断罪を始めたのに、婚約者からの反論がすごくて俺のターンが来ない
短いです
俺は、この国の王子として、悪事を見逃す事はできない。
クラスメイトのピンク頭令嬢(仮名)が、俺の婚約者からいじめを受けているという。
いじめ。ダメ。絶対。
婚約者には、いじめをやめるように何度か注意したが、改めないらしい。
何度も注意した。改めないなら仕方ない。
学園の食堂で、他の生徒がいる前で、婚約者に婚約破棄を宣言する事にした。
…後悔する事になるとは思いもせずに…
「お前とは婚約破棄だ!」
「まぁ!どうしてでしょう?」
婚約者が、わざとらしく驚いた顔をした。腹立つ。
「お前は、クラスメイトのピンク頭令嬢(仮名)をいじめたではないか!何度も注意したのに改めない!そんな女は王族に相応しくない!」
俺が言うと
「いじめなどしておりません」
婚約者が言った。
「嘘つくな!」
「そちらの令嬢が嘘をついております」
「何だと?」
婚約者から、意外な事を言われた。
「貴方は、そちらの令嬢がいじめられている所を見ましたか?」
「いや…」
相談されただけだ。
「では、何故調べなかったのですか?」
「ピンク頭令嬢(仮名)が、いじめられたと言ったからだ」
「『婚約者のいる殿方に、むやみに近付いてはいけない』という教育的指導をいじめと言われては、誰も教育はできませんね」
「…え?」
いじめって、そんな感じだっけ?
「しかも『婚約者のいる殿方に、むやみに近付いてはいけない』という事は、学園入学前に家で教わる事です」
確かに。
「そんな事も教育されていない令嬢など、貴族とは言えませんね」
言われてみれば、そうだな。
「きちんと教育ができなかった家に処罰を与えましょう」
俺は頷いた。
「そして、王子という、貴族達の手本になるお方が、教育ができていない令嬢を注意もせず放置したのですから、王子も教育ができていないという事です」
え?俺!?
「片方の話だけ聞いて、もう片方の話も聞かずに断罪するなど、公平性がありませんね」
「すぐに騙されるなど、ハニートラップにすぐに引っ掛かりますね。将来が心配です」
「そのような方が、王族を名乗ってもよろしいのでしょうか?」
反論しようにも、その通りだったので、何も言えない。
俺は、しばらく考えてから
「すみませんでした!」
土下座した。
断罪は、俺のターンが来ないまま終わった。
婚約は破棄された。
婚約者の家にも土下座しに行った。
それからは、勉強を真面目にして、マナーも勉強して、両方の意見を聞くことにした。
幸いにも、兄上が王太子なので、俺は王弟として兄上を支える為に努力した。
不公平。ダメ。絶対。
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