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四話 戦いのゴングが鳴ったわね!!

「ぞんな…おどうしゃまぁ…わ~ん…」


(あらあら、泣いちゃった…。まぁざまぁみろだけど。)






あたしの名はデュランダ。名字は無いわ。だってさっきあの我が儘お嬢様の云う通り孤児だもの。


だからってそれが何か?って程度だけどね。


親の顔とか覚えてるけどい思い出がないもの。勿論もちろん前世でもね。


ねぇ聞いてくれる?私の前世の話。


家族は父と母、後姉が居たのよ。あたしの姉は平凡な容姿だったけど自分は女顔で小さい頃は母から姉のお下がりのワンピとか着て写真とか撮らされたわ。


お蔭で幼稚園に入る迄自分は女の子だとばかり思ってたのよ。てもある時プールが有ってあたしと同じものが男の子の股に付いていてショックを受けたわ。だって女の子の友達には付いて無かったんだもの。でもお友達は女の子ばかり。


流石に父がのままでは不味いと思ったのか近所の合気道の道術へ無理矢理入れられたけど。其処そこででやっと男の子のお友達も出来たわ。そのままあたしも成長していったの。


成長するに連れて女の子に告白されたりして何人かと付き合ったりしたのだけど心の中では道場で出逢ってから仲良くなった幼馴染みの男の子が気になっていたわ。


その子はあたしと違う系の結構イケメンで何時もつるんでいた仲だけど。彼にとうとう彼女が出来たと告白された時にとてもショックで。


(あぁ僕は彼の事が好きだったんだ…)


とやっと自覚したの。その後私あたしは高校の卒業の機に一代決心して家族に。


『僕は心は女で男の子が好きなんだ』


そして今迄何度か原宿とかへ女装して出掛けていた事もカミングアウトして、あたしは卒業後働きながらお金を貯めて体も女になりたいと訴えたの。勿論家族は大反対。特に父の怒りが酷くて。


『勘当だ!!』


と言われとうとう家も追い出されたわ。でも幼馴染みの彼はびっくりはしたけど。


『俺はお前が例え女になっても友達に変わらない』


と言われた時は思わず泣いてしまったわ…。


其から何年か新宿のニューハーフのお店で働きながら少しずつ女性ホルモン治療やら整形をしていきどんどん見た目も本物の女性に間違えられるまで変わったのよ。


そして後は最後の股に付いている物を取るだけになった時に彼から彼女の浮気が原因で別れたと聞いたの。あたしこの時。


『やっぱり彼はあたしの運命の人だわ』


と確信し手術が終わり戸籍も完全に女になった時に告白する決心をしたの。


なのにぃ~!!


手術後気が付いたらあたしは赤ちゃんになっていた!!


『どう云う事ぉ~!?』


と最初はパニクって泣いてばかりいたわ、まぁ赤ちゃんなのでいくら泣いても、


「おぎゃ~おぎゃ~」


だったけど…。


しかも現世の親が最低。


歩ける様になるにつれ母は元々ある貴族の召し使いだったと云う事が分かったのだけど旦那様の御手付きになって子供を産んだの。


勿論奥様は大変お怒りになり赤ちゃんは取り上げられ旦那様は母にお金を持たせ。


『必ず後で迎えに行く』


と言われたらしいわ。あたしが思うに厄介払いの手切れ金じゃない。


当然その後いくら待てども旦那様は迎えに来ない。寂しい思いをしている時にお金目当てに近づいて来たのがあたしの父親。


最初は優しく接していたが赤ん坊が生まれた途端手のひらを返した様に母やあたしに暴力を振るい、金の無心をし、毎日酒や馴染なじみの娼婦の元に通うようになり、金が無くなると家を出て行ったの。


母は泣きながら私にその怒りの矛先を向けたわ。そして私が4才位の時にとうとう町に居られなくなり町から町へあたしを連れて転々とするようになったの。


まぁ最終的にはあたしを置いて居なくなったからこの町の孤児院へ引き取られたのだけれど。


でも子供って敏感よね。


中身が大人なもんだからどうしても違和感が出てしまって嫌悪けんおされてたわ。


だから何時も一人ぼっち。


でもある時何時も院へ寄付をしながら月に一回訪問して来る貴族の夫人が初めて自身の子を連れて来たのよ。


最初は遠巻きに見ているだけだったわ。


その子はネモフィラ様と云う名で私よりも幼いのにとても聡明な子だった。子供達に新しい遊び方を教えたりしてたけどある時屋敷で使って余ったと云って色々な布とデザイン画をいっばい持って来て。


これで皆で手作りのクッションやベットカバーを作りましょう』


と言い糸でデザイン画の通りに布を繋ぎ始めたの。他の子も教えられながら作り始めたのをあたしが気になって近づき覗いてみたら、(あれっ?)


