実戦訓練 雫の戦闘
ちょっとばかり駄文な気がする…………。
「はぁ……………」
創司は大きくため息を吐いた。それは昨日の買い物が理由として大きいところだろう。なまじ美少女の雫達との買い物だ。男からの妬みの視線がウザかった。
そして、女物の服屋に入った時、創司は女性達から何で居るんだ?的な視線を貰ったのだ。それはそれは精神的にくる物があった。さらに雫達の服を選ばされたため疲れてしまったのだ。
「元気ないな~創ちゃん。もっと元気に行こうよ!始めての実戦訓練だよ!?」
「何でお前は元気なんだよ。俺は怠くて仕方ない」
今日は二日目だと言うのに初の実戦訓練だ。能力を使った対人戦を想定したものをやるらしい。
創司は怪我とか大丈夫なのか?と思ったのだが、国が抱えている結界系の能力者の中に、結界の中で壊れた物を修復する結界、怪我を精神ダメージに変換する結界を道具の中に込めた物を訓練中、常時発動するらしい。
創司はこの時、なんて無駄遣いだ、と思ったものだ。何故ならその道具は相当高価なのだから。まあ、壊れる事なんて滅多にないんだが………。
「まあまあ、創司君はやる気を出して、訓練に参加しようね?この学校に通っている間は義務なんだから………」
茜が創司と雫の仲裁に入り、訓練に参加するよう促す。
創司はため息を吐きながらも了承し、訓練場に向かうのだった。
「間宮雫!西城茜!次はお前達の番だ!」
担任の重治に呼ばれ、雫と茜はグラウンドの中心へと赴く。
訓練は3ヶ月はグラウンドを使用する。演習場を2年生と3年生が使い、大会に備えるためだ。
何もこういう『幻想保持者』を育成する学校が日本以外に無い訳じゃない。外国から留学してくる人も居るには居るが、大抵は本国の学校に通う。
そして大会で好成績を残し、将来の役に立てていくのだ。
「じゃあ頑張ってくるね!」
「負けないよ雫ちゃん!」
二人は互いに笑い合い、中心へと向かっていく。
「頑張れ~!」
「二人とも頑張ってね!」
美鈴と千鶴が二人に声援を送る。創司は何も言わず只見ているだけだ。
そして二人が向かい合い、構える。
「どちらかが降参、または気絶したら終了だ。本気で行けよ?これは実力を計るためだからな。じゃあ始め!」
重治の合図で二人は一気に距離を取る。創司は茜の能力が何かは知らないが、雫の方は良く知っている。
雫は遠距離攻撃タイプの能力者で、事遠距離に置いてはこの学校でも上位に位置する事間違い無しだ。
茜も距離を取った事から遠距離タイプの能力者なのだろう。
「行くよ!『水龍』」
水の奔流が形を成し、龍を形成していく。
これが雫の『幻想』『ウォーターリベレイション』だ。意味は水の解放だが、能力の本質は水を操る事にある。雫はそれを十全に使いこなしているのだ。
「水の龍………。でも!『山嵐』!」
茜から突風が吹き荒れ、水龍に向かっていく。
ーーー茜の能力は風に類する物なのか…………。
創司は茜の能力を見て、推測する。創司の見ている先では、水の龍が突風の中を突き進もうとしている光景だ。
ここまで水の龍を押さえ込んでいられるのは、茜にとっては有利なステージだからだろう。
雫の能力は水場で本領を発揮する。対して茜は、今の様に風がある場所が本領を発揮するのだろう。
「う~、これならどう!?『リベレイション』!」
「なっ!?」
水の龍が爆散し、風が標的を失う。
そこへ雫は、
「『ウォーター・ロード』」
水をボードの様に操り、波に乗るかのように茜へと突き進んでいく。
「速いっ!?」
茜のイメージが整う前に、雫は茜へと到達した。
「終わりだよ!『濁流』」
雫が手をかざしたところから、水の奔流が茜へと襲いかかる。
雫が手をかざしたところは茜の腹。
「かはっ」
茜は肺の空気を無理矢理出され、吹き飛ばされる。
「う~ん、こりゃあ気絶してるな」
いつの間にか吹き飛ばされた茜の近くには、重治が居た。
「間宮の勝利!西城は休ませとけ!」
こうして雫は勝利を収めたのだった。