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大魔境の先の世界は誰であっても危険な場所である。

ニアさんのかてない存在、それは巨人だった。

私も巨人を見るのはこの時が初めてだった。


大魔境の先の世界は人間には非常に危険だ。

どんなに強い、それこそ世界最強とされる大勇者タリアでさえ2度の探検では死にかけたと言われる。


人食い鬼と吸血鬼の世界が危険というのは名前を聞くだけど想像がつくだろう。しかしそれは順位をつけるなら3番目に危険な世界だ。


魔法使いならば誰でも師から最初に教わる事は精霊の危険さだ。

精霊術師はベッドの上で死ぬ事はかなわない。

精霊に嫌われれば惨たらしい死を与えられ、精霊に好まれれば、人間には理解出来ない死よりも恐ろしい体験をし精霊に変えられる。どちらにしても目をつけられれば逃れる事は出来ない。

精霊と妖精の世界が最も危険である。


2番目に危険とされるのが巨人の世界だ。

巨人は残忍ではない。ただ人間とは命の質に差がありすぎる。不死身、そして復活する力をもつ魔法使い、その中でも超一流とされるものがなんの前触れもなく死ぬ。それが巨人の世界だ。


歴史上でも数百人しかいないと言われる2.5次魔法到達者でなければ巨人はいる事さえ気が付かない。

こちらの世界の巨人はなんとか、かすかな痕跡から居場所を想像し人間を殺さないように気をつけている。それが巨人であり、あちらの世界ではそれをしない為何の悪意も敵意もなく殺されるのだ。



巨人はこちらの世界には100体程度存在し、過去コンタクトを取れた人間がなんとか森からでないようにお願いしている。自称か本当にそうだったかはわからないが2次魔法到達者がその過程で戦いになったわけでもなく数名亡くなっている。

それが人間と巨人の関係であり、魔法使いは全ての巨人の姿と住処を教わり、無闇に近づかないように言われるのだ。

巨人の住処は巨人が住むという一点のみで大魔境に匹敵する危険な場所になる。

ニアさんは更にまずい状況にある。普通の巨人ならまだいい、2.5次魔法に達しなければ相手が気づかずに殺してしまうとは言ったが、なんだかんだでこちらの世界に長く住む巨人であれば人間の存在を予想する事は上手くなっている。

ニアさんの前に佇む巨人は僕の知らない巨人だった。

つまりこちらの世界をよく知らない。

もし気をつけていても人間を殺してしまいかねず、そもそも気をつけていないかもしれない。


巨人が近くにいる。それはそれだけで死を意味する。

巨人を前にしたニアさんの身体と魂は崩れ始める。


「ワンワンワン」


彼女をギリギリの所で救ったのはケロちゃんだった。

使い魔は2.5次魔法。巨人は気づく。


戦いはなかった。それでもニアさんは首がちぎれ、手足が片方づつはずれ、血を流したおれた。そして彼女の魂はそれを普通の状態と認識してしまっており再生出来ない。それでもまだ死んではいない。魔法使いのなかでも特に死ににくい錬金術師だった為命は助かったが危険な状態だ。

巨人には悪気はなかった。けれどケロちゃんは怒りで巨人に飛びかかった。

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