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断罪を始めたのに、婚約者からの反論がすごくて俺のターンが来ない

作者: 井上さん
掲載日:2026/07/13

短いです

 俺は、この国の王子として、悪事を見逃す事はできない。




 クラスメイトのピンク頭令嬢(仮名)が、俺の婚約者からいじめを受けているという。


いじめ。ダメ。絶対。



 婚約者には、いじめをやめるように何度か注意したが、改めないらしい。

 何度も注意した。改めないなら仕方ない。



 学園の食堂で、他の生徒がいる前で、婚約者に婚約破棄を宣言する事にした。


…後悔する事になるとは思いもせずに…



「お前とは婚約破棄だ!」


「まぁ!どうしてでしょう?」


 婚約者が、わざとらしく驚いた顔をした。腹立つ。


「お前は、クラスメイトのピンク頭令嬢(仮名)をいじめたではないか!何度も注意したのに改めない!そんな女は王族に相応しくない!」


 俺が言うと


「いじめなどしておりません」


 婚約者が言った。


「嘘つくな!」


「そちらの令嬢が嘘をついております」


「何だと?」


 婚約者から、意外な事を言われた。


「貴方は、そちらの令嬢がいじめられている所を見ましたか?」


「いや…」


 相談されただけだ。


「では、何故調べなかったのですか?」


「ピンク頭令嬢(仮名)が、いじめられたと言ったからだ」


「『婚約者のいる殿方に、むやみに近付いてはいけない』という教育的指導をいじめと言われては、誰も教育はできませんね」


「…え?」


 いじめって、そんな感じだっけ?


「しかも『婚約者のいる殿方に、むやみに近付いてはいけない』という事は、学園入学前に家で教わる事です」


 確かに。


「そんな事も教育されていない令嬢など、貴族とは言えませんね」


 言われてみれば、そうだな。


「きちんと教育ができなかった家に処罰を与えましょう」


 俺は頷いた。


「そして、王子という、貴族達の手本になるお方が、教育ができていない令嬢を注意もせず放置したのですから、王子も教育ができていないという事です」


 え?俺!?


「片方の話だけ聞いて、もう片方の話も聞かずに断罪するなど、公平性がありませんね」


「すぐに騙されるなど、ハニートラップにすぐに引っ掛かりますね。将来が心配です」


「そのような方が、王族を名乗ってもよろしいのでしょうか?」


 反論しようにも、その通りだったので、何も言えない。



 俺は、しばらく考えてから


「すみませんでした!」


 土下座した。




断罪は、俺のターンが来ないまま終わった。



婚約は破棄された。

婚約者の家にも土下座しに行った。



 それからは、勉強を真面目にして、マナーも勉強して、両方の意見を聞くことにした。

 幸いにも、兄上が王太子なので、俺は王弟として兄上を支える為に努力した。




 不公平。ダメ。絶対。


読んでいただきありがとうございます

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― 新着の感想 ―
馬鹿だけど素直だし、納得すれば正しく努力できるのは好印象。 これなら婚約を破棄しなくても再構築で良かったのでは?と思わなくもないですが、元々婚約者側が(令嬢ご本人か家の総意かは不明ですが)何かしらの理…
戦わずして負けていた……だと?! でもその後の行動はかなりまともだったと思います …いい男やん それなりに♡
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