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空想の魔物と超能力者  作者: のほほほほ
第1章:テロリストと創司
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入学式

今、創司は入学式に出席していた。


無駄に長い学園長の話を聞き流しながら、創司は今朝の少女について考える。そう言えば名前を聞いていなかったな、と。


式場は奥の方に壇上があり、そこに行くに連れて低くなっていく構造をしている。その奥にはスキンヘッドの頭をした壮年の男性が、マイク片手に演説を行っていた。


創司は学園長の話を無視して、隣に目を向ける。


隣にいるのは、小学校からの幼なじみである間宮雫まみや しずく


茶色の長髪をツインテールに纏めている美少女だ。身長156センチ、スタイルは………大きなお友達に好かれるような体型だ。


創司は雫に目を………いや、正確にはその絶壁とも言える胸に哀れみの視線を向け、



「ブッ!?」



殴られた。それもグーでだ。


変な声を上げてしまったせいで、少しばかり注目を集めてしまい創司は非難がましい視線を幼なじみに向けながら、



「ひでえな。いきなり殴る事はねえだろ」


「うるさい。元はと言えば創ちゃんがえっちな視線を向けるのがいけないんだよ?」



えっちとは………自意識過剰なのか?と幼なじみに目を向けるが、また殴られそうなのでやめる。



「続いて、生徒会長からのお話です」



生徒会長と聞き、学生達の間に緊張が奔る。


この学園の生徒会長は生徒の中で最強の人がなる決まりとなっている。


学年も身分も関係ない。支持率すら無視されているが、この学園の生徒会長

になりたければ、現会長を倒せば良いだけなので、この制度は変更されていない。


そして、生徒会長が姿を現した。


創司は生徒会長の登場に目を見開く。ーーーあ、今朝の…………。


入学式が始まる前に校内を案内してくれた親切な先輩だった。


まあ、その後雫に何故先に行ったのかと説教を喰らったのだが、今の創司にとってはどうでも良い事に思えた。


少女は男女問わず魅了する微笑を浮かべながら、



「みなさん、私が現生徒会長の清水美咲です。…………」



演説を開始した。


創司は美咲の演説を聴きながら、頭では別の事を考える。


清水と言えば………番号持ち(ナンバーズ)の………。


番号持ち、それは各々の家に付けられたランクだ。清水は3番。ようは上位の名家である。


番号持ちは、当然数字が低い家のランクが高い。数字は20まで。


あくまで日本限定なので、世界規模で決められているわけではないが………日本の中では有数の名家と言っても過言ではない。



「………よって、この学園では余り身分などを気にせず平等な生活を営んで欲しいと思っています」



最後に美咲は優雅に一礼し、壇上を降りていった。


拍手が巻き起こる中、創司は彼女の言葉の中に、結構際どい言葉が多かったな、と小さく呟く。


世界が変革を遂げてから差別も増えるようになってきた。


例えば、能力のない者を差別する。


自分が能力があるからと、有能だからと、自分たちは上位種なのだと疑わない人間も現れ始めたのだ。


そしてもう一つが……………能力者の中での差別だ。


能力もすべてがすべて凄いというわけではない。


能力には種類があり、攻撃型、防御型、催眠型…………などなど、様々な種類がある。さらに、その中から小分けしてランクも設定してあり、弱い能力者ほど迫害を受けるようになったのだ。


そして、その中でも優れた人間は複数の能力を持って生まれる事もある。

人はそれを『複数持ち(マルチ・ホルダー)』と呼ぶ。


100人に一人の確率で生まれるそれは、理不尽な能力を持っていたり、役に立たない能力を持っていたりと様々だ。


そう言った人間が、他者を見下すようになっていく事も、稀ではない。


だからこそ、そう言った歪なプライドを持つ彼らに敵意を持たれないか心配だったのだが…………彼女の人徳もあるのだろう。全員が心から賛辞の拍手を送っている様に見えた。


そして次のプログラムは入学生の主席が演説する。


一応見ておくつもりだが…………どうでも良い事に変わりはないな、と創司は内心思って入学式を終えた。

ネーミングセンスが単調と思った方。

作者に凝ったネーミングは難題です。

では、また次回。

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