二話 その時兄は!?
バターン!
「「「ネモ!!」」」
僕の名前はハマメリス・マークィス・モーナン。モーナン家の長男で9才にして魔力も大きく将来父が勤めている魔法団長を目指し家庭教師から色々な教育を受けています。そんな僕だけど今はお勉強の時間をサボって今は急ぎ妹のネモフィラの部屋へ向かっている最中。と云うのもネモは一ヶ月前家族で訪れた母の実家のコーザ公爵家で従姉であるアマリリス穣と顔を会わせた直後に倒れ。
『あなた、ネモの顔が熱いわ!!』
『父上早く医者を!!』
『馬車の用意を!!公!大変申し訳ありませんが緊急事態の為本日は此れにて失礼させて頂きます!』
と家族皆で慌て。
『あ、あぁ令嬢が倒れたのでは仕方がないな…』
『此方で休ませてからではいかがですか?』
と言う公爵夫婦に詫びを入れ急ぎ屋敷に戻ったのだけどあれから意識が暫く無くとても心配したんだ。因みにその際従姉の反応は、
『な、何なのよ!私の顔を見た途端倒れるなんて失礼しちゃうわ』
とネモを気遣う様子は一切無し。そんな彼女の遊び相手としてネモが公爵家に通う事になったと父上達から聞き、心配で彼女の部屋へ向かっているという訳なんだよね。
「ネモ!今居るかい!」
ノックもせずいきなり部屋に入ると彼女は驚きながら、
「メリス兄様!急に部屋に入ってきたりしてビックリしましたわ」
「ごめんよ。でも君がアマリリス穣の所に通うと聞いたから心配で…」
「兄様ったら大袈裟ね」
「大袈裟なものか!君は知らないかもしれないけど、何時も一緒に遊んでいるプラムが最近家に来ないのも関係してるし」
「そういえば最近会ってないわね。何時は私が風邪で寝込んでいた時は普段なら必ずお見舞いにも来てたけど今回は来なかったわ」
「実は彼、3ヶ月ほど前に催されたアマリリス穣の6才の誕生日パーティーで彼女に挨拶しようとした際に彼女のドレスのドレス姿を誉めたのだけど『貴方なんかに誉められてもちっとも嬉しくないわ。デブ』と言って手に持っていたグラスの水を彼に向かってぶちまけたんだよ。彼は暫く呆然としてたけど慌てて駆けつけた両親に連れられて帰って行ったけどよっぽどショックだったみたいでそれ以来部屋に閉じ籠ってしまって…」
「まぁ!水をかけられたと言う子はプラムの事だったの!!彼、繊細な心の持ち主だからすごく傷付いたでしょうね…」
「そうなんだ。僕も付き添ってあげたかったけどアマリリス穣に捕まって付いてあげれなかったし、翌日会いに行ったんだけど結局部屋から出てこなくて会えなかったんだよ。だからネモも嫌な思いをするんじゃないかって心配で…」
「…兄様。心配してくれて有り難う御座います。でも、私は大丈夫ですわ。行くと云っても実は色々な準備が有りまして半年後にしてもらったのです」
「準備?」
「えぇ、ちょっとちょうき…」
「ちょうき?」
「ッゲホゲホ…」
「ネモ!やっぱり体調がまだ良くないんじゃ!!」
「…いえ、大丈夫ですわ。ちょっとむせただけです」
「本当に大丈夫かい?無理してるんじゃ…」
「無理はしてませんわ。私今回彼女の教育も係も兼ねて居るのです。まぁ私の方が年下なのと彼女は我が儘と聞いておりますので対策を立ててから通う予定にしてますが」
「対策したからって一人で行くのはやっぱり心配だよ!ネモが行く時は僕も絶対付いていくよ!」
「まぁ、兄さまったら…。大丈夫ですったら。それに私は一人で行くとは一言も言ってませんわ」
「えっ!?他にも誰かと一緒に?」
「ええ」
と其処へ、
『お嬢様。御二人の仕度が整いましたのでお連れいたしました」
「あらっ、丁度良かったわ。入って良いわよ」
ガチャッ、
「失礼致します」
「「失礼します!」」
侍女にの後に続いて見知らぬ二人の男女の子供が入って来た。
「誰…?」
「メリス兄さま。ご紹介致しますわ。女性の方はデュランダ。7才で、お母様と一緒に付いて廻っていた孤児院の一つに居たのですが、魔力もそこそこ有り、とても頭の回転も良く器用なので今回私侍女になる為引き取りました」
「は、初めまして。ハマメリス様。此れから宜しくお願い致します」
