先生は適当だったらしい
創司と雫は入学式が終わった後、教室へと足を進めていた。
「創ちゃん、楽しみだね!」
雫はニコニコして創司に話しかける。が、そこは創司。何を言ってるんだこ
いつ?とばかりに、
「何がだ?」
そう質問した。
雫はブーッと頬を膨らませ、
「新しい友達が出来るかもしれないんだよ!もう少しテンション上がっても
良いと思うな!」
両手を上に上げてウガーッ!と叫んでいる雫。
創司はため息を吐きながら、
「…………どうでもいい」
そう呟いた。
教室に創司達が入ると、話をしていたクラスメイト達が創司達を一瞬見るが、話をしていた者達は話へ、寝ていた者達は寝て、読書をしていた者達は読書に戻る。
今のところ赤の他人なのだから仕方ないだろう。
創司は雫を伴って丁度空いていた席に座った。
「う~創ちゃん、寂しくない?」
雫は少しばかり離れた席になったのだが…………それほど離れてはいない。
「バカかお前。同じ教室なんだから寂しいとか無いだろ」
呆れた様に言う創司に雫はムッとしたが、教室のドアが開き、先生が入ってきた。
「席に着け~」
先生がそう言うと、全員静かに席に座っていく。
創司は先生を観察する。190センチはある大柄な男性で、無精髭がなかなか似合っている。そして、一見鍛えていないように見える身体だが、能力による物なのか、隠れてはいるが創司は相当鍛えている事を看破する。
「まあ、まずは入学おめでとうと言った方が良いのか?俺はこの学校の実技
………主に近接訓練を担当している。名前は土屋重治だ。まあ、好きな様に呼んでくれや」
どうやらなかなか話しやすそうな先生のようだ、と創司は考える。
近接訓練………この学校の実技の一つで、主に刀剣、素手などの近接戦闘を
想定した訓練だ。
この学校の実技は主に2種類。今の近接と遠距離だ。
遠距離訓練………主に能力による遠距離攻撃やサポート、武器による射撃などを訓練する。
この先生はその内の近接に特化した能力を持っている様だ。
「さて、入学したばっかでわからない事もあるだろうが、仲良くやっていこうや」
土屋がそう言うと、丁度チャイムが鳴った。相当遅れてきたようだ。
「お、丁度良いな。じゃあ、次の時間は自己紹介やらやってもらうからよろしく」
そう言って土屋は教室を出ていく。どうやらかなりめんどくさがりらしい。
投稿が不定期です。
作者も出来る限り早めに投稿していっているんですが………たまにネタがこんがらがってしまう事もあると思います。ご了承ください。