが、脚を引きずって帰ってきた。
フィーから逃げるため全速で走り出し、せせらぎに差し掛かったところで、苔に足を取られ、豪快にコケた。
洗濯したての服がずぶ濡れだった。
「あー、なんか大事になってるなぁ」
= = = = =
「タコー様、このまま、同道をお許しください」
跪き首部を垂れるフィー。
「フィーだっけ?閣下と約束してるし。オッケー」
「おっけえ?」
「あー。承諾しタってことだ」
「有りがたき幸せ!わたしの追跡を悉くかわすお手並み、タコー様流石」
もともとフィーの同行を承諾していたタコーの返事はあっさりしていた。
「ねー、コッカ。この子、なんか気に入らない」
「ココモ、この場でそんなこと、言ってはダメよ」
「キャサリアはどう思うー?」
「わ、わたしは、その、コッカ様のおっしゃる通りかと」
どことなくぎこちない態度のキャサリアだった。
「あー、さっきアニキのことで本音が出たの、気にしてるでしょう?」
「ひえ、しょんにゃきょとは!」
ココモにズバリ指摘され、狼狽を隠せないキャサリアだった。
「もう、何言ってるか、わかんないよ」
「キャサリア、あなた、わたしと同じ位置に立っているみたいだから、堂々としていいのよ」
「ひゃい、コッカしゃま!」
コッカの冷ややかな対応に狼狽えるキャサリア。上下関係に弱いタイプらしい。
「ところで、荷物とかいいのか?」
「それなら、持ってきてくれますわ」
身一つで逃げ出したタコーの疑問に、すかさずコッカが答えた。
= = = = =
「そうか、残ることにしてくれタか」
「はい、タコー様にお願いをしておきながら、浅はかでございました。申し訳ございません」
「いいよ、気にするな。閣下の気持ちがわかっタんだしな」
「タコー様のご配慮、一生忘れません」
「大げさだよ」
タコー達の旅支度やフィーの荷物もオーガが持ってきてくれた。
タコーと使用人が別れの挨拶ができるように統領が気を利かせるてくれたのだった。
「フィー様」
「うむ、タコー様なら心が動いても仕方がない。統領閣下をよろしく頼む」
「はっ」
オーガは、フィーから言葉を受け取った。
= = = = =
「「「「御達者でー」」」」
フィーの加わったタコー達を見送る小神族達とオーガ。
「行ってくるー。帰る時には、お土産を持ってくるからねー」
と返すフィー。
(やっぱり、まだ若いんだ。と言ってもエルフだから俺より年上だったりするんだろうな)
リアルエルフを目の前にして、タコーは思った。
「ねえねえ、フィー。荷物はそれだけ?」
「はい、ココモ様」
「ココモでいいよ。一緒に旅するんだし、フィーの方が身分高いしさ」
「いえ、そのような。お二方のお孫様。統領閣下から叱られる」
「えー、なんか水臭いよー」
人懐っこいココモにまだ距離のあるフィー。
「フィーさん、タコー様が堅苦しいのお嫌いですから」
「え?コッカ様は、【タコー様】とお呼び」
「わたしのは、タコー様への仕返しですから」
「はあ?」
いきさつを知らないフィーは、要領を得ない。
「フィー様、コッカ様のおっしゃる通りです」
「あのー、キャサリア殿も言動が一致していない」
「わたしは、まだアイハイロードの近衛騎兵であります。タコー様は命の恩人、何もおかしくはありません」
「ですが、コッカ様を呼び捨てに「わー、わー。しょ、しょ、しょんにゃ、きょとにゃ」」
フィーの指摘で蒸し返されると困惑を隠せないキャサリアだった。
「おー、若い者同士、さっそく仲良くやってるな」
「アニキったらー、ボクはアニキのモノだからね」
「あら、ことあるごとに【もぐ】と脅迫するモノって怖いわね」
「うまー!いつでも勝負するぞー」
いつもやり取りが始まる。
「あのー、タコー様。命を救っていただいたお礼がまだなので、今夜にでも受け取ってくださいまし」
「「何抜け駆けしてるの!!」」
抜け目のないキャサリアをふたりは見逃さなかった。
(はぁー。上手くやっていけるかな?)
ため息を漏らすフィーだった。
(あー、やかましい。いや、姦しいになるか)
= = = = =
アーエルフルの領地を出る前に日が落ちそうだったので、野宿のすることになった。
「フィー、野宿って始めてか?」
「あー、その、何というか」
「そうか。まあ、まだお前さんの庭先みたいなもんだしな。旅についてくるなら、見て覚えろ」
「え?見るのですか?」
「?、いや、精神同調でも構わんけど」
「ひぃ!さすがにまだそこまでは!その、期待と不安が入り混じっています」
タコーは、旅慣れしていなさそうなフィーを気遣う。
不慣れのためかフィーは、落ち着きがなかった。
「いや、最低でも自分のことは自分でしないとこの先は無理だぞ」
「あ、え、いえ、それは、自分でということ?」
「当たり前だろ。誰かが世話をしてくれると思ってたのか?」
「は、いえ、そ、そんなことは」
「タコー様、不慣れなことに不安を感じるのは当たり前です」
コッカが助け舟を出してきた。
「あー、そうだな。じゃあ、コッカ、暫く面倒見てくれるか?」
「え゛!あ、あの、わたしはタコー様とご一緒が」
「なんだよ、コッカじゃ不満なのか?」
タコーはフィーがコッカに対して躊躇しているように感じた。
「・・・タコー様のご意向、その・・・」
「タコー様、なんでしたら、ココモの方がよろしいかと思います」
「コラー、うまー、今、邪なこと考えただろー?」
「おほほほ、四脚よりは二脚同士の方がお似合いと思っただけよー」
「むきー!!」
ギャロップようなステップでせせら笑るコッカをココモが怒って追いかけるが、軽やかに躱される。
「おーい、遠くまで行くなら、食材採ってこいよー」
いかがでしたか?
お読みいただいて感謝です。
フィーが合流しました。
次話をお待ちください。




