曲事で敷かれた道を進み始める
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
感謝します。
タコーは、アイハイロード王国での裁判に出廷します。
道中は意外と長くなりそうですが、お付き合いください。
ではでは~
ひとりの被告人がアイハイロードに連行される朝が来た。
護送任務に就いたのは、キャサリア。
被告人の証人として、ココモとコッカが同行する。
ココモとコッカがタコーの情婦であり、嘘の証言をすると王女が書状に記していたのは、関係者は知っていた。
ココモの身元は、とある人物の血縁者であり、ビリオネリラント大公が保証することで押し通した。
コッカの身元は、キャサリア・ヘインリー子爵が保証した。
タコーは異邦人であり、通常ならビリオネリラント大公国は関与しないが、人質救出、山賊、盗賊の壊滅の貢献を認め、公国民と同等に扱うとして、正式にアイハイロード王国へ申し入れ書が作成され、キャサリアに渡された。
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「ジャルーンさん、宿代ありがとうございました。ちゃまちゃま達には、態度を気を付けるようにきつく言っておきますから」
「ココモ殿、小官のことは、あまりお二人にお話しくださらないほうが助かるのですが」
弄られ隊長は、ココモの提案が逆効果になることを恐れた。
「えー、そうですか?今回も助かりましたしぃ」
「いえ、本件は、お三方の働きによるもの。むしろ、恐縮いたします」
「ココモ、それくらいにしておいて差し上げろ。俺の裁判で何もできないことを悔やんでいるんだから」
「かたじけない」
「まあ、ココモを狙ってるのに、このありさまじゃ、面目が立タないもんな」
「小官はココモ殿を狙ってはいない、下衆な勘繰りはするな!」
「お、【ココモなんぞ対象外】なのかぁ?」
「ば、失礼なことをいうな!ココモ殿はそんな」
「そんな【下衆にふさわしい女に興味はない】と言いタいわけだ」
「貴様ぁー!ココモ殿を侮辱するのもいい加減にしろ。アイハイロードに行かずとも小官がこの場で成敗してくれる!おごぉ」
直したばかりの鎧がまた凹こんだ。
性分がなかなか変わらないジャルーンだった。
「ジャルーンさん、はっきり言っておくけど、アニキに何かしようとしたら、今度は頭を剥がすからね」
にっこりと微笑むココモ。
「隊長は、学習することを覚えタ方がいいぞ」
「タコー様はお人が悪いと思います」
「ああ、俺は最低だから、何かあっタ時は逃げてくれな」
「最低の方がおっしゃることには従いませんわ。フフフ」
「あー、ボクが目を離すとすぐに引っ付くー。ダメだからね。仲間はずれはダメだからね!」
タコーとコッカに割って入るココモ。
仲間外れは嫌だった。
「あのー、コッカ様そろそろ出立したいのですが」
「コッカ、そうでなくて、ヘインリー卿?」
「は、はい。コッカ、さん」
「キャサリア。あなたとわたしは、同じケンタウロスで、あなたは貴族だから、気にしなくていいのよ」
「ですが」
「わたし、意外と気が短いのよ」
「ハヒィ!」
「コッカ、そろそろいいか?」
「はい、お待たせしました」
逆にしびれを切らしたのはタコーの方だった。
「じゃあ、ヘインリー様、お役目お願いいタします。」
タコーはキャサリアに出立を促した。
「あ、うむ」
キャサリアの応えにコッカは。少し不愉快になった。
「タコー様、キャサリアでよろしいかと思いますが?」
「いや、ヘインリー様は、お役目で俺の護送をするのだから、なれ合いはダメだろ?」
「そうですか?じゃあ、わたしもそのようにいたしましょう」
「ボクもボクも。では、ヘインリー様、参りましょう」
名前を呼ぶように促したコッカが態度を変えて、ココモのそれに乗ってきた。
「ヒィーーー。ご勘弁ください。あのタコー殿、いえ、タコー様。キャサリアとお呼びください。お願いいたします、この通り」
タコーはその時、ケンタウロスの土下座を初めて見た。
(土下座ってこっちにもあるのか?)
「ああ、じゃあ、キャサリアさん、俺のことは好きに呼んでくれ。美人さんに何と呼ばれても悪い気はしないからな、アハハ、がはぁ!」
タコーはハーフオークとケンタウロスの4つの手で首を絞められて落ちた。
結局、気絶したタコーを介抱し、一行が出立したのは、食後の午後になった。
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「あー、首、痛ってー。あんまり無茶するなよ。俺は簡単に死ぬぞ」
「ふん、別の馬を口説くからだよ」
「タコー様、軽薄な行為は、わたしとて容赦しませんから」
街道に出て大公都の城壁が一望できるほど離れたところで、首をさすりながら歩くタコーにココモとコッカが不満を漏らす。
「いつ、そんなことをしタよ?」
「「美人って言った!」」
「えー、それかー?いや、普通だろ。社交辞令の範疇だし」
「「ダメです」」
「心が狭いのは、いくら見た目が綺麗でも、良くないぞ」
「「・・・」」
「?」
「「もう・・・」」
「どうした?反省しタか」
「べ、別に反省なんかしないよ。浮気するアニキが悪いんだから」
「そ、そうです。褒めて、ごまかしても騙されませんからね」
反論の割に、己を抱きしめにやけるのを隠せないふたり。
その一部始終を少し後ろから眺めるキャサリアは思った。
(この男、本当に人族なのか?コッカ様と言い、あのお二方のお孫様と言い、ここまで篭絡できるものなのか?実は、魔性ではあるまいか?わたしは正気が保てるのだろうか?)
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タコー達の後ろから、着かず離れず追う者の姿があった。
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「キャサリア、一つ聞いておきタいことがある」
「なんだ?」
「答えられる範囲でいい。お前の任務は、俺の身柄をアイハイロードに届けることか?俺の命か?」
「・・・どういう意味だ?」
「鈍感な俺でも、わかることはあるんだが?」
「すまぬ、わたしの聞き及ばぬことだとしか答えられない」
「そうか」
「タコー様、キャサリアを」
「そうだよ、アニキ」
「おいおい、物騒なことを言うな。キャサリアは関係ないさ」
「「えー、甘ーーーーい」」
キャサリア、立場的に狩られそうですw
関係は、これから徐々に変化していきます。
ドタバタを含めて書いていこうと思います。
次話をお待ちください。




