依頼達成 その1
うおぉーーーー!!
あ、すみません。
ポイントいただきました。ありがとうございます。
お目汚しを読んでいただいているだけで恐縮していたのですが、
とっても嬉しいです。
さて、ココモが気絶している間に話が進みます。
ではでは~
男は、ココモを敷布にそっと寝かせ観察する。
すやすやと規則正しい寝息を確認してホッとした。
元気な<自分>に気が行ったが、そろそろ撤収することにした。
洞窟の中を見まわし、ほかの子女たちを探す。
灯りが作る影の中に寄り添って息をひそめる数人を認めた。
男は目が合ったのでそちらに歩み寄ろうとした瞬間、「ヒッ!」と声を挙げて怯えた。
男ははたと気が付いた。
<自分>が元気な状態で全裸で歩み寄ろうとしては、今までオークの餌食になっていた彼女らにとっては、恐怖の対象でしかない。
「ああー、彼女とは合意してタんだよ。途中で気絶しちゃっタから、ボクの方はこんなんだけどもうああいうことはしないんで、心配しないでほしいんだけど」
「・・・」
「・・・そうだ、みんな服を探そうか。ボクの服は入り口のほうに置いてきたから、取りに行ってくるからね」
「・・・」
「じゃあ、準備して」
男は、がっくりと肩を落としトボトボと歩き始めた。
刹那、外からガラの悪い言葉で交わされる会話が聞こえてきた。
「あーあ、商隊とかぜんぜん寄りつかねえじゃねえか」
「周りの村襲って、ごっそりいただいてりゃぁ、まわり道もされるだろうよ」
「へへへ、いろいろ攫ってきてんだし、しゃあねえよな」
「早く帰って女抱きてぇよ」
「ちがいねぇ、こんな山ん中じゃそれくらいしか楽しめねえよ」
男は自分の服を抱えて、洞窟の奥に引き返した。
(どうする?まだ居たんだ。さっきは油断をついて奇襲できたが、今度はそうはいかない)
(灯りを全部消してやり過ごすか?いや、警戒されたら入ってこない。松明でも使われたら、どうしようもない)
(ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ、そうとうヤバイ)
考えがまとまらないうちに洞窟の入り口に気配を感じる。
山賊の残りが洞窟に入ってきた。
「おい、なんか臭くねえか?」
「臭いのはもともとだろ」
「お頭たちが一日中してんだからよぉ、ヒヒヒ」
「待て、こりゃぁ、血の匂いだ」
「おかしらー、今もどりましたー、手ぶらでさぁ」
「・・・」
「おかしいぞ、おまえら気を付けろ!」
オーク達は武器を構えて慎重に奥に進み始めた。
近づいてくるじゃりじゃりと複数の踏みしめる音。
男は自分の鼓動がうるさく邪魔だった。
音がならないように剣を低く構えて、ささやかな生き残る機会を最大限生かそうと覚悟を決めた。
1人目の姿が見えた。
男は結果は考えないようにオークの頭を全力で貫いた。
ぐらつく死骸に脚を立て、剣を目いっぱい引き抜いた。
バランスを崩し尻もちをついた。
(ヤバイ、死んじまう)
「この奥だぁー!!、全員突撃ー!」
「「「「おおおぉぉぉ!!!」」」」
狭い洞窟の通路で山賊と正体不明の集団の戦闘が始まった。
正体不明の集団は槍で武装していたため、瞬く間に決着がついた。
戦意を失った山賊が二人かろうじて生き残った。
「良し、内部を探索する!」
ガチャガチャと鎧を鳴らしながら、数人が洞窟の奥に入ってきた。
「頭を突かれた死骸があります」
「魔獣の類か?」
「剣による刺突!」
「仲間割れか?いや、冒険者か」
「奥の部屋にオークの死骸」
「子供たちを探そう。注意しろ、まだ下手人が潜んでいるかもしれん」
武装集団が洞窟の奥に入ってきた。
「男」やばいですね。
まだ全裸のままです。
もう変態ですね。
実は彼、そんなに強くありません。
その分、奇襲で何とか凌いできましたが、正攻法だと危険が危ないくらいやばいです。