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ココモの村 その2

村では宴が始まります。


お婆さま方ですが、40代です。

男が35前後、ココモが16歳。ココモ母33歳。


爛れた関係にはなりません、悪しからず。


PV数が確実に増えて励みになります。本当にありがとうございます。

ちょっと前に18禁番外編書きましたので、大人の方はお読みください。


ここまでお読みいただいて、誠にありがとうございます。

「ハイ、とーちゃーく」

「ほー、きれいだな」

「ボクのお気に入りの場所なんだよ」


森の中に池があり、日が射し込んで水面の反射が木々を照らしていた。

池のほとりには、野花が咲き色彩豊かな景色があった。


「いいところだな」

「うん、いいでしょう」

「腹減っタな」

「朝ごはんさっき食べたじゃない、ぶー」


男は、頬を膨らませ不満顔のココモを見て、助けることができてよかったと思った。

また、してしまったことが彼女の傷なのだと思うと苦しくもなった。


ココモは思い出話を男に聞かせて、男はそれを穏やかな表情で静かに聞いていた。

ひとしきり話し終えたココモは、男の隣にチョコンと座り、耳を澄ませ、しばらく森の音を聞いていた。


池の中で、魚が跳ねて、水音が鳴った。

「さあ、ちゃまちゃまの獲ってきたイノシシを食べよう」

「ちゃまちゃまって?」

「おばあ様が二人の時の呼び方、変?」

「いや、ぴっタりだな」

「でしょう?気に入ってるんだよ、みんな」


 = = = = =


ココモと男が森から帰ってくると宴は準備が整い、村長の挨拶が終わったところだった。


「アニキっ、あそこに行こうよ」

ちゃまちゃまの隣を指さしてココモが言った。

「いやいやいやいや、さすがに今は無理」

「えー、もう大丈夫だよ。ごちそうも近いよ」

「俺は他所者で国も違う人間だから」

「でも、ボクの恩人だし・・・、その・・・、ごにょごにょ」

途中から耳まで真っ赤にしたココモが俯いた。


「あの木の下が居心地よさそうだ、食い物と酒が有ったら恵んでくれ」

そういって、ココモの頭を撫でた後、木陰に歩いて行った。


ココモは張り切って料理を見繕って皿に盛り、酒瓶を一本持って、速足で男のもとに駆け付け、寄り添うように腰を下ろした。

酒用の器を男に渡し、酒を器に注いだ。


ココモは、獲物を狙う狩人のような二人のオーク(女)の視線には気づかなかった。


 = = = = =


「「うおーい、飲んでるかぁ」」

酒瓶をラッパ飲みしながら、二人のオーク(女)がココモ達のところにやってきた。

「ちゃまちゃま」

「ココモは、いい子だ。かわいいし、気立てもいい。料理もうまいし、強いぞ」

「家族思いで度胸もある。胸も大きいし尻もでかい。腰はくびれて最近は色っぽいぞ」

「もう、変なこと言わないでよぉ/////////」

「「お兄さん、ココモを頼まれてくれ」」

「ちょっ、ちゃまちゃま、何言ってんの!!もう酔っぱらってしかたないなぁ!!」

にやける顔を隠し切れず俯くココモ。

そして、惚けた顔を見られないように男に視線だけを向ける。

祖母二人が彼のことを認めてくれた。

その言葉が嬉しかった。

山賊退治をしたのは彼なのだ。

歓迎され感謝されるのは彼のはずだとココモは叫びたかった。


討伐隊の取り調べで彼が自分と関係を持ったことは知られてしまった。

彼が折れかかった自分の心を助けるためにしてくれたこと。

討伐隊は囚われていた子女たちにも住んでいるところしか聞かなかった。

何があったのかを判っているのは、疑う余地はない。


「アニキは、ボクのために黙っていてくれてるんだね?」

「さあ、何の話かな?」

「アニキ・・・」

「「ぅおーらぁー、お兄ーーさーん、ココモをもらってくれよぉ」」

「見れば見るほど主人に雰囲気が似てるわぁ」

「眼光はウチのひとそっくりだよぉ」

「ちゃまちゃま、うるさい」

「「ココモちゃん、ひどーい」」


男は手酌で器に酒を注ぎ、祖母孫漫才を眺めながら、ちびちび飲むことにした。


 = = = = =


ジャルーンの周りに大人に混じり女子供が集まっている。

中央の有名人を間近で見ようとひしめいている。


「さあさあ、じゃんじゃん飲んでくれ」

「山賊は手ごわかったか?」

「こっちのは、新鮮だ、さあ、焼き立ても食ってくれ」

「ウチの娘を嫁にどうだ?」

「お前んとこ、まだ7才だろー」



「「ジャル坊ー、久々に手合わせしようやぁ」」

孫のところから戻った二人の祖母。

頭をさすりながらやってきた。

孫のココモを男にアピールしていたところで

「孫の恩人に失礼なことしないでくださいな、おかぁさま!」びしっしっ

実の娘、あるいは息子嫁から強烈な手刀を見舞われた。

小さい時から仕込まれたおかげで、女としては中央で勇名で知られていたココモの母。

まだまだ錆びついていないかったようだ。


「「「「おおー、ぜひお願いします!!」」」」

囲む村人たちから、どよめきが上がった。

ここは戦場で活躍した戦士たちが、引退して開拓して作った村だった。

現役の剣撃を見物できるとなると自然に盛り上がる。


ココモが山賊にとらえられたのは、人質に取られた子供の身代わりになったから。

男衆が仕事に出払って、手薄になったところを襲われたから起きた不幸な事故。

そうでなければ山賊は返り討ちにあっていただろう。


そうこうしているうちにジャルーンとちゃまちゃまの模範試合(?)が始まった。

いかがでした。

ココモ編も大詰め。


祖母が恩人の力量を認めてくれて一安心というところでしょうか?


次話は近日中に投稿します。

お待ちいただけると幸いです。

ありがとうございます。

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