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魔法使いは100年後旅立つ

宮廷魔術師は他の魔法使いよりは忙しい。

特に僕の国は内乱以降、実際に戦うにはいたらなくとも魔法使いの諍いが起きやすい。

また宮廷魔術師は今や魔法使いの間では軽く見られがちのため、魔術師協会や、女神教、女神正教、といった当時の魔法界を牛耳る所と揉める訳にもいかないため、仲裁するのも一苦労である。


僕は妹の好きな歴史上の錬金術師シオンとは違うのだ。彼は一人で魔術師協会を黙らせた。彼もきっと親友を失いヤケになっていたのだろう。

けれど私にはできない。

また私の強さについても疑問持つ人は多い。



僕は何度かハンナと距離を置くように忠告を受けた事があるし、エリーを引き渡すように言われた事もある。天才魔術師のハンナに錬金術師は相応しくないということだ。またエリーの秘密はやはり少しづつもれはじめている。

それでもこの御時世強硬な手段に出ることはない。

魔術師は知っている、強硬な手段は下策なのだ。


魔法使いの恐怖を知る今の旧帝国民は魔法使いが戦いに力を使う事をおそれている。意味もなく戦えば孤立する。魔法使いは一人でも生きられるか一人で生きたくはない生き物だ。


私も例外ではない。

エリーや宮廷魔術師仲間に実際に危害を加えようとするものがいても私は穏便にすませる。ハンナに危害を加えるものはいない。先の内乱で優秀な魔法使いが多数死亡したこともあり、既に彼女は現役の魔法使いとしては世界最強。何か大会等があって比べたわけではないが既にそうではないかという噂は立ち始めている。


魔法使いは100歳以降は隠れて暮らす。

本当にエリーや仲間に危害を加えようとするものは10人程度いたが、私は命までは奪わない。100歳まで別世界に閉じこめるにとどめた。

なるべくなら他人の人生など背負いたくはない。


閉じ込めもかなりあまく魔法使いとして最低限の実力があれば自力で脱出もできるし、そうなれば、もう一度戦い諦めさせる、それでもダメなら命を奪う事も考えねばならないと思っていたが、誰も出ることすら出来なかったし、逆に無理に出ようとして死にかけた者もいた。

彼等にも帰りを待つ家族がいたのかもしれないがならばなぜ私の妹に危害を加えようと等したのだろうか。



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