「次に彼ですが、カルミア・ノニヤ。兄さまより一つ年上の10才になりまして魔力は無いのですが武芸の才能とデュランダと同じく頭が良いので私の専属従者として雇いました」
「宜しくお願い致します」
「ノニヤ?王都の大商会の親戚か何か…?」
「次男ですわ。それで話は戻りますが公爵家には一人で無く此方の二人も連れて行き、そうですね…取り敢えずアマリリス様と一緒に教育させる積もりです」
「えっ!?この二人も?彼女の性格からじゃ無理だよ!君達が益々嫌な思いをしてしまうよ!」
「ですから大丈夫ですったら。私も含め彼女に嫌がらせをされたからと言って大人しくやられっぱなしではいない性格ですから」
「やられたら殺り返せだよな」「ね」
「そこの二人!兄さまには意味分からないから!て言うか本来の意味と微妙に違うから!」
「ネ、ネモ?」
「兄さま。少々お待ちくださいませ」
ネモはそう言うと二人を部屋の隅に連れて行き、三人で何かボソボソ話始めた。…何かネモが普段と違う…。僕やプラムと一緒に居る時とは違い生き生きしていて、彼等に気を許しているのが分かる。何か悔しいな…。暫くすると話が纏まったのか彼女は僕の方へ戻ってくると、
「話の途中で失礼致しました。私が公爵家へ赴く迄にデュランダにはマナーと体術を。そちらがマスター次第魔法を学ばせます。カルミア。彼にはマナー。其から兄さまと一緒に剣術を学んでもらいます。此方は慣れてきたら執事の仕事も学んでもらいます」
「え!?たった半年じゃ無理だよ!」
「先程から兄さまは無理だとばかりいっていますが私はそんなに何も出来ない様に見えますか?それに彼等も平民ながら既に字も書けますし計算も出来ます」
「そ、そんなつもりじゃあ…確かに君は先生方からも優秀だと云われているししっかりしているし…それにカルミアは商人の子息なら出来てもおかしくないけど孤児院出身のデュランダが字もや計算も出来ると云うのもビックリだけど…」
「だったら私を信じてくださいな」
「…分かった…」
「それより兄さま。今はそれこそ剣術の勉強の時間では?」
「うっ…そ、それは…」
「シュロ師範が大層お怒りの様ですよ」
「えっ?何で分かったの?」
「兄さまからは見えない位置に居て気が付かなかったと思われますが先ほどデュランダ達が入って来る時に扉の向こうに居りましたの」
バターン
「その通りじゃ~!!ハマメリス様。ワシの授業をサボるとは良い度胸ですな。サボった分稽古は本日は何時もより厳しくさせて頂きますぞ」
「そんなぁ~」
「其ではネモフィラ様失礼致します」
「頑張ってくださいね兄さま」
「ネモォ~」
そして僕は師範に首根っこを捕まれてズルズル引きずられながら部屋から出ていった…。
「うへぇ~…俺も今度からあのじいさんに教わるのか。厳しそうだなぁ~」
「いやぁ~色々楽しみだわ~」
「あっ!私も今度から暗器を習う事を言い忘れたわ」
「「シスコンぽいからまた授業サボって来そうだね」」
ハマメリス・マークィス・モーナン 現在9才。7才から実践的な魔法や剣術を始めたが剣は苦手な模様。普段は物静かなのだが妹が関わると結構話す。シスコンなのでちょっとでもネモに何かあると直ぐに駆けつける。しかし今回の様にその度に授業を抜け出して後で先生方より説教されたりしごかれている。でも懲りない当たり結構図太いかも。
デュランダ&カルミア どちらも転生者。ネモとの出会はその内書きます。
デュランダは前世で享年25才。オカマ。合気道5段
カルミアは前世で享年17才。男。剣道3段
因みに部屋の隅での会話
「ちょっと他人が居る時は前世の話は禁止ですわ。誰が聞いているか分かりませんもの」
「了解ぃ~♥うっふっふっ。」
「キモいぞオカマ…」
ガシッ(デュランダがカルミアの顔面を鷲掴み)
「何か言ったかクソガキ。アァ~ン?」
「ナンデモゴザイマセン…」
「馬鹿ね。デュランは今は歴とした女でしょうが」
「そうよ。今度は偽物でなく本物の女よ。きゃあ~此れからは思う存分男にアタック出来るわ~」
「兄さま以外なら思う存分OKよ。後で聞かせてね?」
「うふふ…。勿論」
「………」
カルミアはいじられキャラ決定