部活動見学 中編2
まさか長引くとは思わなかった件について。
まあ、結構いい感じに出来たと思います。
「しっ!」
創司は裂帛の気合いと共に、俊和へと拳を繰り出す。俊和は身を捻ってなんとか避け、
「おらぁっ!」
上段蹴りを創司の頭目掛けて放つ。が、創司は軽くしゃがみ上手く避け、俊和へ向けて指弾を放った。
「ぶっ!?」
空気の弾丸を眉間に喰らった俊和は、大きく仰け反りふらつくが、倒れる事はなかった。
「何だ今のっ!?」
俊和は体勢を立て直し、創司へと詰め寄る。その時に正拳突きを忘れない当たり、俊和の性格が伺える。
「何だって、指弾だが?」
何でもない言い放ちながら、俊和の拳撃をいなしていく。俊和はそこに、蹴りを織り交ぜ、ベクトルに逆らわないようにし力を増幅させながら拳撃を放っていく。
「いっ、みっ、がっ、わかっ、らっ、ないっ!」
拳や蹴りを放ちながら途切れ途切れに言う俊和。
呆れる創司だが、いなしながら俊和の質問に答えていく。
「指弾は簡単に言えば、空気の弾丸を指で弾いている。只それだけの技だ。が、これはあくまで熟練した者だけが使えるものだ。俺も小細工しているしな。まあ、これはコインとかでも使えるから、後で教えてやるよ」
「約束だぞっ!?」
ちなみに離しながらも拳撃の応酬をやめない二人。
この二人、方や身体強化で拳撃を繰り出し、方や身体強化もせずいなしている。これを見れば二人がどれだけ人間離れしているかが伺える。
「わかってる」
創司はそう言いながら、常人なら反応できない速度で中段蹴りを放つ。当たれば骨は砕けるだろうその一撃を、俊和は迎え撃った。
「おらぁっ!」
渾身の気合いと共に放たれた蹴り。お互いの蹴りはぶつかり合い暴風を引き起こす。
『うわああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああっ!!!!????』
『きゃああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああっ!!!!????』
「何だっ!?」
いきなりの悲鳴に、俊和は構えながら辺りを見渡す。創司はわかっているのか、構えを解いている。
「は?」
間抜けな声を出した俊和。俊和の気づかない間に、多くのギャラリーが居た。その中には生徒だけでなく、先生も混じっている。
「見せ物じゃないんだけどな…………」
そう言いながら、創司は苦笑する。俊和は間抜け面をしている。イケメンが台無しだ。




