世間知らずの我が儘姫は、強気を武器に生きていく
ベルクール王国第二王女であるセレスティーヌは、見知らぬ他国の王子から求婚の手紙が届くほどの美貌の持ち主。しかし、その中身は世間知らずで我が儘なお姫様。機嫌を損ねた相手を言葉の刃で徹底的に追い詰めてしまう、たちの悪い姫だった。
ある日、セレスティーヌは庶民に扮してお忍びの視察に出掛けた。初めてのお忍びにセレスティーヌは心躍らせるが、護衛の騎士のちょっとした言葉に気分を悪くすると、騎士を置いて一人で町を歩き出してしまう。
ところが、お忍びのはずなのに、誰もがセレスティーヌによそよそしい。それがセレスティーヌを一層不機嫌にさせた。
そこに、折り悪く小さな子供がセレスティーヌにぶつかってきた。不機嫌の頂点にあったセレスティーヌは、その子供に向かって手を振り上げる。
その時。
「我が儘とは聞いていたが、ここまでひどいとはな」
振り向いたセレスティーヌの目の前に、一人の男がいた。
その瞳の色を見て、セレスティーヌは凍り付く。
それは深紅。この世の終わりに現れるといわれる、悪魔の瞳と同じ色。
恐れを知らない我が儘姫が、生まれて初めて恐怖を感じた瞬間だった。
男との出会いがセレスティーヌを変えていく。
二人の出会いが歴史を変えていく。
これは、のちにベルクール王国中興の祖と称えられた才女、セレスティーヌ・ド・ベルクールと、その功績を陰で支え続けた謎の男の物語である。
転生、転移、魔法要素はありません。
毎週日曜日の午後八時に更新します。
ある日、セレスティーヌは庶民に扮してお忍びの視察に出掛けた。初めてのお忍びにセレスティーヌは心躍らせるが、護衛の騎士のちょっとした言葉に気分を悪くすると、騎士を置いて一人で町を歩き出してしまう。
ところが、お忍びのはずなのに、誰もがセレスティーヌによそよそしい。それがセレスティーヌを一層不機嫌にさせた。
そこに、折り悪く小さな子供がセレスティーヌにぶつかってきた。不機嫌の頂点にあったセレスティーヌは、その子供に向かって手を振り上げる。
その時。
「我が儘とは聞いていたが、ここまでひどいとはな」
振り向いたセレスティーヌの目の前に、一人の男がいた。
その瞳の色を見て、セレスティーヌは凍り付く。
それは深紅。この世の終わりに現れるといわれる、悪魔の瞳と同じ色。
恐れを知らない我が儘姫が、生まれて初めて恐怖を感じた瞬間だった。
男との出会いがセレスティーヌを変えていく。
二人の出会いが歴史を変えていく。
これは、のちにベルクール王国中興の祖と称えられた才女、セレスティーヌ・ド・ベルクールと、その功績を陰で支え続けた謎の男の物語である。
転生、転移、魔法要素はありません。
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