『これってパッチワークじゃない…』


と思わず呟いてしまったのね。


そしたら彼女は今迄話かけもしなかったあたしが初めて話したのに驚いた顔を一瞬したのだけれど直ぐ微笑んで。


『貴女も一緒にやらない?』


と誘ったくれたの。あたし前世で手芸とかしてたから懐かしくて。


『うん』


て思わず頷いてしまったわ。


そして一緒にパッチワークを作り始めたのだけどぜんせの感覚が戻って来てどんどんオリジナルで凝った物を作り始めたら周りの子達が感心して来て。


『デュランダちゃんすごく上手ね?!』


『どうしたらそんなに可愛い物が作れるの?』


と話し掛ける様になってきたのよ。その後いつの間にか皆と普通に話す様になったのだけど。そんなある時ネモフィラ様から。


『真面目に私の質問に答えてもらえる?貴女は転生者ではなくて?』


あたしはその時内心混乱しつつ警戒顔で。


『いいえ。違います。ネモフィラ様の言っている意味が分かりません。』


と、素っと惚けたのだけれど。


『この世界にはね布の切れはしなんて通常そのまま捨てられるか貧しい所ではぎにしか使われないのよ。だからパッチワークという言葉も当然無いわ。だけどね。わたくしの生まれる前の世界では普通に趣味として有ったのよ。そして貴女は知っていた。』


あたしは今度こそ驚いたわ。


『もしかしてネモフィラ様は前世の記憶が有るのですか?』


『そうよ。貴女と同じくね。前世のわたくしは地球と云う星の日本人だっわ』


あたしと同じ日本人!?』


『あらっ?貴女も同じ国の出身だったのね。尚更なおさら嬉しいわ』


それを切っ掛けにあたしの仲は急激に縮まり身分なんて関係なく親友と呼べる仲になっていったの。


そして彼女が5才の誕生日を迎えて暫くした頃、彼女が興奮した顔で院にやって来たの。しかも第一声が。


『大変よ!!ここ乙ゲーの世界だわ!!』


『はっ?』


と意味が分からず聞き返してしまったのは仕方がないでしょう?


彼女曰く、この世界は前世で娘がプレイしていた乙女ゲームの世界だとか。そして将来自分が従姉のとばっちりで学園を追われてしまうと。しかし自身はゲームの内容はあまり覚えてないとか(←本来ここは重要な所でしょ!!)。でも追放ルートを回避する為に従姉を今から調教するとか。で、あたしにも手伝って欲しいと。


あたしも面白そうだったのて気軽に。


『良いわよ』


と付き合うことにしたの。だってネモフィラ様の提案で自分を専属の侍女として雇ってくれると言われたんだもの。正直このまま将来孤児院を出た後何をするか分からなかったのよね。でも彼女と一緒なら楽しそうじゃない?彼女ってあたしより年下なのに何と無く《母》て感じで凄く安心できるのよ。


その後同じ転生者と思われる子が居ると云う事で彼女が交渉に行き最終的にはその子も仲間になりネモフィラ様に雇われる事になったのだけど。





屋敷に移ってからはとっても忙しかったわ。最初は孤児院出身とかネモフィラ様の専属侍女候補と云うのが気に入らないらしく色々な嫌がらせをされたけど暴力とか振るわれないから全然楽。黙々と仕事をこなしていったのだけどあたしの仕事ぶりに侍女長も認めてくださり最後には誰も文句を言わなくなったわ。それ処か今迄の嫌がらせに対して謝ってくれて今では反対に良くしてもらっているわ。仲間になったカルミアの方も特に嫌がらせとか無く順調に対人関係を築いていっている模様。まぁ彼は中身もまだお子ちゃまだから。


そしてとうとうやって来ました。公爵令嬢アマリリス様との対面の日。


「ふっふっふっ…。デュラン、カル、いざ出陣よ。気合いを入れて行くわよ」


「大袈裟ね」


呆れてその時はそう返したのだけど、今目の前に居る令嬢を眺めつつ。


(クソ令嬢だわ。この子。あっ!カップを掴んだわ。ちゃっちゃと避難しなきゃ)


そうして彼女の調教が始まったのであった。






でも将来冒険者になると云うのは勘弁して欲しいわ。お肌が荒れちゃうから…



















デュランダ 現在7才。前世では享年25才。合気道は嫌々習っていた割には想い人と少しでも一緒に居たいと云うだけで通いつめた為気が付いたら5段迄いってしまった。去勢手術中医者の手違いで死亡。因みに趣味は手芸。

デュランダの花言葉は「あなたを見守る」「歓迎」


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